サバキンを食べよう
帝国ついたら修行できるかな。。
「グェ!」
烈火の拳をくらったサバキンだが、驚いて奇声をあげただけで対してダメージを受けなかった。
「なんて堅いんだ!まるでタイヤを殴っているみたいだ。」
烈火は喧嘩に明け暮れていた時期があり、地味にタイヤを殴っていたことがある。
「烈火は元の世界でなにか武術をしてはいなかったか?明確な型やイメージがある方がダメージが通りやすい。また、モンスターの弱点を探すのもいいかもな。」
烈火は鋭く観察した。サバキンは顔だけ除けばただの男性の身体だ。しかもかなりの筋肉質で、鍛えてない場所がないほどだ。
更によく見る、やっぱり男性の身体だ。明らかな弱点があるが、攻撃したくない。
「グェ?」
サバキンは目の前の烈火の反応を見て、戸惑っている。
「やっぱり俺には出来ない!」
烈火が苦しそうな顔をしながらサバキンの横を走り抜けて行った。それを見て葵はサバキンの弱点を攻撃し、昼食の用意を開始した。烈火が戻ってきたのは鯖の焼けるいい匂いがしてきた頃だ。
「なあ葵、そのいい匂いのする魚って・・・。」
「サバキンだ。」
「どうやって倒したんだ?」
「どうって、手にナイフを持って弱点をこう・・・。」
「やめろ!葵は強いんだろ?魔法とかで倒せばいいじゃないか、なんで弱点を突くようなことをするんだ?あまりに痛そうじゃないか!」
「? なにを言ってるんだ?モンスターだろ?」
「だからって同じ男ならわかるだろ?」
「・・・あー。サバキンの弱点ならお前が考えているのとたぶん違うぞ?」
烈火は驚愕した。頭がサバで身体が男性のサバキン、身体が男だったら弱点は容易に想像がつくと思った。先ほどの葵の発言で思わず自分のを抑えた位だ。
「葵、サバキンの弱点を教えてくれ。これからの戦いに役立てたい。」
その時、前から3匹のサバキンが表れた。
「恐らく烈火が勘違いしているのはただのエラだ。サバキンは両生類だから水中ではエラで呼吸する。」
「じゃっ、じゃあ弱点ってのは?」
「顔をよーく見てみろ。」
サバだ。
「目を凝らしてみろ、3匹で違いがあるのがわかるか?」
3匹のサバだ。
「切れ目みたいの見えないか?」
そこで烈火は気づいた。自分がサバの切り身しか見たことがないことに!そうなのだ。サバキンは元々切れ目が入っていた!
「もしかして、それが弱点なのか?なんでそんなにわかりやすいんだ?」
「説明するからまず倒すんだ。」
3匹のサバキンは焼かれている仲間を見て泣いていた。近しいサバキンだったのかもしれない。
「なあ、葵、こいつらも殺すのか?」
「サバ、食べたいだろ?帝国まで数日かかるぞ?」
烈火は心を鬼にして捌いた。3匹ともサバいた。
「さあ葵、こいつらの事を教えてくれ!」
葵は言った。
「昔の異世界人に研究者がいてな、どうも自分の世界の生物を作りたかったらしいんだ。そいつはタイタン帝国の皇帝に上り詰めて新しい食物として生物を作ろうとしたんだ。頭脳明晰に加えて、魔力は少なかったらしいが白木さんのような命に関する魔法が使えたらしい。」
「でもなんか混ざってたしあんな生物いなかったぞ?」
「そこなんだ。どうやら生命力が弱くてこの世界では生きていけなかったんだ。そこで人間に見立てた強靭な身体を作りだし、それを1つの生物としたんだ。」
「すげーな・・。ってことは他にもこんなのがいるのか?」
「いや、この地域ではこんなもんだな。だいぶ北へ行くとまた出てくる。」
「わかった。サバごちそうさん。美味しかった。」
「じゃあ行くか。」
こうして再びタイタン帝国に向けて二人は進んでいった。
赤井 烈火
レベル17
HP 533 MP 42
攻撃 70 筋力87
防御 27 耐久49
魔力 30 知恵25
魔法防御 15 魔法耐久38
物理 筋力補正(極小)、耐久補正(極小)、投石
魔法 赤 火エンチャント(小)、プチファイア
特性
赤の才能、格闘、努力家、キングスライム討伐者、詠唱短縮(小)
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本日の葵の鍛錬
二人分の荷物を水の絨毯で運ぶ。
水の絨毯とは、葵の考えた魔法で名前の通り「みずのじゅうたん」であり、これを使って荷物を持っているため軽装で旅が出来る。魔力コントロールが難しく、葵に方法を聞いても大抵の人間が出来ないか疲れるからやらない。方法は以下のとおりである。
1、空気中の水分を集めて圧縮する。
2、水の上に黄魔法でコーティングした土を乗せる。
3、風魔法で運ぶ。
1,2を持続させながら3で運ぶ。この世界の魔法は一度出したら込めた魔力分だけ持続するため、葵の場合は一日一回程度1と2を行い、移動の度に3で追従させている。
いつか書き溜めしたい。でも毎日少しずつが読みやすそう。