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タカポンとミサリン 屁の宮へ行く

作者: 尾妻 和宥

 山々に点在するかえでは秋の彩りで模様替えをはじめる時期だった。

 僕こと久保田くぼた 隆利(たかとし)美咲みさきは、休日のたんびに各地の神社仏閣をまわるのが趣味だった。

 悲しいことに江戸時代は、明治近代政権によって全否定されたと言われている。主な愚策のひとつが廃仏毀釈はいぶつきしゃくである。明治維新の動乱のさなか、明治元(一八六八)年に薩長新政権が打ち出した思想政策によって、仏教施設への無差別な糾弾と破壊活動により、国宝級の建物や仏像が壊され、売却された。結果的に、日本全国にあった寺院が半分以下まで減らされたのだ。


 そんな恨み節を胸にし、各所を練り歩いては神道の威光を感じ、からくも難を逃れた仏教施設のありがたい佇まいを眺めて楽しむわけである。定期的にSNSも公開しており、西日本の主だったところは制覇してきたつもりだ。




 僕たちは、はるばる岡山県英田郡作東町あいだぐんさくとうちょうまで来ていた。めざすは美作市みまさかし北原のこう神社だ。建立こんりゅうの年、祭神は不明とのことなので、周辺住民に聞き込みをし、調査したいと思っていた。

 ところが、いま、車中は緊張がみなぎっていた。


 シャコタンにしたメタリック・パープルの軽ワゴン車をあやつるのはミサリンこと美咲。ヒョウ柄のカバーをつけたハンドルにかじりついたまま前方を見すえ、アクセルをベタ踏みにし、恐るべきスピードで国道一七九号線をかっとばしていく。

 歩道で手押し車を押しながらトコトコ歩く老婆はあまりの風圧に驚き、硬直したままなのを僕はミラーごしに見た。ばあちゃん、スマン……。


 助手席の僕は歯をくいしばり、体重一〇〇キロオーバーの身体を縮こめたまま、次のカーブでコースをはずれ、民家に突っこまないよう神さま仏さま、どうかお守りください、と祈るしか術がない。タイヤがイヤなきしみをあげている。

 せっかくの小旅行なのに、美咲はご機嫌斜めだ。斜めってもんじゅない。僕の母について不満たらたらなのだ。体内にたまったモノでも解毒デトックスするかのように、えんえん吐き出し続ける。

「タカポン! あたしの話、ちゃんと聞いてんの」

「へ?」と、僕は我に返った。「母さんと出かけようとした件だっけ。さんざん横Gで揺さぶられるもんだから、半分失神してもうた」


「……で、昨日もスーパーに行こうとしたら、ほら、あたしってば、お洋服選びに時間かかるでしょ。あーでもない、こーでもないって悩んでると、玄関で待たせてたお母さまが勝手にキレちゃって。あたしの部屋に入ってくるなり、けだるい声でこう言うのよ。『あーら、美咲サン、ずいぶんとお時間がかかってますこと。わたくし、四十分もまえから待ちぼうけをくらってるんですけどねえ。これじゃあ、マネキンになっちゃいそう。たかが近所のスーパーへ行くのに、恐ろしく身ぎれいにされますわね。パリコレのランウェイでもお歩きになるつもりかしら?』って……。まったく、うるさいわ!」と、アニメ声でまくしたてるのだ。


「時間にルーズなんだよ、ミサリン。母さん、むかし、茶道の先生だったから、そういうのに厳しい人だから」

「また味方する。あんたが肩をもつべきはこっちでしょ。昔から定番の、姑と溺愛息子の結託パターンじゃない。タカポン、あんた、典型的なマザコンなのよ。自覚あんの」そう言って、たっぷり贅肉のついた僕の脇腹のをつねった。

