表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

マネージャー生活、スタート!

〜主なキャラクター紹介〜

佐伯月穂 羽森高校サッカー部の新人マネージャー。家族の影響で幼い頃から立浜リヨンズFCのサポーター。できるだけ毎試合見に行く熱心なサポーター。普段は穏やかで優しい性格だが、試合を見る時は人が変わったように熱狂する。人目を惹きつける可愛らしい顔立ちだが、本人は気づいていない。毎日日記を書いている。

赤塚修斗 羽森高校サッカー部のキャプテン。立浜リヨンズFCのサポーターであり来年の加入も内定済み。ピッチ内外で潤滑油として活躍。月穂の兄の俊介と仲がいい。月穂のことが気になっている…かもしれない。

佐伯俊介 月穂の4歳上の兄。羽森高校サッカー部のOBで元キャプテン。去年立浜リヨンズFCでプロになった。毎試合のようにスタメン出場し今シーズンは4得点決めている。左足から放たれる精度抜群のFKが強み。修斗がお気に入り。妹思いの優しい兄だが、若干過保護。

4月21日(日)

明日からいよいよ部活が始まります。無事マネージャーになれて本当によかった!選手の皆さんのお役に立てるように頑張るぞー‼︎


「集合‼︎」鬼本監督が皆さんに声をかける。

「はい‼︎」選手の皆さんの揃った返事。さすが強豪校!

「ようやくマネージャーが入ってくる。佐伯月穂だ。佐伯、簡単に自己紹介」

「はい。1年6組の佐伯月穂です。立浜リヨンズFCのサポーターです。選手の皆さんのお役に立てるように頑張ります。よろしくお願いします!」そう言って礼をする。

「え?佐伯?」「佐伯ってもしかして」選手の皆さんのざわつく声。

「みんなもう分かったと思うが、佐伯月穂は去年までうちにいて、今は立浜リヨンズFCでプレーしている佐伯俊介の妹だ」

「おー!」「やっぱり!」「てか可愛くね?」「それな。めっちゃ可愛い」

「今サッカー部にはマネージャーが他にいない。大変だとは思うが、部員に聞きながら頑張ってくれ。今日は初日だから、3月に卒業した坂井に来て貰った。坂井、頼むぞ」

「はい」返事をして出てきたのは大人っぽい素敵な人!

「月穂ちゃん、元マネージャーの坂井千秋です。よろしくね。私のことはまあ、千秋さんとでも呼んで」と、千秋さん。

「はい、千秋さん、よろしくお願いします!」

「月穂ちゃん」あ、この声は!

「修斗くん…じゃなくて、赤塚先輩!」赤塚先輩はサッカー部のキャプテンで、俊にいと仲良かったから私も元々知り合いなんだ。

「久しぶり。別に修斗くんでいいんだよ?」そう言って笑う赤塚先輩。

「いえ、学校では赤塚先輩で!」

「じゃあせめて修斗先輩にしてよ。今までずっと修斗くんだったから苗字で呼ばれると違和感しか無い」

「わかりました!修斗先輩、これからよろしくお願いします‼︎」

「うん、よろしく。うちのマネージャーは大変だけど、まあ入部試験をクリアできたなら大丈夫でしょう。頑張れ」

羽森高校サッカー部は全国大会常連校な上みんなカッコイイから女の子から大人気!カッコいい人目当ての人がマネージャー希望で押し寄せてくるからこの部活では毎年マネージャー希望の人を対象に入部試験をする。カッコいい人目当ての人はもちろんのこと、どれだけサッカーを愛しているかや、運動能力、臨機応変に対応できる能力も試されてクリアできた人だけがマネージャーになれる。ふさわしい人がいなかったら合格者無しという事もある。実際、過去2年間合格者はいなかった。けど、千秋さんが卒業しちゃっていなくなってしまったのもあり、今年は私1人が合格した。30人以上応募してきたんだって!

