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プロローグ

君たちは不幸な人間のことをどう思うだろうか。

可愛そうだと思うか?哀れだと思うか?それとも、近づきたくないとでも思うのだろうか。

答えはそうではない。

の答えとは「何とも思わない」が答えだ。

人間と言うのは自身や家族のことを愛おしく、慈しむ事が出来る種族だ。

だが、自身や家族とは関係の無い人間だった場合、何があろうとも他の人間には関心がない生き物だ。

まあ、思想については何か思うことがあるかもしれないが、行動に移すことはない。

しかし、極稀にこれとは全く違った思想や行動を取る人間が存在する。

(の人間とは────────。 




僕は目が覚めた。


「またこの夢か…」


今見ていた夢は、ここ数日毎日見ている。

何でこのんな夢を見ているのかわからないけど、気にしていてもしょうがないし、学校行くか。


「行ってきます」


僕は誰からも返事が返ってこないことに安堵・・しながら、家を出た。

玄関のドアを開けると、目の前に映っているのは辺り一面広い草原・・・・・・・・がただ広がっているだけだった。


「・・・・・・」


えっ!?はあ!?昨日まで周りには普通に一軒家が立ち並ぶ住宅街だったんだが!?

いや、待て待て待て。落ち着け。


僕は一旦ドアを閉めて何かないか探し回った。


「こういう時って何か手紙やらメッセージやらがあると思うんだけど…」


ほどなくして自分の部屋のタンスの上から二段目の引き出しから手紙が見つかった。



「お、これだな。えっと、何々──『突然で申し訳ないのじゃが、君を異世界に召喚させてもらった。何故かと言うと、今まで君のことを見ていたのじゃが、とても不幸すぎるからじゃ。しかし、わしの権限では君自身を変えることはできない。ならば、環境を変えて新しく生活できるようにしようと思ってのう。さらに、他にも道具を用意したぞい。場所はこの家の何処かにあるから探してみるがよい!』だって?」



僕はこの手紙を見て体を震わせた。


「ふざけんな!何で僕がこんな目に合わなくちゃいけないんだ!僕が不幸だからか!いい加減にしろよ…!マジで…」


僕は怒ったが、言っている内に悲しくなって声が小さくなっていった。


「ん?まだ続きがあったのか」


僕はその手紙がまだ途中だったのに気づき、読んだ。



此処ここからは、道具の説明に移ろうかのう。儂から与えた道具は三つ。一つ目は、運と魔力を大幅に上げて、が手に入るブレスレットじゃ。名前をグラムブレスレットという。ちなみに、ブレスレットを付けてやっとプラスマイナスゼロじゃから盗まれないように気を付けるんじゃぞ。二つ目は、物が入る上限が無く、守りの加護を持つバッグじゃ。名前はプレテジェリーバッグという。ちなみに、守りの加護による強度は敵だと判断した相手の攻撃を完全に防ぐ効果がある。さらに、食べ物は絶対に腐らないし、勝手に種類順に整理してくれる優れものなのじゃ。そして三つ目に、身体能力を底上げし、片手剣にもなるネックレスじゃ。その名前をデュランダルクロスネックレスという。ちなみに、ネックレスから片手剣にするにはネックレスのクロスの部分を掴み、「つるぎがあれ」と唱えると出来るようになる。さらに、そのネックレスには声紋認証を採用して君の声のみにしか反応しないというものにしておいたのじゃ。後、家についてじゃが、カギを掛けると自動で小さなビン状になるのじゃ。家に入るときはビンの蓋にカギ穴があるから、そこにカギを挿して開けるようになっているのじゃ。その肝心なカギのことじゃが、安心せい!鍵もセットで置いてあるからのう。そして、家の強度はアダマンタイトに匹敵するほどじゃからほとんどの攻撃が効かないようにしてあるのじゃ。

最後に、君はこの世界の勇者だからのう。最初に王都に向かうことをお勧めするぞい!では、気を付けて異世界ライフを楽しんで来い!不島幸輔ふつじまこうすけよ! by神様』


                                

