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自重しない世界樹の愉快な日常  作者: 空の宙
1章・植物転生を果たした少女
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2、幸せに浸る前に現実を知りなさい

 

 あ、あああああ……。


 なんということでしょう、ただの女子高生だった私は、どうやらでかい大木になっていた様です。


 ……って!よくないよ?!なにこれ?!何が起こったの?!何があったの?!


 確かに異世界転生ものってあるよ!どうせこの世界も異世界なんでしょ?!それはいいよそれは!


 でもなんで!人間でもモンスターでもなく、よりによって木になってるの?!しかもとてつもなくでかい木に!これ動けないんですけど!完全に木から上半身生えてるだけなんですけど!神話とか眼下にいるようなドライアード状態なんですけど!


 お、落ち着け私、もちつくんだぁ。


 すぅー はぁー すぅー はぁー


 ふう、一旦落ち着いた。まずは、あれだ、会話に挑戦しよう。


「ぁ……、あー、あー」


 うん、この上半身、声は普通に出るみたい。じゃあ早速この可愛い妖精さん達に話を聞いてみよう。


「えー、初めまして?そこの、妖精さん、でいいのかな?」


「「「喋ったぁあー!」」」


「ええー……」


 そこまでビックリして互いに抱きつくとかなんですか可愛いですね頬擦りしていいですか?

 いや違うそうじゃない。この子達が可愛いのは前提で事実なんじゃ。まずは話を進めなきゃなんじゃ。混乱しすぎて現実確認の前に現実逃避しようとするんじゃない。


「ああうん、そうだよー、喋れるよー。意思疎通可能なんだー。だからとりあえず君達のことを教えてくれない?」


「「「妖精のことー?」」」


 ああやばい、小さな顔がそろって小首を傾げてますよ可愛すぎだよ天国すぎるぜ畜生。


 私が愛を溢れさせそうになっていると、下の方から一組のロリショタの妖精が手を繋いで飛んできた。顔がまあまあ似ているし、兄妹か双子かな?妖精で兄妹があるのか不明だけど。そしてロリのほうが話しかけて来てくれた。


「妖精のこと、知りたいのー?」


「うんうん、そりゃあもう隅から隅まで知り尽くしたいです」


「……じゃあ、女王様なら、話が早い」


「女王様?」


 このちょっと生意気そうなショタから女王という言葉がでた。やばいこのロリショタ兄妹めっちゃ私のタイプなんですけど。てか女王様とは、妖精王って感じかな?なにそれどうやって接すればいいんですか。


「じゃあその妖精の女王様を呼んでくれると嬉しいかな?その方が良さそうだし」


「わかったー!じょーおーさまー」


「はいはい、こちらにいますよ」


 ロリ妖精が振り返って一生懸命に呼ぶ。が、声は何故か上の方からした。ただでさえ目線の高い私よりも上から。


 私が首を動かして上を見ると、そこにはザ・女王様という風格を携えた絶世の美女妖精バージョンさんが現れた。つまり小人美女。顔はちょっと無表情っぽいけど、冷たいってわけじゃなさそう。無表情キャラかな?

 そしてゆっくり降下して私の目線までやってきた。


「初めまして新たな世界樹様。私は妖精王フィリナーラルと申します。もう完全に目覚めたようですね」


「初めまして、女王様。ええと、私はー……、何なんですかね?世界樹なのかな?出来れば教えてくれませんか?」


「まず、あなたは全ての生命を統べる力を持つ者。私のような一介の妖精王程度に敬語など不要ですよ」


「ええー……」


 だって女王様なんでしょー?なんか悪くなーい?まあ本人がいいって言ってるしいっか。


 てか私随分大層なものみたいに言われてない?世界樹って、まじで世界樹なん?それっぽいとは思ったけど、まじなん?


「じゃあそうさせてもらうよ。まず、君達は妖精で、下にいる木と人間が同化したようなあの子達はドライアードでいいのかな?」


「ええ、その遠りでございます。我々は世界樹に咲く花より生まれる妖精族、そして彼女たちは世界樹の別れた枝から生まれたドライアードでございます。どちらも、貴女様から生まれたものたちですよ」


「え、じゃあ私はみんなのお母さんみたいなもんなの?」


「言い換えるとそうなりますね」


 ま、じ、か。この可愛い子達みんな私の娘息子ですか最高ですね。設定が凝ってるねえ。好きだぜそういうの!


「ていうか、さっきから私のことを世界樹って言ってるけど、なに?私ってドライアード世界樹バージョンって感じなのかな?」


「いいえ?貴女様は世界樹で、ドライアードなどではありませんが?」


「え?」


「え?」


 二人そろって首を傾げる。私の頭に乗り始めたロリ妖精は「ドラちゃんたちそっくりー!」と楽しげに笑っている。ドラちゃんはどうなんだ、ドラちゃんは。


 えーと、でもドライアードではないんだよね?でもドライアードそっくりな上半身生えてますが?神話で良くいる、木の幹から美人な女性の上半身が生えてる状態だけど違うの?世界樹とドライアードは違うってこと?


「え、じゃあ私のこの体はなんなの?」


「それが分からないのです。今まで、と言っても私が知ってるのは先代までですが、先代は普通の世界樹で、大木の姿のまま一生が終わりました。貴女様のように、ドライアードのような姿になるなど、本来ならありえないはずなのですが……」


 本人が一番分かってないです。だって出そうと思ったら出たんだもん!ワケワカメ。

 先代ってなに?誰それ?世界樹に先代とかあんの?いや、にしてもこの姿でドライアードではないとは一体……。


「いやー、私なんか自分に違和感感じたから、こう、体を出すイメージをして気合を入れて、気がついたら自分の中から上半身だけ抜け出していたんだよねー」


「体を、出す……?イメージしただけで、ドライアードのように人の体を得たというのですか?」


「うん、そうなるね」


 改めて自分で自覚すると、意味不すぎる。なんやねん大木から体生やすって、なんやねん。転生したはいいけど、自分について謎が多すぎるよ……。


 ほんと神様何してくれてんの……?神のせいなのかまだ分かんないけどさぁ。適当に責任問いたいだけだけどさぁ。

 ちょっとないわー。いや、妖精やドライアードは最高ですけどね。

昨日の時点で章タイトルを見た方、本当にすいませんでした。完成に修正を忘れてました。

修正したので許してください。

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