俺のスマホから
高一の夏休み。
いつも通りのある日のこと。
外が狂うほど暑いので、自学習として微分の計算をしていた。
「えーっと。f(x)=x^3+px^2+5x-4について、xが-1から2までの変化率が…」
肩肘をつきながら、答えを書こうとしたとき丁度スマホの着信音が鳴った。
スマホを確認する。
差出人のところには何も書いてない。
アドレスが表示されていない?
なにかのエラーだろうか?
新着メールをタップしてみる。
そのメールにはこう書かれていた。
『Q:いまのじんせいにまんぞkしていますか。
はい・いいえ 』
明らかにあやしい。
(出会い系かよ。)
こういうものは放置に限る。
電源ボタンを押した。押した。連打した。
スマホが反応しない。仕方なく…長押しーー。
それでも画面はなんの変化も示さない。
「なんだよ…。」
最終手段。スマホを裏返し、電池パックを解放!
「……、んっ?」
それでも画面は変わらなかった。ぶっ壊れたのか。
しかも裏返したときに画面をタップしていたらしい。
『いいえ』の部分の色が変わっている。
めんどくさくなって、俺はスマホをベッドへ放った。
スマホはバウンドして、ちょうど画面が見えない状態になった。
「……まぁいいや。続き続き…っと」
気にしないことにした。
俺は机に向き直り、ペンを取った。
スマホの画面側からめっちゃ光が漏れ出している。
コォォという変な音も同時に聞き取れる。
気付いてるけど気にしない。
音と光はどんどん増大していく。
まったく気にしない。
ポンッ!
スマホからありえない音がした。
さすがに少しビックリした。体がビクってした。
スマホが爆発っぽいことをした。
(新しいの買わなきゃなぁ。)
ボスン!…ゴテッ
スマホが落ちる音がした。
(…あれ?ボスンってなんだ?スマホが当たってそんな音が出る物なんてあったっけ…)
さすがに状況を確認しようとベッドをみる。
……。
知らない人がいる。
「いたた~。あれ?もしかして人間界!?やった~!だーいせーいこーう!」
この言葉をきいた瞬間、俺はこれからの行動を決めた。
また机に向いて、さっきの問題の続きをはじめた。