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『旧暦四月、卯月』
戯れ風いうんは、
雨を導いたかと思えば
「ぽっかり」と、
なんもなかったかのように
お日さんを連れてくる
一閃光芒が
曇り空を突き破って野に満ち、
春の息吹がどっさりと生まれいづる情景。
春は足音が聞こえてくるものではなく
一度に吹き出してくる。
四月に入ると暖かくなり、
太陽に恵まれるようになってくると
やせ我慢でも厚手のものには手が通し難い、
とはいえ、
「花ぐもり」
あなたを濡らした雨が
もうすぐ此処まで
来るのかもしれない…
天気は千変万化。
吹き荒れる強い風のために
散らされる花の有り様は、
人の世の儚さを映しているよう…
一陣の風は何かを思い立たせ、
そよ吹く風は
自然の囁きを気づかせてくれる。
心にも微雨の晴れぬ季
曇り日の中で
ひっそりと白い花をこぼす卯の花に
心ひかれる。
ウツギの花(卯の花)
古人は
「卯の花月」とも呼んだといいます。
夜の闇に
照らす月かげ
咲く花を
とらえてみゆる
卯の花月夜
詩織♪




