烈火とアカメ
「グフッ。」
盗賊が血を噴き出して倒れた。残りは2人。烈火は次の盗賊に飛びかかろうとした。
「ゴンッ。いってー。」
水の壁に当たって烈火はこけた。
「なにすんだよ葵。助けないとあの女の子が危ないじゃないか。」
「でもなにか事情があって戦おうとしてるじゃないか、邪魔したら悪いと思う。」
「そうなのか?」
アカメは驚いた。いきなり盗賊を刺して助けようとしてくれた方は黒髪黒目で恐らく異世界人だ。そしてもう片方の青い目をした少年は私の決意を見抜いていたようだ。少し不安だけど2人なら大丈夫だろう。
「ええっ。その通り。私が倒すから大丈夫です。」
アカメは2人の盗賊を見ながらナイフを抜いた、
「兄貴、この女はともかく向こうの2人は俺より確実に強いっすよ?」
「まあお前はろくに戦ったことないからなwたぶんこの女もお前一人じゃあ勝てないぞ?」
「笑ってる場合じゃないっすよ兄貴。逃げましょう。」
「そうだが逃げれるか?っと言うか俺らまだ悪いことすらしてないのに仲間さされたんだぞ?」
確かにそうだ。烈火が冷や汗を出しているのを見ながらアカメは笑った。そして烈火は黙り込んだ。
「なああんたら、目的はなんだ?」
「兄貴、なんでそんなこと・・。」
それぞれ答える。
「私は家が盗賊に襲われたわ。そして今は試験で盗賊の血が必要なの。」とアカメ。
「俺は女の子が襲われていると思って無我夢中で。」と烈火。
「俺は気にせず進めてくれ。」と葵。
「つまり血が少しあれば争う必要がないわけか。お前らが刺した俺の仲間を治療してくれるなら引き下がってやる。血なら今出てるのでいいだろう。青い目の奴は青魔法使えそうだし簡単だろ?」
「私は大丈夫よ。」「俺も大丈夫だ。」
アカメと烈火はすぐに警戒を解く。
「治すのには条件がある。と言っても女の方にだ。俺らにこの後事情を説明してもらう、いいな?」
「ええ、わかりました。なんでも答えます。」
「白の光。」
「白魔法は初級レベルしか使えないからこれでいいか?この傷なら20分で治る。魔法は30分程度続くはずだ。血は戻らないからこれでも食べさせてやれ。」
葵は盗賊にサバキンを渡した。それを受け取った兄貴と呼ばれている方の盗賊は少し嬉しそうに微笑んで見逃してくれた。
アカメの話を全て聞き、葵が納得したように言った。
「そうか。ヘレンならまあ、めんどくさかったんだな。」
「そんなことはないです。ヘレン様はそんな人じゃないです、きっと私の事を考えてくれて・・・。」
「2人ともそのヘレンって人と仲がいいのか?アカメはあったばかりみたいだけど。」
「私は2週間だけどヘレン様を尊敬しているわ!」
「俺は昔一緒に旅をしていたんだ。白木さんと今の冒険者ギルドのギルマスのおっさんと俺とヘレンの4人パーティーでかなり有名だったんだ。」
「嘘だわ!だってヘレン様は10年以上前から帝国の四天王なんですよ。あなたまだ私より若いでしょ?」
結局説明が大変なのでファンと言うことにし、今日はアカメの家で過ごすことにし、帝国に入った。
烈火の入国審査はアカメの説明と葵の知り合いがいたため、なんとかなった。