「アウチ! つねって、ねじあげるのだけはやめい!」


 ミサリンの眼はすっかり逆三角形になっていた。「二世帯住宅のストレス、ここで発散せずして、どこで吐き出すってか」

「筋ちがいじゃないですか。おなかに八つ当たりするんじゃない」

「だったら、さっさと出世して、もっと稼ぎなさいよ。新居を建てて、別居するの。一刻もはやく。可及的すみやかにってやつよ」

「無理」と、僕は歯をむいて反抗した。「プランナーになったはいいけど、拘束時間が長くなったわりには、ちっとも収入に結びついていないっつーの!」


 僕はFランク大学出身ながら、卒業と同時に、ちょっとは名のとおったゲーム・メーカーに就職した。プログラマーを四年間経験したあと、ゲーム・プランナーに昇格したのだ。してしまったと言った方が正解か。

 業務内容は企画書の作成からはじまり、イベント・仕様書作成、マップデザイン、データ解析からプレゼンに至るまでフットワークの軽さが要求された。


 知性は昔から十人なみだったが、持ち前の低姿勢と、二徹三徹が耐え得るバイタリティーだけが評価されたのだ。前任のプランナーが精神的に病んでしまい、支離滅裂な言動をするようになって――ひじを折り曲げて、広げた手を翼に見立て、パタパタさせながら深夜の仕事場を行ったり来たりした。


「おれは空も飛べるんだ……自由だ」とかなんとか、つぶやきながら――、二、三日したと思ったら案の定、行方をくらませた。現在、生存してるかどうかは不明。どこかの山中で吊っているのかもしれない。ゲーム・クリエイターの世界ではよくある話だ。

 そこで年功序列よりも、コミュ障でないことを理由に、自動的にくりあげ昇進してしまったわけだ。


「プログラマー時代よりかは年収はあがったけど、こんな仕事、いつまでも続けられるかどうか怪しいって。頃合を見て、さっさとくら替えした方が利口だよ。稼ぎが少なくなるのはやむを得ない」

「後ろ向きな発想ばかりしてんじゃないの。いつまでも中間管理職でとどまってたら、神経すり減らすだけよ。バリバリ成果出して、いっそ、トップに立っちゃえばいいじゃない」


「かんたんに言うな。僕ぁ、人に指図する立場の器じゃない。そもそも神経がデリケートにできてんだよ」

「バリケードみたいな図体のくせに」

「失礼な。ミサリンの口の利き方だって、有刺鉄線なみのトゲがあるわ」

「なんでやねん」と、ツッコミを入れたあと、「……あ」と、急に美咲は真顔にもどり、あわてて運転席側のパワーウィンドウを半分まで引きさげた。音はしなかったが、コソッとやっちまったらしい。「また粗相しちゃった。ゆるせ。こらえきれんかった。粗相ったって、ガスだけよ」


 窓を開けてもにおいはすぐに去らない。僕の鼻は、美咲のキュートなお尻から発射されたかぐわしいおならをキャッチした。

「ズバリ、くさい」

「うえーん」と、泣き顔で舌を出した。「メタバリアン飲むようになってから、ずっとこの調子よ。糖質制限ダイエットとの組みあわせが効果的なんだけど、こんなにも副作用が出ちゃうなんて難点だわ……。出かけるときは飲むべきじゃない」


 どうやら、彼女の肛門括約筋がゆるみがちなのは、ひと月前から服用するようになった人気ダイエット・サプリに原因があるようだ。サプリメントにふくまれる自然由来の成分サラシアには糖の吸収を抑える働きにくわえ、腸内環境を改善する効果があるとされているという触れこみなのだ。


 しかしながら腸内にいる善玉菌が活性化されるため、おならが出がちになったり、下痢気味になったりするそうだ。個人差もあるが、もともと腸内に悪玉菌が多かった人ほど、この症状が顕著に表れるという。美咲はこの副作用をもろに受けているようで、そばにいる場合、ましてや密室状態にいると少ながらず被害をこうむるというわけだ。


