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色の世界  作者: イヴ
転移と冒険
14/60

帝国近隣の生物

昨日は失礼しました。

 残されたアカメはヘレンの情報に呆然としつつも烈火に周辺のモンスターの話をした。


「帝国は南にはほぼサバキンしかいません。」

「南から来たから知ってるぞ。」

「そうでしたね。西と東と北で多少種類が変わるんですが、基本的にはゴブリンとウィングバードがいます。」


 ゴブリンは、木の棒を持って襲ってくる小柄な獣人で集団で襲ってくる。モンスター同士での意思疎通は出来るようだがコミュニケーションを成功させた人間はまだいない。

 ウィングバードは、おっきくなったミニバードだ。


「さっきの話に出てきた他のモンスターは?」

「そうですね、ダークメイジとウルフは北の方にいます。特にダークメイジはほとんどが洞窟の中にいて外で見かけることは稀です。」


 ダークメイジは小柄の悪魔で魔法が使える。人と同じように得意不得意が個体差で大きいが、回復はだいたい使ってくるため他の魔物と組んで現れた時は注意が必要だ。

 ウルフは狼で、素早さや獰猛さなどが烈火の世界の個体とは大違いであり、冒険者が最も多くやられている魔物の1つである。


「こんなものですね。それでは私は明日もヘレン様のところへお邪魔するのでもう休ませてもらいますね。」


 烈火達に慣れたのか、それとも家なのかわからないが初対面よりだいぶ言葉が丁寧になったアカメにお礼を言って烈火はトレーニングを始めた。ここまでの道のりは烈火にとって新しい経験がたくさんあったが、万が一に備えるように葵に言われて戦闘以外で魔法の訓練をさせてもらえなかった。この世界の剣術や槍術などはいくつか魔力を使った技があり、魔力はどんな職業でも役に立つらしい。

 また、烈火はレベルが上がる時にいくつかの技を覚えたが、使う機会がなかったため練習したかった。まだまだ眠気はなかったので今までの復習をかねて今日は詠唱の短縮の訓練をした。




あかい 烈火れっか

レベル21

HP 719 MP 52

攻撃    84   筋力93

防御    42   耐久60

魔力    38   知恵28

魔法防御  19   魔法耐久41


物理 筋力補正(極小)、耐久補正(極小)、初級技複数

魔法 赤 火エンチャント(小)、プチファイア


特性

赤の才能、格闘、努力家、キングスライム討伐者、詠唱短縮(中)






__________________________________________________________________

翌日、アカメはヘレンの元へ行き、烈火達は盗賊を探していた。

「なんで俺達は盗賊を探しているんだ?」

「だって悪さしてるんだろ?止めてあげないと。」



 烈火は旅をしたかったが特に目的もなかったため、人助けをしながらゆっくり旅をする予定だった。


「いいか烈火?盗賊は悪いやつだけじゃない。むしろ・・・。」

「いたぜ、盗賊だ。畑を荒らしてる。4人だし余裕だな!」


 烈火は盗賊の前へ飛び出し、剣を向けた。盗賊は奥にいた男の周りに集まり、ナイフを持って振り返る。


「おー。誰かと思えば昨日の小僧か、なにかようか?」


 昨日兄貴と呼ばれていた男もそこにいた。


「おっちゃんまた悪さしてるんだな!今日は捕まえてやる。」

「ちょっとまて、これは俺ら畑だ。」

「問答無用。くらぇ盗賊!!」


 烈火最大の威力の拳だったが軽く躱された。

「くそっ!!」「精霊よっ 「プチファイア」!!」

「あぶねぇ!」

 手下3人に向けて放った攻撃だったが兄貴が庇って押し倒したためみんな無傷だった。躱した火が畑に燃え移る。兄貴の顔が歪んだ。

「お前いたずらにしてはやり過ぎだ。」

 一瞬で烈火の背後に回ると振り向く前に頭から投げられ烈火は気絶した。

「葵とかいったか?すぐ火を消せ。」


 歩いて追いかけてきた葵が畑を見て慌てて火を消すために魔法を放った。

(レイン)!」

 畑の火は鎮火し、ついでに水やりも済ませた。

「お前は昨日の盗賊か、なにがあったんだ?」

「見ての通りお前の相棒が襲ってきて、やり過ぎたから眠らせただけだ。場合によっては腕の一本でももらうがどうする?」


「ふう。それあ本当なら全面的に烈火が悪いし許してもらえるなら大抵の事はしよう。そいつは異世界人でまだ知識が足りないんだ、大目に見て欲しい。」



 兄貴と呼ばれた盗賊は葵へ向かって烈火を投げるとつぶやいた。

「信じるかどうかはお前次第だが、最近悪さしてる盗賊は俺らじゃない。俺らが盗んでるのは奴隷で運ばれてくる人間と、悪い商売で儲けてるクズの荷物だけだ。普段は農業で暮らしてる。だから俺らの討伐隊を組ませないようにしてくれ。」

「俺にそんな事ができるとでも?」

「できるさ、お前は弱くてもゴールド数人位の力があるだろ?地位もあるに決まってる。」


 葵はしばらく悩んで答えた。

「烈火を見逃してくれた礼だ。そのようにしよう。お前らの見分け方は?」

「俺らの服は特注で肩までしかないが、奴らの服は破って肩までにしてる。だから袖のほつれを見てくれ!」



 葵は苦笑いして烈火を魔法で運びながら帝国へ入って行った。

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