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色の世界  作者: イヴ
転移と冒険
11/60

盗賊との出会い

ニューキャラ。

「きゃーーー。」

 悲鳴に釣られて向かってみると、若い女性を囲んだ3人の盗賊がいた。


「今助ける!!」

烈火がナイフを片手に一人の盗賊の脇に突き刺した。




 時は2週間前へ遡る。先ほど囲まれていた女性はアカメ。この娘には2週間で様々な事が起きた。帝国でひっそりと暮らす彼女は黒髪であり、異世界人のクォーターらしい。らしいと言うのは祖母が昔娼婦をしており、異世界人に抱かれたこともあったからだ。母親はそのことでいじめられたりもしたそうだが、アカメが生まれた頃には噂もほとんどなくなり、苦労することなく過ごしてきた。

 家族は冒険中の怪我で引退した父と母との3人で暮らしている。今日も晩御飯を食べていると、扉を乱暴に開けて強そうな男が5人入ってきた。

「なんなのあなたたちは!」

 当然のように怒る母だが、強盗らしく刃物をぎらつけていた。「シュッシュ」風を斬る音がして、強盗2人の眉間にナイフとフォークが突き刺さった。引退したとはいえ、父はゴールドに近いシルバーであり、まだただの強盗より全然強い。

「そこまでだ。」

 母に包丁を向けて強盗が言い、気づけば私の後ろにも一人の強盗がいた。

「しかたない、なんでも持って行っていいから二人には手を出すな。」

「ああわかったよ!」

 そういいながら父のそばにいた強盗が父に乱暴し始めた。

「これはロイの敵!これはロビンの敵!これは俺の心の痛みの分だ!」

「ボス、ロビンはオレであいつはロキっすよ・・。」


 父への暴力が続き、私と母は泣き叫んでいた。そこへ来て下さったのがあの方だった。



「なにをやってるんだ!!」

 そう、警備で近くを通りかかったヘレン=ファイア様だ。

「隣の地区を警備してたら物音が聴こえたから来てみれば・・・。お前たちも盗賊か?」

「おっと、動くなよ。いくらお前が強くても3人同時には助けられまい。まずは自己紹介をしてもらおうか。」


 少し考えた末彼女は言った。

「そうか、人質でも捕られて盗賊に従ってるなら話位は聞いてやるつもりだったが盗賊の補充要員か。投降するなら骨の数本で許してやるが?」


 盗賊のリーダーが机を蹴飛ばして言った。

「ふざけんじゃねえ!お前らもう皆殺しだ!」


 ここから先は見えませんでした。ヘレン様いわく、リーダーが「だ」を言い始めた時に残りの2人の首をきり、「だ」がいい終わる時にリーダーの足の腱を斬って武器を取り上げたそうです。


「帝国内にこんな奴らを入れてしまってすまない。壊れた家具は弁償し、門番にも罰を与えよう。どうか許して欲しい。」


 その時にこの地区の警備もやってきた。

「なにがあっ、っ大変だっすぐに医者を呼んできます。」


 こうして父が怪我をしましたが、それだけで済みました。



 そして、私がヘレン様に憧れるのは当然のことで・・・。



 翌朝、昨晩の事が帝国中に広がっていた。どうやら近くの盗賊が勢力拡大を目指しているらしく、他の国からの移民に紛れて新しい仲間を帝国に潜ませているようだ。どのくらい規模が増えて誰が盗賊かわからないため、移民には注意した方がいいらしい。


 そして私は毎日ヘレン様の家へ通った。

「ヘレン様!弟子にしてください。」

「人に教わる前に鍛錬でもしろ!私ももう警備の時間だ。」


 ヘレン様は帝国四天王の1人だ。帝国には軍隊が3つあり、それぞれのトップが四天王である。残りの1人がヘレン様で、ヘレン様は弟子を取ったことがなく、部下も持たない。仕事も国が襲われた時に戦うだけなのだが、お酒代が欲しくて警備のバイトをしている。

「今日も正義のお仕事ですね!頑張ってください。でも弟子にして下さい。」

 ヘレン様は正義の味方だ!お酒の為に働いているなんて照れ隠しだ!

「いや、うん。お前が頑張っていて、ある程度実力があれば考えてやる。」

「本当ですか?わかりました!毎日ここへ来て、成果を見せます。」


 ヘレンはすぐ大人しくなると思ったが、毎日アカメはやってきた。

「どうですヘレン様?レベル上がりましたよ?」

「ヘレン様見て下さい、昨日ずっと身体鍛えてたら筋力値が3も上がったんです。」

「ヘレン様ーヘレン様ー。」


 ヘレンはうんざりしてきたが、戦ったこともなかった娘が鍛錬し、兵士の訓練所で稽古して能力を上げている事に驚いた。本来なら教えない時点で諦めるか、初心者の館から旅をして一ヶ月はかかると思ったがここまで強くなれるとは思わなかった。どうやら父親が見てくれているおかげでこの当たりの敵と3日に一度戦えるらしい。


「どーしても諦める気はないか?」

「ないです!」


 そして下っ端の盗賊1人位なら倒せると判断したためこのように言った。

「ではアカメ、帝国の周辺には盗賊の下っ端がいるはずだから1人で行き、正面からでも油断させてからでもどっちでもいい。1人退治して来い。」

「殺すってことですか?」

「もちろん。と言いたいが殺さなくてもいい。血の付いたナイフを3日以内に持って来ればそれでいい。嘘を付くような奴ではないと思うが自分の血や動物の血を付けてきたら絶対に弟子にはしないからな。」

「わかりました!やってみます!」


 こうして私は盗賊と戦うことにした。正面からより奇襲の方が確実なので普通の格好にナイフを忍ばせて城の周りを徘徊した。途中でサバキンやスネイクに会うこともあったが、なんとか撃退し、レベルも上がったが、肝心の盗賊に会えない。今日でもう約束の期日だ。

 そんなとき、木の陰で話している2人を発見。だが後ろから声をかけられた。

「おい嬢ちゃん。こんなところでなにをしているのかな?」

 頭にバンダナ、動きやすそうな服装、舌舐めずり。間違いない、盗賊だ。奇襲できなかったため、怯えたふりをしてしばらく様子を見よう。

「えっ、あっ。すみません少し草花を見に・・・。」

「へー。そうなのか。ついでに俺たちと遊んで行くか?」

「なんだ?おっ可愛い子がいるじゃん。」

「マジだ!俺も入れてくれー。」


 どうしよう。大丈夫だ。私の方が早いから隙を見て切りつけて門まで走れば3人いても大丈夫。


「きゃーーー。」

 すると少年が2人帝国と逆側からやってきて盗賊にナイフを刺した。



 この出会いのおかげでヘレン様の弟子になれるとはまだ思っていなかった。



 アカメ

レベル11

HP 320 MP 10

攻撃    40   筋力33

防御    20   耐久22

魔力    10   知恵22

魔法防御  19   魔法耐久25


物理 天然(運上昇中)

魔法 不明


特性 村娘、異世界人の血


装備 ブロンズナイフ(攻撃力+5)


実はアカメの家には父親の武器と防具がそれなりにあります。そのために家が襲われました。

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