「こうも連発されると」と、僕は鼻をつまんだまま鼻声で言った。「いささかデリカシーなさすぎ」

「うるさい。がまんしなさい」

「がまんすべきはそっち。……せめて、こう慰めといてやろう。こないだ週刊誌に書いてた記事でね、こんなのがあった」


 最近、イギリスのエクセター大学の研究チームが医薬化学雑誌の権威『Medicinal Chemistry Communications』に発表した研究によると、おならに含まれる硫化水素はガンや糖尿病、脳卒中などの病気の予防に役立つと発表した。さすがに硫化水素を多量に吸引するのは有毒だが、おならほどの少量であれば体内の細胞を保護し、エネルギー生成を促進するというから、おならを害悪と捉える必要はないという。


「なるほど、少量ならね。連続でブッ放したら、きっとガスマスクがいるわ」

「カメムシも密閉空間で悪臭を放つと、自分のにおいで自爆するらしいぞ。これ豆な」

「黒タカポンが発動したな。カメムシあつかいして」

「まあ、カメムシのソレはおならじゃないけどな」

「う」と、美咲はまた顔をしかめた。「またでそう。こうなったら、恥を忍んで遠慮なくガス抜きするしか」


「……やってくれたね。親しき仲にも礼儀ありって言葉も、地に落ちたもんだ」

「黒タカポンめ。皮肉が冴えるわね」

「ミサリン、べつに太ってもいないのに、そこまで気をつかうほどのもんかね。ダイエットが必要とも思えないんだが。むしろ、もっと肉つけた方が好ましく見える気もするんだけど」

「女はね」美咲は健康的なピンク色の歯ぐきをむき出しにして、キンキンするアニメ声で言った。「他人が見ても気にはならなくとも、つねに自分磨きを怠ってはならないものなの。ちょっと神経過敏なぐらい美に対する探究心がある方がいいの。ストイックなあたしを見習って、あんたもこのブヨブヨのおなか、なんとかしなさい」


「僕から食欲を奪うのだけはカンベンしてくれ。食べることだけが生きがいなのに。背脂ギトギトのラーメンと、骨つきチキンは心の友」

「生活習慣病この指とまれじゃん。これじゃあ新居、建てるまえに倒れるのがオチ」

「そこでミサリンのおなら効果でしょ」

「そうそう、妻の愛情たっぷり硫化水素を夫に嗅がせて、心筋梗塞を未然にふせぐ……って、なんでやねん!」と、言って、僕の胸にツッコミを入れた。


「それよか、さっきから目的地、ナビに表示されてないんだが。道、まちがってるんじゃないのか?」

 国道一七九号線からはずれ、農道らしい道幅のせまい悪路に入りこんでしまっていた。いつの段階で脇道にそれてしまったのか、おたがい記憶がない。おしゃべりに夢中になってると、いつもこうだ。

「この道を行けばどうなるものか」と、美咲は背もたれに頭をあずけたまま滑舌よく言った。「危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし。踏み出せば、その一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ」


「なんじゃそら」

「敬愛するアントニオ猪木の引退試合の言葉」

「それとこれとが、どんな関係があるんだって」

「だったら、このまま突き進むべしってこと。目的地を荒神社にこだわる必要ないじゃない。行った先に、ほかの神社仏閣やほろらがあるかもしれないでしょ。知名度の低い、マニアックなところが。目的地があろうがなかろうが、臨機応変にかえていかなくちゃ。タカポン、あんた、そんな石頭だと出世街道から見放されるわよ。この立派なビールっ腹だけは、柔らかいくせに」

