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機械仕掛けの果て

 ある世界で人気のコロッケ屋は、神凪の行きつけでもあった。


 むしろ神凪のお気に入りであると言うことを聞きつけて、多くの人が足を運んでいるのだろう。世界を疫病の危機から救った神凪は、この世界ではかなりの偉人として扱われていた。


「最近、売れ行きが良くてねぇ。作るのが追いつかないんだよ」


 店主の嬉しい悲鳴を聞きながら、神凪は店先でコロッケを食べていた。肉が入っていれば、肉以外だって食べられるのが神凪である。


「オートメーション化してみたら? ほら、この世界って機械の開発が盛んなんでしょ?」

「ええ。野菜の栽培も、全て機械がオートメーションで行なっています。飲食店も、そのような場所が増えていますね」


 しかし――、と、店主は言葉を区切った。


「食材の生産も、食材の調理も、全てを機械で行ったとします」

「うん」

「完成したものは、果たして食べ物なのでしょうか」

「うん?」

「作物が生えている光景を、見ることはない。作っていることを見ることもない。食べた時に初めて、それが食べ物であると認識する。そう、その食べ物が生きていた時のことを知らないのです」

「つまり?」

「我々生きているものが産み出す自然的なものが作物だとしたら、機械が産み出したものも、それはまた機械なのではないでしょうか」

「まさに、奇っ怪な話」


 なんの話をしていたんだっけ、と頭を傾げながら、神凪はコロッケを揚げる音に耳を傾けた。

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