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自重しない世界樹の愉快な日常  作者: 空の宙
1章・植物転生を果たした少女
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6、寂しがり屋の双子

 

 私の右肩にはティナとアルが仲良く座り込み、フィーは私の横をパタパタと飛んでいた。んで、中心にいる私は真っ裸。なにこの集団、ワケカワメ。いや普通に真ん中の人が酷いですごめんなさい。


 服のことだが、ドライアード達は蔦で胸を隠しており、妖精達はなんか薄い布?みたいなのを身につけている。フィーだけはなんか普通の、といっても十分きらびやかなワンピースだ。王の風格を出してる感あるねー。羽も少し大きめで鱗粉みたいなのが輝いている。ま、まぶちい、まぶちいよ。


 私、今じゃこんな美少女になれたんだから、なんでも似合う気がするよ。歳は前世と同じくらいの十七歳っぽいけど、何も喋っていなければ随分大人びて見えると思う。まあ、残念ながら中身が残念な私である故に残念美人ですけどね。しょうがないね。


「メイすりすり〜」


「ティナかわいー」


「んきゅうー」


 全身を使って私に頬擦りしてくるティナの小さな頭を指先で撫でてあげると、気持ちよさそうな声を上げる。至福です、愛が溢れそうです。そうやってると、何故だかアルが私にじゃなくティナをぎゅーっと抱きしめる。私を抱きしめてくれてもいいんだよ!てか抱きしめて!


「ティナは甘えん坊さんだなー。私が世界樹だからって、初対面でここまで懐くかなー」


「多分、寂しかったのではないのですかね?」


「寂しい?」


 近くに家族がこんなにいるのに?私がそう疑問に思うと、フィーはティナの頭を撫でながら答えてくれた。


「この二人は先代世界樹様が産み、名前を付けた最後の妖精なんです。二人に名前を付けた数日後に、世界樹の意思は消えてしまいました」


「うぬぅ〜」


 頭を撫でられティナは笑うが、ほんの少しだけ寂しそうであった。隣に座るアルも少し俯いていた。


「世界樹様の亡き後、何度か人間達の脅威に晒されかけ、一度侵入を許してしまい、二人は人間達に攫われかけたのです。なんとか難を逃れることは出来ましたが、もし攫われていたら、人間達の好きに扱われていたでしょう」


 なんだって?なんて蛮人共だ。今更怒りを抱いたって起こったものは変えられやしないが、それでも腹は立つ。全く人間って奴は、元人間でも理解出来ないね。


「その後、アルティスはエルティナのことを双子の兄としてきちんと見守り、二人はいつも過ごしていましたが、世界樹様のために仲間は数を減らし、友人もあまり出来ませんでした。だから、親のようなものであるメイリア様の事がとても愛おしく感じるのでしょう」


 私はそれを生きて目頭が熱くなった。だから思いっきりティナを撫でてあげる。


「ううう〜、ティナ〜、アル〜、私が先代さんの分までたっぷり愛情注いで上げるからね〜」


「うきゃー」


「…別…に、俺にはエルがいるからいい」


「私に嘘は通じないんだぞツンデレめ〜」


「だー!そんな撫でるなー!」


 まだ慣れないけど、能力使えば感情読めて一発で嘘って分かるんですー。ツンデレさんは通じないんだぞー。

 私この子達に愛情というもの全てを教えてあげるわ!家族としても友達としても!


「お、丁度見えてきましたね。あれがエルフの里ですよ」


 私が二人のことを全力でなでなでしながら歩いていると、ようやく目的地が見えた。世界樹がある所は丘の天辺だったみたい。集落が下の方に見えるもの。


「突然入っては騒ぎになるでしょうし、誰か外に歩いていませんかね?」


「んー、うー、あー、あそこに人いるー」


 ティナが指差した方には、トンガリ耳でまだ子どもっぽいエルフ少女が、果物を詰めた籠を持って歩いていた。


「丁度いいですね。メイリア様が行けば混乱もあるでしょうし、私一人で行ってきますよ」


 あー、私一応姿は人間だからなー。纏ってるオーラは明らかに人間じゃないけど。なんだろ、生命力かな?あと真っ裸だし。ここはフィーに任せるとしよう。

 フィーは少女に近づいて行くと、話しかける。私達は木の裏に隠れながら様子を見守る。


 まず、少女はフィーの姿を見て驚く。もしかしたらフィーって妖精王だから、会えることが珍しかったりするのかな?


 そんな少女をフィーが落ち着かせ、一言二言話すと、少女はこちらと目を合わせてきたので、私は笑って手を振る。そして恐縮そうに震えると、そのまま里の方へ走っていった。反対にフィーはこちらへと戻ってくる。


「とりあえず服を持ってきてもらえることになりました。メイリア様に合う服があるといいのですが」


「まあまた後で新調すれば良いんじゃない?なるべく可愛いのでよろしく」


「メイきれいだからなんでもにあいそー」


「ティナも可愛いから可愛ければなんでもいいと思うよ。みんなイチコロだよ」


「……エルが可愛いのは、当たり前」


 何故だかアルがドヤ顔しながら答える。……私段々このショタのこと分かってきた気がするんだけど。多分すぐに分かってきそうだ。まあショタとしては可愛いからなんでもいいけどね!


 とりあえず服はゲット出来そうだぜ!黒歴史なんてなかったんや!



ブックマークありがとうございます。その数が増えるだけで作者の幸せ度がガンガン上がります。

感想やポイント評価等もよろしくお願いします。

またこうした方がいいかも、と言った意見もバンバン送ってください。


モットーは、自分も楽しく、読者にはもっと楽しんでもらえる小説を。

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