「お痛!」


 そのうち、ますます道の両側は杉の木が立ちならぶようになり、密度の濃い枝葉によって空がさえぎられ、にわかに陰気くさくなってきた。

 道路の左手の眼下にはさらさらと小川が流れ、右は急な山の斜面だ。落ち葉がこんもりと積もり、それを押しのけるように雑草がいたるところに生えていた。


 しばらく曲がりくねった山道を進むと、斜面側にお地蔵さんらしき灰色の石塊が鎮座しているのが見えてきた。

 ひと目で作られた年代が古いことがわかる。挟みこむ形で赤と白ののぼりが立てかけており、どら焼きとペットボトルの飲料水を供えてあった。なにかいわくありげに映った。


「ちょい待ち。ずいぶんとかわいい仏さまだこと。これはチェックせずにはいられない。降りてみましょ」と、美咲は言って、車を路肩によせ、パーキングさせた。

「物好きな。荒神社めざしてるつもりが、こんな場末ばすえの石仏が終着点だとか。マニアックにもほどがある」

「ツベコベ言わない。ほら、とっとと降りる。あくまで寄り道よ」

「まあ、ドナドナの歌詞の気分から解消されるかもな」


 こうして僕らは車外に出て、お地蔵さんを囲んだ。

 上半分だけが紡錘形ぼうすいけいの光背をかたどり、大日如来だいにちにょらいらしき仏さまが浮き彫りにされていた。作りは稚拙ながら、胸のところで手があわさり、結跏趺坐けっかふざした坐像で、眼をとじ、穏やかな表情をされ、彫った職人の人柄が偲ばれた。


 僕らのマニアぶりは神社仏閣のみならず、こんな小さなお地蔵や、集落の境に設置されたさえの神、いわゆる道祖神にいたるまで広範にカバーしていた。学者みたいに物体に触れたり、碑文を検証したりして綿密に調査するわけではない。たんに、その造形をでて、気分をほっこりさせるだけだ。それが日々のストレスをやわらげ、癒しへとつながると信じて――。


「幟立ててるけど、祭礼でもあるのかな」と、僕が素朴な疑問をもったときだった。

 背後で藪こぎする音が聞こえ、足音が近づいてきた。

「その仏さまは屁の宮と言いましてね。ここいらじゃ、ちょっとは知られたものらしいんです」

 ふり返ると、六十前後の、頭がうすくて、やたらと肌が浅黒い男がこちらにやってきたところだった。口ひげをはやし、目尻と口の横の笑いじわが目立ち、顔面しわだらけといった人相で、よく通る声の持ち主。どうやら悪い人ではなさそうだ。


「屁の宮?」と、ミサリンが眼をまるくして言った。『へ』の発音がやけに甲高くなった。「ひょっとして、おならの屁からきてるんですか?」

「ええ、屁の宮。近いうち、祭りがあるそうです。……ああ、私は不破ふわ 純平じゅんぺいと言いましてね。道楽で郷土史家をやってる者です。よろしければお近づきのしるしに」と、不破と名のる男はジャケットのポケットから名刺を取り、さし出してきた。


「へー、道楽でね。……いまのはダジャレですよ。笑うところ」僕は名刺を見ながら言った。「おならにまつわるお地蔵なんですか。それは初耳だ。しくも僕の嫁が」そこまで言うと、ミサリンのローキックが僕のふくらはぎにヒットした。


「そう。おならに関連した伝説がありましてね。……ていうか、女の幽霊が出るようになったんで、地蔵を建てて、女の冥福を祈ったといういわれがあるそうなんです。ほんとうかどうか、おかげで幽霊騒動はおさまったとか」

「え、幽霊……」と、美咲がおっかなびっくり、わが身を抱いた。

「ずいぶんとお詳しいようですね。よろしければその伝説というのを教えていただきませんか。オリジナリティーがあるんで、興味を憶えました」

「なんでしたら、そこへ腰かけてご説明しましょう。私もこのへんをハイキングがてら歩いてきたんで、少々疲れました。よっこらしょ。……屁の宮にまつわる伝説、それはこんな内容でしてね」




 江戸時代のころ、あたりを支配していた代官には、眼をみはるような美しい姫がいた。

 ある日、農民たちが忙しく田植え作業をしているのを見ていた姫は、いっしょに田植えがしてみたいと思い立った。そういうわけで、家人の目を盗んで抜け出した。

 水田に入り、みんなと同じように田植えをして楽しくすごした。はじめての労働は、春の陽気も手伝って心地いい。

 ふいに姫は下腹のあたりがガスで張ってきたような気がした。しばらくがまんしていたが、ひと汗かいた解放感もあり、思いっきり大きな音で一発かましてしまった。

 そばで田植えをしていた農民たちは爆音に眼をまるくした。 そしてみんなして顔を見あわせ、「なんと……姫さまが屁をひられた!」と、大笑いした。おおらかなひとときだった。


