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軍学校

あれから一週間、俺はずっと家で暮らしていた。なんでずっと家にこもっていたのかというと...


「仕事が来ない。」


勝手に仕事の依頼とか来るものと思っていたが...1時間前、俺はリブロにアルバキュリオ帝国の軍のシステムについて聞いたのだ。___


「アルバキュリオ帝国の軍は今は他国との戦争、今は月宮軍事国家っていうところと戦っているね。

そして、仕事の肩代わりなんかもしている。

で、どうして村人君に仕事が来ないのかというと、...実績がないんだよ。

君は軍において何も成していないんだ。だから、仕事もやってこない。需要がないんだ。」


リブロがそんなことを言ったので俺は。


「でも仕事が来なけりゃ実績なんてもらえないだろ?」なんて返した。


そしたらリブロは驚いた表情で俺に言葉を返した。


「もしかして、学校知らない?軍の学校。

あそこは戦いに必要なこととかも教えてくれるけれど、実績を上げやすいっていう部分もあるんだ。

あそこで名をあげられれば、仕事も舞い込んでくると思うよ。

そうだ、私が紹介状を書いてあげよう。めんどくさいことは省けると思うよ。」


___ということだった。そして、今俺は入学のためにに学校へ来た。


中はだいぶ広く、エントランスは高級ホテルのような感じだった。


「すみません...入学をしに来たのですが...」


俺は受付のお姉さんに声をかけた。


「そうですか、ではこちらの登録用紙に名前、生年月日、住所、得意魔法をご記入ください。」


お姉さんの印象はリブロと反対でまじめできちっとした感じだった。

名前は...仕方がない。少しいやだが、あの名前を入れるとするか...俺は名前の部分に村人と書き込み、生年月日は適当、登録用紙を仕上げた。


これで通るといいんだが...すべて書き終わり渡すとお姉さんは俺の名前に違和感を感じ取ったのか、すぐに手元にあった本を開いた。個人情報が載せられている本なのであろう。


「軍の個人情報には村人、という名前は載っておりませんでした。」


冷たい声でお姉さんは俺に告げた。


すっかり忘れていた。軍の個人情報の登録は国の戸籍からすると言っていたのだ。


ないもんなあ。戸籍。


くそッ!リブロのいっていためんどくさいことっていうのはこれか!


「説明できないとおっしゃるのなら、それ相応の対応を取らせていただきますが。」


後ろにはいつのまにか警備員が二人いた。


こうなりゃダメもとだ!俺は、封筒を胸元からサッと取り出し落ち着いたふりをしながら言った。


「これ、見てもらえませんか。」


さあ、どうなる...!?お姉さんは訝しげに中身を開き、見、そして次の瞬間、いきなり顔色が変わり俺に頭を下げてきた。


「こ、これは大変な無礼を!まさか貴方がかのリブロ・ライデン中佐の紹介で来たとはみじんも思っておらず!こちらも最近スパイなどが入り込むようになり、警戒していたのです!すぐに登録させていただきますね...」


お姉さんは先ほどとは打って変わってあたふたしていた。


作戦は成功したみたいだな。よかったよかった。...。


待った。リブロが、中佐だって?めちゃくちゃ偉い人だって?俺はいままでそれに向かって罵声浴びせたり、タメ口を吐いてきたりしたってことか?...いや、考えるのはやめておこう。


下手に考えても頭が痛くなるだけだからな。手続きが終わり、お姉さんがこちらを向いた。


「では、村人さん、あなたは今日からこのアルバキュリオ帝国軍学校、アルファベルトの一員で___」


「おいおい、そりゃねえだろマルフせーんせい。」


話を遮り、三人の見知らぬ人が現れた。全員見た感じは俺と同じくらいの年だろうか。


「そんな得体のしれねぇ奴、ほんとに学校に入れていいんですか?自分は納得いきませんねぇ。

少なくとも刃を交えるくらいはしないと。」


「しかしレギウス、彼はリブロ中佐の紹介で来たのです。丁重に扱わなくてはいけません。そして私はマルフィスです。」


レギウスは、鼻で笑いながらお姉さん、もといマルフィス先生を小突いた。


「少なくとも、他の奴らにゃ認められないでしょうねぇ...」


「け、けど__」

「俺は構いませんよ。」


俺は、先生の言葉に割り込んだ。


「お?つまりやるってことだな?」


レギウスは嬉しそうに聞いてくる。


「それ以外あるか?さっさとやるぞ。」


俺とレギウスはお互いににらみ合った。

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