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殴り合い、いえ殴り愛

作者:

なんとなく思い付いたことを書いてみました

私は二つ上の兄と大層仲が悪い

別になにか理由があるわけでもなく、同じ空間に居るだけで殴り合いになるのだ

かといって殴り合いに至るような会話もなく、目が合うと二人同士に右ストレートがお互いの左頬に決まっている

親は最初の方は止めていたらしいが今では無駄だと悟ったのか見事にスルーを決め込んでくる

そんなこんなで今日も元気に私と兄は兄弟喧嘩という殴り合いをしている


「ッチ、くたばれクソ野郎が」


「テメーこそくたばれクソガキが」


いつからだろうか冬兄と呼ばずクソ野郎と呼ぶようになったのは、そして兄もいつから私のことを夏と呼ばずクソガキと呼ぶようになったのは一応そんな風に呼びあった記憶があるが今では遠い昔ばなしでしかない

私は急所を確実に狙いパンチとキックを繰り出すがクソ野郎はものともせず全て避けていく

それが悔しくて最近、また女を引っかけてたのを思いだし少しでも動揺させれればと思い口に出す


「そういえばクソ野郎テメーまた女引っかけたんだってな。今度は清楚系やめてセクシー系か、はんテメーみたいなクソ野郎は女に刺されて死ぬのがお似合いじゃあ」


「そう言うクソガキは告白して女には見えねーって振られたらしいな」


「テ、テメーどこで聞いたんだその話!」


動揺させるどころか私が動揺させられている

いつだって私は何でもこのクソ野郎に勝てたことがない、喧嘩だって一度でも私の攻撃がかすることはないし、口喧嘩でも完敗しっぱなし

義理の兄とはいえそもそものスペックが違い過ぎるのだ

野生児と名高い私とは違い、兄は文武両道、容姿端麗、八方美人で近所でも学校でも人気が高くいつも違う女を連れていた

とにかく私はクソ野郎が大嫌いだ

悔しくてな顔を歪めるとクソ野郎は大層楽しそうにニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべる


「俺の情報網舐めてんじゃねーぞ」


「べ、別に気にしてねーし、私を振るような男なんて見る目がないからむしろ清々したくらいだわ」


「はーん、一人部屋に籠ってお気に入りのクマのぬいぐるみ抱いて泣いてた奴のセリフか」


一気に頭に血がのぼり顔が赤くなるのがよく分かる、恥ずかしかった今までクソ野郎に弱味を見せないようにしてきたつもりなのに

どうしようもなく悔しくて恥ずかしくて私は攻撃するのを中断し部屋駆け込んだ

その後ろ姿を見て一人ニヤニヤとクソ野郎な冬は楽しそうに言う


「顔赤くしちゃってカッワイ~、本当にどうしようもなく可愛いなぁ夏は」


それを見ていた父親はどこか諦めたように言う


「あまり夏をイジメるなよ、冬。本当に嫌われるぞ」


「そんなことあり得ないよ、とーさんだって夏はなんだかんだ言って俺のこと大好きだもん」


血は繋がっていないとは言え冬は大切な息子だがどこでこんなにも性格が歪んでしまったのだろうと自分の教育方針に不安を感じる父親であった

簡単なキャラ紹介


夏…高校一年生、いわゆる不良

元々いい娘なのだが兄より強くなるため毎日喧嘩に明け暮れた結果

人並みに恋はするが毎回報われず


冬…義理の兄、高校三年生で生徒会長

妹を溺愛しているがなぜか歪んだ愛し方しかできない結果がこれ

基本的に世界は妹を中心に回ってる


秋…二人の父親

普通のサラリーマン、どうして子どもたちがあんな風になってしまったのかと悩み過ぎ胃潰瘍になった苦労人

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