 ところが、姫にとっては笑いごとではすまない。遅まきながら放屁したことを恥ずかしく思えてきて、いてもたってもいられなくなった。

 顔をかくしてその場から立ち去った。

 そして友野、金屋、大原の村境あたりまできたとき、衝動的に小淵へ身を投げて自害してしまった。まさに愧死きし(恥ずかしさのあまり死ぬこと)とは、このことだろう。

 ところが姫は浮かばれなかったのか、その後、幽霊となって出没し、近くを通りかかる村人をひどく恐れさせた。


 不憫に思った代官は娘の遺髪を小淵のそばの山林に理め、ねんごろに供養したところ、騒ぎはなくなったという。

 時代はうつり、墓石もなくなってしまったころ、哀れな伝説を知った村の婦人たちが、遺髪を埋めたとされる周辺を掃き清め、あらためて供養したところ、ふしぎと願いごとがかなうようになった。とりわけ女にご利益があるとされた。

 周辺の村にも知れわたり、地蔵が建てられた。いつしかこれを屁の宮と呼ぶようになった。いまでも地元の人が花を供えている。




「おならをこいてしまったがために自殺されるとは、なんともはや……哀れすぎますね」僕は腕組みしたまま、複雑な思いで言った。

「時代が時代だったんでしょう。恥じらいはひとつの美徳とされた。そういうしつけを受けてたんでしょうね。現代女性は身につまされるものがあるのではないでしょうか」と、不破は言った。


 僕がミサリンの顔を見やると、「なによ、タカポン。まるであたしってば、羞恥心がないみたいな目線よこして」と言って、頬をふくらませた。

「そりゃ被害妄想だ。……ま、たしかに、おならごときで死ぬタマじゃないが」

「このッ!」

「立派な夫へのDVだぞ、これ!」


 不破は口ひげをかきながら、苦笑した。「ケンカするほど仲がよろしいようで。どうです、屁の宮は女性の悩みにこたえてくれるとか、ご利益があるそうですよ。なんでしたら願かけなさってはいかがですか」

「女性の悩みね。あるの、ミサリン」

「だったら」と、美咲は言い、地蔵のまえで眼をつむり、もっともらしく合掌した。「とりあえず、可及的すみやかに、このおならをとめてくださいって願かけしようっと」と、言ったそばから、「ブリッ!」と、一発かました。

 僕がすかさず、「あ、また屁、こいた!」と指摘すると、ふり返りざまグーで殴られた。




        了

        ★★★あとがき★★★


 エキセントリックなタイトルの方がPVの伸びがいいような気がするので、実験的にやってみた。

 主人公のタカポンと妻ミサリンのバカップルの珍道中。

 テーマは『おなら』と『羞恥心』。

 元ネタは、拙作『影取り沼』同様、『日本伝説名彙』柳田国男監修・日本放送協会編のP.490に記載されている『屁の宮』から思いついた。この際だから、全文、抜粋しちゃおう。


 昔、若い嫁が田に挿秧そうおう(田植え)しているとき、あやまって放屁し、人に笑われたのを恥じて死んだ。のちにしばしばその幽霊が出るので、村人は恐れて石地蔵を建てて祀ったという。(英田郡誌)岡山県英田郡豊田村友野(現作東町)

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― 新着の感想 ―
[良い点] おならがテーマなんて、攻めてますね! [気になる点] しかし伝説、好きな方ですね、、、
2017/05/18 22:10 ななかまど
[一言] 私が「破船」に涙しているときに、 「そんなものより傑作ができたぞ」と、 すすめた作品がこれですか(・ω・)? 釣りですか? ミポリンのモデルはスペルさんの オクサマですか? たしかにスペル…
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