外伝1 二股
外伝、というか修行。烈火とアカメは修行のためしばらく出てこないので修行回をちょくちょく挟みます。
ヘレンに弟子入りした烈火だが、訓練は1週間後からと言われてしまい自主的に訓練をしていた。
「小さな火玉!!」
「プチファイア!!」「プチファイア!!」「プチファイア!!」
「プチファイア!!」「プチファイア!!」「プチファイア!!」「プチファイア!!」
「プチファイア!!」「プチファイア!!」「プチファイア!!」「プチファイア!!」
最近やっと長い詠唱なしで魔法を使えるようになった烈火は少しでも魔力を上げるためにひたすら魔法を唱えていた。しかし魔法の種類はまだ増えておらず、エンチャントは戦闘の時にほぼ毎回唱えているため必然とプチファイアばかりになってしまう。
「葵に質問したいけど葵はどっか言ってていないんだよなー。どこ行ったか知ってるか?」
「知りません。しかしずっとお願いしてた私と昨日会ったばかりの烈火が同時に弟子にしてもらえることに少し不服なんですが。」
「いいじゃないか。それより同じ弟子なんだからもっと楽な話方でいいぞ?」
「わかり・・わかったわ。それよりも魔法ってすごいわね、私は全く使えないの。」
どうやらアカメは魔力はあるが魔法が使えないらしく、ヘレナの肉弾戦に憧れたのも自分でも慣れる可能性があるからだそうだ。
「強い人はみんな魔法を使うと思ってたぞ。他に魔法をあまり使わない強い人っているのか?」
「わからないけど、今からヘレン様に会いに行くから聞いてきてあげる。」
そうして時間は流れて夜・・・。2人は話の続きをしていた。
「いたわよ。とっても強い人が一人。」
「誰だ?」
「ジェクトさん、少し会いにくいけど明日行ってみる?」
「そうだな!もしかしたらこれからの訓練の参考になるかもしれないしな。」
そして翌日。
「ほう。お前らは俺の強さを知りたいと?」
「「そうです!」」
「では見せてやろう。」
烈火とアカメがギリギリ見える位の速さで目の前の道を耕した。
「戦闘とは関係ないけどすげーな!!」
烈火は目を輝かせる。アカメはそれほど感動しなかったようだ。
「俺はどちらかと言えば武器を選ばないから鍬でも十分戦えるぞ!逆にヘレンなんかは剣術を極めてるが代わりに他の武器はいまいちだな。」
「ヘレン様でもなんでもできる訳ではないんですね。」
「そうだったのか。俺は素手での戦いが好きなんだけどヘレ、ヘレンさんの弟子でよかったのかな。」
さすがに弟子入りするため、言葉使いを直そうとしている烈火だった。
「お前は素手がいいのか。ヘレンの許可が出るなら俺も少し教えてやってもいいぞ?葵がこの前の詫びにずいぶん新しい道具をくれてな。少し申し訳ないと思っていたんだ。」
よくみると農作業をしているジェクト一家の道具が新しくなっていた。
「本当か!!修業が始まったらヘレンさんに聞いてみる!ありがとう。」
「烈火の周りって強くて優しい人が多いわね、なんか羨ましいわ。」
後日、ヘレンに許可をもらいに行くと、他にいるならそもそも面倒だから自分は辞めると言われた。しかし結局今まで稼いだGの残りでお酒をプレゼントしたら認めてもらえたため、二人の師匠を得ることになった。
ヘレンが自分の負担を減らすためアカメも一緒なり、2人は別のタイプの2人に弟子入りすることになった。