二回目の殺し
街道を歩いていると夜が明けた。
腹が減った。
持ち物は剣と小銭だけで食べ物がない。
どこまでも続きそうな街道を見ていると気が滅入る。
喉もかわいたし腹も限界だ。
どうにかして水と食べ物を手に入れないと、
オラアアアーー
ん?森の方から声がした。
森へ入っていくと冒険者のパーティがゴブリンと戦っていた。
木陰に隠れて見守る。
装備が新品なのを見ると新人らしい。
男一人に女三人か、いいご身分だな。
ゴブリン三匹と新人四人、これはキツそうだ。
剣を引き抜き冒険者に近寄る。
「誰だあんた?助太刀はいらねぇーよ!」
と男の冒険者がいきがる。
気にせず走り寄り、魔法使い風の女を叩き切り、聖職者風の女の首をはね、盗賊風の女の首に剣を突き刺した。
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!何やってんだ!!てめぇ!!」
男が剣を振り下ろすが、いなし、首を切り裂く。
男は患部に手を当てたまま、倒れ、口から血泡を出す。ブクブク何かを言いながら目を見開いている。
呆気ないな。村にいた頃よりだいぶ強くなった気がする。
ゴブリン三匹はいなくなっていた。
冒険者の死体を漁ると、皮袋、小銭、剣、短剣、投げナイフ、解体ナイフ、メイス、魔法の本、ポーション、携帯食、水筒を手に入れた。
大漁だ。
とりあえずその場から立ち去り、街道沿いで一服する。
この食料と水なら街まで持ちそうだ。
三日ほど歩くと街に着いた。
門の前には長蛇の列が出来ている。
時間がかかりそうだな。
最後尾に並び、魔法の本を読みながら待つ。
ふむふむ、まずは魔力なるものを感じる必要があるらしい。魔力は誰にでも多少はあるそうだ。
魔力を感じようとしていると背後から声をかけられた。
「坊や、」