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色の世界  作者: イヴ
盗賊退治
20/60

外伝2 始まった修行

今回長いです。

 ついに今日から烈火達の修行が始まった。この一週間は朝から晩までジェクト一家の畑を耕したり道の舗装をしたりとただのボランティアだったが、やっとこれから修行できると2人はわくわくしていた。

「おお。来たかヘレン。」

 ジェクトの畑の前にヘレンがやってきた。今ここにいるのは烈火、アカメ、ジェクト、そしてヘレンだ。


「ではまず私とジェクトが組み手をするから2人は組み手がしっかり見える速さになったら言ってくれ。ジェクトが受けでいいか?素早さ300から初めて徐々に下げていく。」

「わかった。」

 するとどうだろう。2人が組み手を始めたが姿がブレていて全くついていけない。徐々に遅くなってきたところでアカメが「見えた!」と言っていたがまだ烈火にはよく見えなかった。それから少し経ってようやくはっきり見えたため烈火も「見えた。」と言った。


「安心しろ烈火。動体視力は早い動きを見慣れれば見慣れるほど良くなる。まあ動くためには実力が必要だがな。アカメは素早さ250程度、烈火は180程度までは見えるようだ。」

「ヘレン様もジェクト様も早すぎて追うのが大変でした!」

 と感動したように答えるアカメ。

「アカメの方が強いってことか?それなら戦ってみたいんだけど。」


 するとヘレンは首を振った。

「いや、烈火の方が全然強いな。この一週間で烈火は少ししか筋力が上がらなかったがアカメはかなり上がっている。それだけ烈火の方が鍛えてるということだ。アカメの父は冒険者だったらしいが相当強かったらしいな。」

「父は普通のシルバーランクですが祖父が異世界人で、向こうでは剣の達人だったらしいです。ゴールドランクでプラチナランクだったときもあったとか言ってますが本当かはわかりません。」

「剣の達人、異世界人か。」

「間違いねーな。その祖父って一文字って言うだろ?」

「はい。一文字リョウマって名です。」


 烈火は歴史上の有名な剣士と同じ名前だと思った。そして話を聞く限り実在していて、こっちで生きていたらしい。

「アカメ、祖父から型とか習ってないか?」

「はい。小さい頃ですが丁寧に教えてくれたので全部覚えてます。ただもしもの時以外人前で使わないように言われてます。」

「そっそうか。奥義は大丈夫だから基礎の型をいくつかやってくれないか?」

 アカメはヘレンから刀を受け取り鞘に納める。そしてカッと目を見開いた。

「空蝉!」「無拍子!」「次元断!」


 ヘレン以外見とれていた。それほどまでに滑らかで綺麗な動きだった。

「私も一度リョウマさんに見せてもらったことがあるがやはり綺麗だな。葵に説明してやれ。」


「はい。空蝉は鞘に触れさせずに真っ直ぐに前に刀を抜く技で、どの剣技につなげるにしても重要です。」

「無拍子は剣を上から下へ振り下ろしますが、その動きに移動を混ぜて相手に気づかせずに間合いに入ります。」

「次元断は神速の剣で、剣が空気抵抗を受けないように空気を斬ります。」


「アカメ、わかんないことが4つあるんだけどいいか?」

「はい、なんでしょう?」

「まずは空蝉だけど、振ってる時に剣が3つに見えたんだけど?」


 アカメは驚いた顔をして答えた。

「ただの剣気ですけど?」

 その言葉にみんな驚いた。

「剣気ってどっから見ても魔力じゃねーか。」

「そういえばアカメは魔法が使えないと言っていたな、あれだけ上手く使いこなしているのに。」

「?魔力ってことか?じゃあ空蝉で手しか動かしてないのに前に動いていたのも魔法か?」

「剣気です!私は魔法は使えないので魔力はないはずです。」


「じゃあアカメ、次元断って普通に素早い剣って解釈でいいか?」

「剣気で空気を斬っているだけです。」


 仕方なくヘレンが解説してくれた。

「アカメはなぜか勘違いしているが剣気と呼んでいるそればどうみても魔力だ。魔力だと気付かずに魔法で剣の切れ味や動きを上げている。ここまで使いこなすことができていれば私が教えることはなさそうだがな。」

「そして烈火、お前にはまず基本的な型を覚えてもらう。空蝉はまあ剣士の技だが居合の呼吸位は覚えておいた方がいいだろう。流れるような動きと魔力操作が出来れば今のアカメ位の速さは簡単に出せるようになるだろう。」


「はははっ。ヘレンもアカメに習った方がいいかもな。」

 ジェクトは大層上機嫌だ。


「型か、確かに俺も覚えておきたいな。そしてアカメ、お前はヘレンさんに助けられて憧れたと言っていたけどそれだけ強ければ自分でなんとかできたんじゃないか?」

「いいえ、私はあの時剣を持っていませんでしたし、人を殺してしまったら大変でしょう?20歳になるかちゃんとした人に教えを乞うまでは人には振らないと祖父に約束していたので。だから人に刃を抜けたのはヘレン様のテストの時が初めてです。その時も強そうな人たちだったので不安でしたが。」


 どこかずれているアカメ、ヘレンも質問する。

「アカメ位綺麗な型だと筋力などがつかずにその動きも出来るだろうが、魔力が低いといっていたのはなぜだ?魔法が使えないとしてもかなりの魔力量だと思うが。ステータスは見てるんだろ?」

「はい、ですが魔力は低いです。」


 ジェクトが耐えられないと言った顔で教えてくれた。

「リョウマさんは魔法を理解出来なくて使えないんだ。そしてこっちに来た時から魔力で剣を覆っていたから自分で剣気って名付けたらしい。まあ最後にあったのは昔だから今は使えるかもしれないがな。俺もパーティーを組んだ剣士の中に剣気って言って魔力使ってた奴もいたっけな。」

 それからアカメのステータスの事をジェクトが考察した。


 アカメは小さい頃に祖父からたくさん習ったが、剣の道を進んで欲しかった祖父がステータスの魔力を10で固定して表示するように教会で頼んでいたらしい。本来であればそんなことは出来ないがリョウマほどの人が頼み込めばその位の不正はできる。そのせいでアカメのステータスの魔力は低かった。

「まあここら辺は俺の予想だがな。教会に行って聞くといい。もしそうなら本人が気づいた以上隠す必要がないから戻してくれるだろう。」




 こうしてやっとトレーニングが始まった。烈火は型をヘレンに見てもらい、アカメはジェクトの元で体力を付けるトレーニングをした。


 その日の夜、教会へ行ったところ無事に表示を戻してもらえてアカメの魔力がはっきりとする。




 アカメ

レベル15

HP 380 MP 10

攻撃    50   筋力50

防御    25   耐久28

魔力   350   知恵29

魔法防御  23   魔法耐久33


物理 天然(運上昇中)、

魔法 適性ない


特性 村娘、異世界人の血、剣の才能(大)、リョウマの孫



 なお、攻撃は通常の物理攻撃を表しているため魔力で武器を覆ったりすることで攻撃力は上がる。

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