福
「福は~うち、鬼は~そと」
こんな声もあまり聞かなくなった夜…
子どもの頃
どの家も、この声がこだまする夜があった。
何度も繰り返される威勢のいい声を聞くうちに
頭の中で「福」の音が気持ちを抱えこむ
誰もが暖かな福を願い
誰もが、福を袋いっぱい詰め込もうとする夜。
「福は~うち、鬼は~そと」
これが、定番で
地域によって
「福は~うち、鬼も~うち」
だったり、
「鬼は~うち、福は~そと」
だったりするそうな、
ちなみに、まく豆も
我が家は「殻つき落花生」で
庭にまいた落花生は
次の日
鳥やネズミたちの落花生パーティーの
御馳走に一役かう(笑)
家の中の落花生は集めて
白和えのペーストにする。
(年の数だけ食べたら
鼻血確率100%)W
と。
すれば、
まきかたルールも
地域性があるのかもしれないが、
うちでは
「福は~うち」を三回
「鬼は~そと」を一回
言って
急いで窓を閉める、
きん、
とした冷たい空気に包まれた、
真っ暗な外には
その闇から鬼が、
こちらを覗いているような気がして恐い、
見えないからといって
それは自分に見えてないだけで
いないとは言えないから
恐い、
見えてるものだって
ほんとうは、、、
恐いのかもしれない
けど(笑)
実は、
「鬼ではない」なにかが
恐いのかもしれない…
街中が福の音に満たされて
幸福が連鎖する夜。
「福は~うち、鬼は~そと」
「福は~うち、鬼は~そと」
「福は~うち、鬼も~うち」
春も すぐそこまで………