「何最後に一番大事なことをさらっと書くんだよ!こんの(駄神)がああぁぁぁ!!」


僕は大声でツッコミを入れた。

それから少し経って僕は落ち着いた。


はぁ~、何かめんどくさいけど、実際に起こったことを目の当たりにするとやるしかないんだよな。


「でも、何で場所まで言わなかったのかが不思議だけど、今は探すか。どうせ魔物とかモンスターみたいな生き物がうようよいる世界なんだろ?魔力のことも話もしてたし。まぁ、今はそんなことより装備品を見つけなければいけないし。たぶん僕の部屋にあると思うけど」


こうして探し始めて三時間くらい経過してようやく全部そろった。


まさか、僕の部屋じゃなく、リビングと書斎とバスルームに一つずつあるとは思わなかったけど。


僕はその三つの装備と魔物やモンスターの攻撃にも耐えられるように鎖帷子を服の下に着てその上に防火材を使用した生地で編みこまれた上下黒のスウェットに防弾チョッキを着ている。

なぜ、こんなものを持っているのかと言うと、僕が不幸すぎることが原因だからだ。


ある日の僕の一日の出来事だ。

朝、目が覚めるところから僕の不幸は始まる。

六時ちょっと前に目が覚めると、一メートルくらいのアナコンダが襲い掛かてきていた。

僕はアナコンダをいつものように片手で首を掴んだ後、もう一つに手で首を掴んでいる手より下を掴んでそのまま下に最後までグラインドするとアナコンダはぐったりとして動かなくなる。

何故か、それは蛇の骨はほとんど背骨しかなく、上のようなことやると背骨が折れて動かなくなるから。

その蛇は後で一人しかいない不島家の朝食になりました。

そして、その後、登校中にヤクザの闘争に巻き込まれて、命かながら学校までついたのはいいものの、その学校でテロリストの集団に占拠されて更には人質にもなったが、

その後、下校中にもヤクザの闘争に巻き込まれて抜け出すも、今度は側溝に落ちて足が嵌って何とか抜け出せたと思ったら犬の糞を踏んづけて頭からはカラスの糞が落ち、散々な目にあった。

そして、ようやく家に帰ったと思っても家の外壁の掃除が待っている。

なぜなら、毎日誰かが僕が学校に行っている間に僕の家の外壁にラクガキをしているからだ。

だがそれは、僕の親父クソではない。それは分かっている。

でも、ラクガキをしている犯人は恐らく、僕のことが気に入らないけど力じゃ勝てないからラクガキ(こんな事)して僕が困っているのを見たがっている人物なのだろうと思っている。

まぁ、そんな人物はたくさんいるから気にしたって意味が無いんだけど。

それも終わって家に入るとまたもや不幸がやって来た。

親父クソが家に帰っているのだ。

もちろん戦闘になり、つつがなく(いつも通りに)終わった。

そして、親父クソがまたこの家を空けて、僕はご飯を食べて風呂に入って寝るのだ。

この一日が僕にとっての日常なのだ。


そして、蛇とテロリスト集団を仕掛けてきた人物は父親(クソ)だ。

僕のことが嫌いでよくこうして仕掛けてきたり、家に帰って来て僕のことを殴り殺そうとしてきたり、刺し殺そうとしてくる。

僕はその攻撃をわざと少し受けながらかわしている。

そうしないと親父クソは何時間も僕のことを殺そうとしてくるからな。

だけど、この頃、受けていたら逆に親父クソの攻撃が鋭くなっている。

意味が分からん。

その親父クソは基本的に家にはいない。


僕の母親は僕が幼いころに事故で死んでもういないらしい。

らしいというのはそのことを親父クソから聞いたからだ。

だけど、僕はそうではなく親父クソのDVに耐えられなくなって逃げたのだろうと思っている。

それこそ、自身の精神状態がおかしくなるくらいに。

そうじゃないと幼い子供(僕のこと)を置いては行かないでしょ。

でもまぁ、


「今はそんなこと(過去)を思っている場合じゃないな」


僕はモンスターに囲まれながらそう吐き捨てた。



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