「はい、ありがとうございます!」そういうと先輩はニコニコ笑った。

「よし、じゃあ早速始めようか。今から部員たちはランニングと筋トレ、基本のトレーニングをするからその間月穂ちゃんにはドリンク作りをしてほしい。今日は私が教えるから行こうか」と千秋さん。

「はい!よろしくお願いします!」


「気をつけ!礼!あざした!」

やっと終わった…マネージャーの仕事ってとっても大変!頑張った…!

「月穂ちゃんお疲れ様!疲れたでしょ?てか、めっちゃ優秀だね!1回言うだけで理解してくれる」優しく笑いながらそう言ってくれる。

「いえ、千秋さんの教え方が良かったからです」

「可愛いー!まじ月穂ちゃん可愛すぎるわー。天使!今日しか来れないの悔しすぎる!」千秋さんは今日何回もこんな感じのことを言ってくれたけど、あんまり慣れてないからちょっと恥ずかしい。

「月穂ちゃんお疲れ、俊さんが月穂ちゃんを家まで送ってこいって言ってるから一緒に帰ろう」修斗先輩がそう言っている。

「俊にい…本当すみません…」俊にいは優しいお兄ちゃんだけど、ちょっと過保護なところがあるんだよね…。

「いいって。方向一緒なんだし。さ、遅くなると俊さんが心配するよ。行こ」

「はい、千秋さん、お疲れ様です!」

「月穂ちゃんばいばい!たまに遊びに来るからね!」

「はい!」


「マネージャー初日どうだった?」

「めっちゃ疲れました…でも、千秋さんが優しく教えてくれたのでバッチリです!」そう言って修斗先輩を見上げて笑うと、なんか顔を押さえている。

「あーまじで可愛い…」

「先輩、今なんて言いました?ちょっと聞こえなくて…と言うかなんでそんなに耳が赤いんですか?」

「い、いや、気にしないで…それよりさ、学校の外では修斗くんって呼んで、今まで通りタメ口で話してよ」

「うん、分かった!」

色々話しているうちに、私の家に着いた。

「修斗くんありがとう!また明日ね!」そう言って手を振ると、少し顔を赤くしながら修斗くんも振り返してくれた。

「うん、また明日」

「ただいま!」修斗くんと別れて家に入ると、早速俊にいが飛んできた。

「月穂!おかえり‼︎何もなかったか?」

「何も無いに決まってるでしょ、修斗くんに送ってきて貰ったし」

「そうか、なら良かった…今日は、先輩たちがきてるんだ」

「先輩達?それってもしかして…」

「俊!その子が妹さん?」「おー噂に聞く」「俊から溺愛されてる子か」「月穂ちゃんね」奥から見覚えしかない4人が出てきた。

「そうっす!月穂、先輩d」

「わあ!喜原選手に松市選手、それに天田選手、宮野選手まで!!お会いできて嬉しいです、いつも兄がお世話になっております!」出てきたのはリヨンズFCのベテラン選手!私が好きな天田選手もいる!!

「元気だねえ」「俊に結構似てる気がする」「2人とも美形だね」「こんな可愛い妹がいたらそりゃ俊も過保護になるな」そう言って笑う選手の皆さん。

4人はしばらくうちにいて、私も一緒にゲームをしたり、喋ったり。楽しかった!


4月22日(月)

今日は部活の初日でした。マネージャーのお仕事はとっても大変だけど、千秋さんは優しいし、修斗くんも気にかけてくれているからすごく居心地がいい!これからも頑張るぞ!あ、今日は家にリヨンズFCのベテラン選手4人が来てました。びっくりしたけど話せて嬉しかった!


それから約1週間経ち、マネージャの仕事にも慣れてきた頃、

「全体集合‼︎」鬼本監督がみんなを呼ぶ。

「はい‼︎」選手、そして私も集まる。

「新チーム練習を今日から本格的に始めていく。今シーズン最初の練習試合は、一枝高校と対戦する。そこまで強いチームではないが、いい選手が揃っている。油断はするなよ。メンバーは試合の3日前に決定する」

「はい‼︎」

いよいよ試合…私も頑張らないと!

