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色の世界  作者: イヴ
転移と冒険
15/60

俺を鍛えてくれ!!

 その日の夕方、烈火が目を覚ますと酒場にいた。

「おっ。葵の連れが目を覚ましたにゃ!挨拶するにゃ!!」

 純白の鎧をつけた美女の兵士?がジョッキを持ちながらやってきた。そして鋭い目つきになり自己紹介しだした。

「ヘレン=ファイアだ、昔葵とパーティーを組ませてもらっていたものだ。」

「あんたがヘレンか!俺は烈火だ、いたっ!」

 頭痛がして烈火が頭を抑えると包帯が巻かれていて、腫れ上がっていた。

「そうだ!あの盗賊はどうなった?葵がやっつけてくれたんだろ?」

「そのことで話があるんだ。烈火君と言ったね?君はジェクト一家に喧嘩を売ったのか?」

「ジェクト一家?俺はガタイのいい兄貴とか呼ばれてる盗賊のおっさんを捕まえようとして・・。」

「それがジェクトだ。いいか、よく聞けよ?」


 ヘレンが話すにはジェクトは私が帝国で働くより昔からあそこにいて、奴隷商人や詐欺師などが大きな顔をしているのが許せなかった。そこで冒険者だった奴がシーフをスカウトして証拠を掴み、奴隷商人を襲った。無事に商人は捕まって一件落着かと思ったが奴隷たちがジェクトから離れたがらずに国へ帰りたがらなかった。帝国は奴隷を連れてこられた近隣の国に帰す義務があり、とうとう奴隷たちとの口論の末流血沙汰になってしまい、それを見たジェクトが奴隷をみんな盗んでいった。

 もちろんみんなどこにいるか知っていたが皇帝すらもジェクトを捕まえたくなかったため、行方不明の犯罪者とし本人は盗賊になって今も奴隷を解放しては望むものを仲間に加えて家族にしている。


「とまあこんなところだ。我々は名目上盗む人間を盗賊と呼んでいるが非合法の商売を潰す奴らをなぜ捕まえる必要があるだろうか?結局帝国は盗賊を捕まえられないと噂がたって悪人が盗賊を名乗ってやってきてしまったんだ。」

「じゃあ盗賊ってのは悪い奴らのことじゃないのか?」

「その通りだ。もし悪い奴だったらお前も殺されてただろうな。」

「そっか。じゃあおっちゃんに後で謝りに行かないとな。」

「ああ、そうするといい。ただおっちゃんは辞めた方がいい。ジェクトさんと呼ばないと・・。怖いぞ、あの人は。」

「ジェクトさん?のことをヘレンは詳しいのか?」

「まあいろいろあってな。そんなことより反省したなら一緒に飲もう!」

 そういってヘレンは葵とアカメがいるところまで戻っていった。



 先ほど烈火は振り向く時間もなくやられていた。昨日刺してしまったジェクト一家の人は葵の予想ではレベル25位ということで烈火より上だが、日頃の鍛錬の地味な能力の上昇。そして異世界人は転移してきたときの能力がこの世界の人の赤ちゃんに相当するため、単純計算で転移時の能力分高くなるそうだ。そのため葵には次の国へ行くまでは倒せないモンスターに会うことはないと言われていた。



 ところがジェクトにはなすすべなくやられてしまった。これじゃあ駄目だ。葵は真剣な眼差しでヘレンに話しかけた。


「なあヘレン、いやヘレンさん。俺を鍛えてくれないか?」

「弟子にしろってことか?それならばアカメが先だ。まあもし取るならの話だがな。」

 ヘレンは微笑しながらいった。黙って飲んでいた葵が口を開く。

「烈火、それにアカメ、本当にヘレンに鍛えて欲しいのか?こいつは弟子を取ったことがないからうまくいくかわからないぞ?それでもいいか?」


 2人はお互いの顔を見た後宣言した。

「ああ!」「ええ!」

「わかった。じゃあ2人とも席を外してくれ。」



「おいヘレン。」

「なんにゃ?」

「お前は昔から気の許せる仲間の前だと語尾がおかしくなるよな?」

「にゃっにゃぜそれを?」

「今もなってるし。そこでだ、バラされたくなければ2人を弟子にしろ。」

「うー。しょうがないにゃ。その代わりまた葵に遊んで欲しいにゃ!!」

「時間があったらな。じゃあ2人を任せるぞ。」

「にゃ!」


「2人ともこっちへこい!」

「「はいっ!」」

「今日からお前ら弟子にする。」

「「ありがとうございます!!」」

一章完!!  行き当たりばったりではなくストック作りたいんで、次の話終わったらしばらく更新を2日か3日に一回にします。

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