四天王ヘレン
予約ミスってました・
四天王ヘレン=ファイア、タイタン帝国の軍隊のトップである四天王の1人である。めんどくさがりであり、しかも酒癖が良くない。しかしながら皇帝に実力を認められているため、今の立場にいる。仕事内容は自分の騎士団を持って育成することと帝国に脅威が訪れるときに先頭で戦うことだ。
他の四天王はそれぞれ自分好みの軍隊を作っていて訓練を行っているが、ヘレンだけは必要ないと言って騎士団や弟子を取らず、自分でパトロールをしている。
実力はゴールドランカーであり、素早さと筋力に定評がある。
「私の知っている範囲でのヘレン様の経歴はこんなところです。」
アカメの家でくつろいでいたところ、アカメがヘレン本人から葵とパーティーを組んでいたのが本当だと聞いた。そして、やはりというか助けてもらって取った血では弟子にしてもらえなかった。
そのため葵がヘレンとパーティーを組んでいたと知ったアカメは葵にヘレンとの仲を取り持ってもらおうと思い、それに気づいた葵はちょうどいいとヘレンのことを聞いた。
「葵さん、いや、葵様。ぜひヘレン様との旅のお話を聞かせていただけませんか?」
「様は辞めてくれ。昔の事だからあまり話せるような話題はないぞ?」
「俺も知りたいぞ。結局葵の昔の話全然してくれねーんだもん。ちょっとでいいから頼むよ。」
葵は昔を思い出しながら語りだした。
20年ほど前、石頭のおっさんの知り合いが結婚するって話を聞いて俺たちは冒険を中断して帝国まで戻ってきたんだ。そのときの俺らの活躍で今の皇帝の目に止まってみんなスカウトされたんだ。まあ結局ここで働くことにしたのはヘレンだけで、そのヘレンもそれから2年位経ってからだけどな。
当時の帝国はまだ守りが今ほど頑丈ではなく、北東にある洞窟から魔物が溢れてきたんだ。この町で過ごしている冒険者が倒すには手ごわく、軍隊がモンスターと正面から戦っていたんだが育ったオークがボスで賢く、ダークメイジがモンスターを回復して戦い続けていたんだ。
先に軍隊が疲弊して徐々に押され始めたとき俺らが到着して倒した。で、それから皇帝に好かれた。以上。
「それって出来事述べてるだけじゃないですか。なんかもっとこう、戦ってるところとか聞きたいです。」
「おれもおれも!ヘレンさんとか白木さんってどうやって戦うんだ?」
「ヘレンはほぼ剣1つで斬ってたな。白木さんは魔法で補助してくれてたんだ。」
「ヘレン様の戦いぶりをぜひ!」
「俺は葵達のもそうだけど、オークやダークメイジとか知らないからそれも教えてくれ。」
「そうだな。じゃあアカメはここらへんのモンスターを後で烈火に教えてくれるか?それでいいなら話そう!」
「わかりました。お任せ下さい。」
目をキラキラさせながら聞いている2人。葵は思い出しながら話した。
モンスターの先頭にいたのはゴブリン達、その上や後ろにウィングバード達、そしてダークメイジやウルフがいて、最後尾にオークがいた。
「自動回復!!」「防御付与!!」
白木さんが2人の防御力を上げて、
「空の靴!!」
俺が素早さを上げる。ここまではいつもやってた事でここから2人が突破していくんだ。そして敵が多かったから一点突破でヘレンを送り出した。
「氷の雨!!!」
葵が放った魔法でゴブリンの中央に穴が空く。そこへ石頭が突っ込んでいく。
「石の腕!」
腕に石を纏って巨大化させ、それを振り回して風でウィングバードを叩き落とす。
「風の刃!」
回復しようとするダークメイジを葵が牽制して統率を乱す。オークが立ち上がったところで場所がわかりそこへヘレンがかけていく。
「烈風剣!」
剣線を飛ばしてウルフを斬りながらまっすぐにオークへ向かう。素早くオークまでたどり着き、斬りつける。
「グッ!!」しかし、浅く肌を斬りつけるだけで致命傷にはならない。すかさずオークは丸太のような腕で殴るがその全てをヒラヒラと躱していく。
しばらく斬って躱してを繰り返しているとモンスターを大体倒したらしく、ヘレンのところへ石頭がやってくる。葵はウィングバードの残りを打ち落としていて、白木さんは怪我をした兵士の治療をしていた。
これ以降の戦闘は俺は見ていないんだが、ウルフと戦っていた兵士達が言うにはこんな展開だったらしい。
「おい石頭、人の獲物に手を出したら怒るにゃん?」
「わかってるって。早く倒せよ。」
ヘレンは目を閉じて集中し、オークが近寄ってきて腕を振り上げた瞬間に目を開いた。
「断界剣!」
次の瞬間兵士が見たのは縦に真っ二つになったオークだったらしい。
「ここまでが昔話だ。」
葵が語り終え、ほっと一息ついた。2人はなぜが怪訝な顔をして口をそろえた。
「怒るにゃんって言ったの誰??」
「?ヘレンに決まってるだろ。あいつ獣人とのハーフだし。」
「「!!」」
詳しくは本人に聞けばいいと言って葵は部屋へ入っていった。