「マネージャーも全力でサポートしてくれ」

「はい!」気合を入れて大きな声で返事をした。


「月穂、ドリンクちょうだい」

「月穂ちゃんこっちも!」選手達に声をかけられる。

「はい!お疲れ様です。どうぞ!」そう言って選手達にドリンクを渡す。

選手の皆さんはメンバーに入る為、必死に練習をしている。

「佐伯、ちょっといいか」監督に呼ばれた。

「はい!」監督のもとに行くと、段ボールがあった。

「そろそろ暑くなってきたから、濡れタオルを導入しようと思うんだ。この箱に全員分入っているから、バケツに水を汲んでそこに入れといてくれ」

「はい、分かりました」受け取って返事をした。


「よし、このくらいかな」サッカー部は人数が多いからバケツが2ついる上に大きい。戻るの大変だなあと思っていると誰かが声をかけてきた。

「ねえねえ、サッカー部のマネージャーの子だよね」

「はい、そうですけど」そう言いながら見ると3年生の女子5人が立っていた。

「ちょっと聞きたいんだけど、赤塚修斗くんの連絡先って知ってる?」

「知ってますけど…」ちょっと嫌な予感がしながら答えると、先輩達は浮き足だったように聞いてきた。

「え、まじで!それ私たちに教えてくれない?」やっぱりそうきたか…。

「えっと…すみませんが、私が勝手に教えることはできないので本人に聞いてみてください」

そう答えると先輩達は怒った様子を見せる。

「え、何それ」「教えてくれたっていいじゃん。何独り占めしようとしてんの?」「そもそもあんたなんかがマネージャーやってる時点でおかしいんだけど」「そう言えばこの子さ、佐伯俊介の妹らしいよ」「まじで?絶対コネでマネージャーやってるじゃん」「ずる。イケメンに近づこうとして自分の兄利用したんだ?笑」「ヤバすぎ笑。さっさと教えろよ、ブス」「ブス笑笑」「え、てかこの子涙目になってんじゃん」「ほんとだ笑。泣いたら許されるとでも思ってんの?」どうしよう…。泣きそうになりながら考えていると、突然声がした。

「うちのマネージャーに何か用?」振り向くと修斗くんがいた。女子の先輩達は慌てて声を変える。

「あ、修斗くん!私たちね、この子が重いバケツ持って大変そうだったから手伝おうかって声かけてたの」すごい変わりよう…。

「そう、それはどうも…と言いたい所だけど黙って聞いてりゃお前ら何様?別にこの子はコネでマネージャーになった訳じゃなくてちゃんと試験を受けて合格したし、そもそも俺の連絡先知りたいなら直接声かけてこいよ。まあ絶対教えないけど。」

修斗くんの勢いに女子の先輩達はたじろぐ。

「しゅ、修斗くん…?」「どうしたの…?」

「てかブスって何。こんな可愛い子にブスって目腐ってんじゃないの?」……‼︎ちょっと嬉しい。

「部活中に声かけてくるな。というか二度と声かけてくるな。俺にも、この子にも、他の部員にも」

「……!」殺気だった雰囲気の修斗くんに怖気付いた女子の先輩達は何も言わずに逃げていった。

「はあ…」先輩達がいなくなって気が抜けた私は恐怖からの大量の涙とともに足から崩れ落ちてしまった。すると修斗くんが支えてくれる。

「月穂ちゃん、大丈夫?怖かったね、来るのが遅くなってごめんね」そう言ってくれる修斗くんの声が優しすぎて、私は涙が止まらなくなってしまった。

「修斗せんぱ…修斗くん、ごめんね、ごめんね、ありがとう……」

子供のように泣き続ける私が落ち着くまで、修斗くんはぎゅっと抱きしめて背中を優しく撫で続けてくれた。


いつものように修斗くんと家に帰ると、俊にいが飛び出してきた。どうも修斗くんが連絡してくれていて、知ってたみたい。どこのどいつだ!って暴れ回ってたけどあの先輩達の名前は知らないし、もし知ってたとしても言ったらプロのサッカー選手という立場で暴力事件起こしそうで怖かったから修斗くんと2人がかりで落ち着かせた。


5月5日(月)

今日、女子の先輩達に囲まれてとても怖い思いをしました。でも、そこに助けに来てくれた修斗くんはとってもカッコ良くて、頼もしかった!最近、修斗くんの事を考えたり、見たり、喋ったりすると変な感じになります。なんか心がキュッとして、頭がいっぱいになって…。これ、なんだろう?


