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お隣さん

…何が起こった?状況を整理する必要があるな。


俺は最後のそうめんを隣の部屋の住人に渡そうとした。


そしたら、ドアが俺に向かって弾け飛んできた。


…いや、おかしいだろ。


そんなことを頭の中で考えながらドアを自分からはがしていると、中から人が出てきた。


「あー...また失敗しちゃった...って、わー!人いたの!?ごめんねぇ、今すぐ治癒魔法かけてあげるから...あれ?怪我無いね。何もぶつかっていないのなら良かったよ~」


中から出てきたのは、白いローブを着た女性だった。


黒い髪が膝あたりまで伸びているが、ローブや髪の端々がチリチリと焼けていた。


「いえ、ドアが弾けてぶっ飛びました。」


なぜ怪我をしていないのかというと、俺の持っている魔剣、塔底無の能力である。


ストックされている魂を消費して肉体の蘇生、回復を行うのだ。


その魂のストックはどこから手に入れたものなのかというのは...実はわからない。


ただ、魂のストックは残り49。それだけはわかる。


自分でもなぜわかるのかは知らない。重さ…のような気もする。


「えー!じゃあなんで怪我してないの!?もしかしてぶつかる前に防いだとか?」


説明するのも面倒くさかったので俺は。


「まあそんなところです」


と流した。


「そっかー、防げる人は久しぶりに見たよ!すごいねぇ!」


女性は朗らかな笑みを浮かべていた。


ところでなぜ爆発したのだろうか...


俺が聞いたわけでもないのに、女性はいきなり話し始めた。


「なんで爆発していたのかっていうとね、マナを限界まで圧縮していたんだ!圧縮すればするほど純度の高いマナが生成できて、いざというときにきっと役に立つと思うんだよ!ただ、なぜだかある一定のラインを超えると激しい爆発が起きて、こういうことになっちゃうんだ。」


なるほど、関わらないほうがいいな。そうめん渡して逃げるか。


「あの、これどうぞ。」


そういいながら俺は手早くそうめんを渡しそそくさとその場から立ち去る。


「あ、まだ名前言って___」


話を遮るようにして、俺はドアを閉めた。


自分の部屋に入り内装をのぞいてみると、細い通路の右側に風呂、トイレとなっていて、そこを抜けるとリビングとキッチンになっていた。部屋はなかなか広く7×8㎡ほどだった。


8年ぶりに家に住めるのだ。これが一番うれしい。


と、壁に大きめの穴が開いている...あいつの爆発のせいだろう。


後で直しておくとしよう。


晩飯を済ませ、壁を修理し、風呂に入り、いざ寝ようとした。と、その時。


眩い閃光が視界を埋め尽くし、またしても激しい爆発が起きた。


敵の襲撃も考えたが、壁が抜けている先に見えたのはやはり、焦げた隣人だった。

今度は小さい穴ではすまず、それはそれは大きな穴だった。壁がなくなっていた。


「おい、俺の部屋が共有の部屋になっちまったじゃねぇか。」


そういって文句を垂れると、彼女はまたしても朗らかに笑いながら。


「そういえば自己紹介していなかったね。私の名前はリブロ、リブロ・ライデンっていうんだ!君の名前は?」


天然なのか、話をそらされた。名前はもう、とっくに捨ててしまった。

だから俺は一言、

「Mで結構だ。」

そう言った。リブロははっきり言って頭がぶっ飛んでいるのだろう。


「Mか...それなら、君のことは村人くんと呼ばせてもらうよ!そういう雰囲気もするしね!偽名として使ってくれてもかまわないよ?」


と、自慢げに言った。

...徹夜で直してもらおう。

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