表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自重しない世界樹の愉快な日常  作者: 空の宙
1章・植物転生を果たした少女
1/32

1、植物状態の意味を履き違えた目覚め

ノリで思いついたノリで進んでいく、とりあえず可愛いもの大好きな変態の話です。

自重を知らない主人公以外で癒されて貰えると幸いです(絶対に癒されるとは言ってない)

 

 ……あー、体が重い。というか、めっちゃ痛い。しかも当たりどころ悪かったのか、足辺りから凄く血が出ている。血が暖かくて気持ちいいなー。まあそれアウトだけど。


 これは死ぬなー、死にますねー、もう意識が朦朧としすぎて適当な思考しか出来ないわ。人ってこんな適当な生き物だったかな?気にしたら負けだな。


 こんな不慮の事故でなくなるたぁ、若者の人生の終了つまらなすぎやしませんかね神様?

 せめて、せめて最後に美少女とか可愛い系男子とかロリショタに囲まれて愛に浸ってたいですよ。そしたらもう悔いとかないんですけど。可愛いもの達に夢でもいいから微笑まれたらもう幸せで簡単に天国逝けんですけど。


 ま、そんな夢なんて叶わないよね。

 事故は事故。私の人生ここでゲームオーバーだ。

 潔く意識を手放すとするか。



 さようなら私の人生!来世はもうちょいカッコイイ死に方したいね!まあ来世があるならだけど。







 ……あ、れ?

 体が、重い。いや、重い、というかなんというか、凄く変な感じ。


 ……ん?まてまて、なんで体の感覚があんの?

 もしかして私奇跡的にも生きてた?え、あんな引かれ方して?いや無理だろ、普通死んでるよ。


 ていうか、それにしても体がおかしい。植物状態なんかな?体の感覚はあるけど、上手いこと動かせない。


 と思ったら、自分の頭のてっぺん辺りが動いた。が、それは正常ではなかった。

 ……は?何、え、何?今の感覚。なんかこう、そもそも髪の毛って自分で動かせたっけ?というより、髪の毛というよりモサモサした何かのような。なんだろう、シャワシャワーって動く木の葉のような……。


 いや待て、そんな所が動かせるなら腕とか動かそうじゃないか。ん〜、ふんぬ〜!



 私が気合いを入れると、腕が伸びたような感覚が走る。



 ……は、い?

 いやごめん、自分どこぞのゴムゴム人間なんかじゃないんですが。何が起こってんのかさっぱりだよ?というか、ビョーンというよりメキメキニョキニョキって感じがしたんだけど気のせいかな?


 え、まって、本当に待って。私は一体どうなってるの?化け物にでもなったの?


 私が酷く混乱して思考をテンパらせていると、周りに何かの気配を感じた。それも一つではなく、たくさんの。


 なんだ?誰かいるのか?何を言ってるんだ?なんか宿ったー、とか、目覚めたー、とかいう感じの歓喜の声なんだけど。

 宿る?目覚め?うん、なんの話だ。私にもわかりやすくおねげえしやす。


 ええい!こうなったら無理矢理にでも体を動かしてやるー!



 ズゴゴゴゴ……



 ……え、何今の地響き。私のせいじゃないよね?!なんか周りが動いたー、とかザワザワしてますけど犯人私じゃないよね?!


 というか、今の感じで少しだけ何かがハッキリした。

 この感じ、上手く表せないけど、自分が自分の中にいる感じだ。


 わけわかんないね。でも、なんか肉体と意識が別のモノのような感じがするんだ。

 じゃあ、自分が自分から抜け出すイメージをしたら上手く行くのかな?試してみよう。


 私は自分の意識が、自分の体を破って出ていくようなイメージをする。すると、私に穴が開いたような感じがする。ていうか、多分開いた。周りも開いた!とか騒がしいし。しかし、不思議と体は痛くない。


 よし、これだ。この穴から抜け出す感じでー。

 手を伸ばしてー、足を伸ばしてー、首を伸ばしてー、私は外に出たいんじゃー!


 ゆっくり、本当にゆっくり時間をかけて、私の意識はハッキリしていき、体の感覚もハッキリしてきた。

 そして、穴から見える光に向かって、私は抜け出す。


 う、うぉお「おおおおっ!!」


 私の声がハッキリする。

 て、ギャー!目が、目が痛いっ!凄く眩しい!暗いところから出た時の痛みを何十倍にもした感じだよ!目がー、目がー!


 やがて目が慣れてくると、私は恐る恐る目を開ける。



 そこには私の夢見た、ロリショタ美少女美少年達の群れがあった。



 よし、神様ありがとう。ここは天国だね!私の祈りは届いたんだ!


 しかも、よくよく見るとこのロリショタ達妖精みたいじゃない?!透明感のある蝶みたいな羽で飛ぶ、手のひらサイズの小人なんて妖精しかいないよね?!


 美少女はなんか木と同化してるドライアードみたいな感じだし?!木の幹から美少女が生えてる種族なんてドライアードだけだよね?!

 なにこれなんてパラダイス?!


 近くでさわさわしていいですかね?!いいよね!


 ぐんっ!


 ん?体が動かない。というか、下半身が離れない。


 私は思い出す。先程までの感覚を。そして、

 そこから導き出される答えを、その恐ろしい答えに至ってしまう。


 ま、まさか、まさかまさかまさか。

 ……自分を見てはいけない気がする。この、自分の後ろにある、自分の()()を。


 しかし、好奇心に負けて私は見てしまう。

 そして、自分て自分を見る。



 そこには、今までみたことないくらい、立派な木があった。



 それこそ、世界樹と言われても、納得してしまうほど、生命力に満ち溢れた大木を、大木の私を見てしまった。



 ……なんてこった!私、木に転生したってのか!!



 神様、訂正だ。なんてことしてくれたんだちくしよぉおおおお!!!

大木転生者「ここヘブンなのに自分の状況が少しヘルな気がするこの場を誰かヘルプミー」


とりあえず妖精最高

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