それからあの先輩達が私のところに来ることはなく、1週間が経ち、いよいよ練習試合のメンバー発表の日になった。みんなドキドキしてるみたい。

「では、今年度初戦、一枝高校戦のメンバーを発表する。まずはスタメン。キーパー、水野」

「はい!」

「次に後ろ4人。山村、角田、中本、加藤」

「「「「はい!」」」」

「次真ん中。赤塚、渡邊、山根」

「「「はい!」」」修斗くんも呼ばれた!

「最後前3人。安野、江川、山手」

「「「はい!」」」

「では、ベンチに入る9人を発表する。須藤、堀、山田、松永、杉本、中村、前田、花坂、そして、本山。以上。メンバーの20人は練習が終わったら俺のところに集合。他は、毎試合メンバーは変わるし、まだ試合はたくさんある。次は入れるように励めよ」

「はい!」


「本山くん!最初の試合でメンバーになるなんて凄い!」

本山くんは1年生で、いつも真ん中あたりでプレーしている。

「あ、月穂ちゃん。俺もびっくりしたよ。まさか入れるとは思わなかった。ベンチではあるけど、このチャンスを掴まなくちゃ」

「うん、応援してるよ、頑張って!」そう言ってにっこり笑うと本山くんも嬉しそうに頷いてくれた。


それから3日後。いよいよ今年度の初戦!試合会場である一枝高校には部活のバスで行くから、朝早くに学校に集まった。

「ふわあああああ」

「月穂ちゃん、眠い?」修斗くんが笑いながら聞いてくる。

見られてた…!恥ずかしい…!

「よし、荷物は全部積んだな?じゃあ全員乗れ。一枝高校までしばらくかかるから寝とけよー」

「はあーい…」いつもは元気いっぱいな選手の返事の声も今日は眠たそう。私も寝よっと。

座席に座ると眠気が一気に来て、私はあっという間に眠った。


「…きー、佐伯ー、ついたぞ」監督の声がする。でもまだ眠い…。

「よく寝るなあ。赤塚、起こしといてくれ。俺はやる事があるから」

「はい。月穂ちゃん、起きてー。ついたよー」肩を揺さぶられる。

「ん…修斗くん、おはよう…」

「寝ぼけてるなあ。はい、立って。バス降りるよ」

「ありがと、修斗くん」

「うん。さ、荷物置きに行こう。俺らもウォーミングアップしないとだし、月穂ちゃんもやることあるでしょ」

「そうだね」


自分たちのテントに行くと選手は早速ウォーミングアップを開始した。私は主催者のところにオーダー表を出しに行ったり、選手のユニフォームやスパイクを準備したり。結構忙しかった。ちなみに試合は1-6で無事勝利!あ、試合のシーンは書くのが大変だからカットさせてって水無月アメリが言ってました。試合は修斗くんがハットトリックをしたし、本山くんも得点はなかったけど後半途中から出て得点にも関与してた!今年度初勝利!


6月7日(土)

今日は初戦でした。てんやわんやの大騒ぎで大変だったけど選手がみんな大活躍!修斗くんもとってもかっこよかった!本山くんも無事出場して、結構活躍してた。これからも頑張るぞ!

こんにちは、はじめまして♪jk1の水無月アメリです。お読みいただきありがとうございます!

この物語は強豪校のマネージャーになった月穂が仕事に恋に、頑張るお話です。

私自身サッカーを見る事が大好きです。登場人物やチームには実際にいる選手やチームをモデルにしたものもあります。サッカーをしている時の描写(今回はちょっとカットしましたが)はリアルに書けるのではないかと思っています。今日からヒロイン始めましたという作品をすでに投稿しているのですが、それと同時進行で進めていきます。

最後に、絶対に、100%埋もれていたであろう私の物語を読んでくださり、ありがとうございました!もし気に入って頂ければ、続編も読んでくださると嬉しいです。それではさようなら!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