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霞んだ春と消えた未来のその先は・・・

作者: 空野山城

(本作は重い内容となります。年齢制限等は一先ず掛けませんが、ご指摘を頂いたら即対応致します。)

(感動系になるように頑張りました、感動してください。)

ー7月24日ー

 今日は彼女である桃子の誕生日だ。

 毎年、町内の花火大会と重なり花火大会の後にお誕生日会というルーティンがある。


 そんな桃子との出会いは高校1年の頃。

 席が隣同士なのをきっかけに話したのが始まりで、共通点が一緒だったのもあり、気が付いた頃には友達以上の親友になっていた。

 そして、高校3年の春に僕から告白をし付き合い始めた。


それから4年。

 同棲を始めたりと色々あったけど、上手くいっていた。

 毎年誕生日を祝って、月に4回デートをし、

それ以外の仕事休みには結婚の話等をしていた、付き合って4年経つから結婚もしたいとお互い思っていた。

 もちろん、今年プロポーズするつもりだった。

 楽しかった、近しい日が待ち遠しかった。

 ・・・あの出来事が起きるまでは。


ー7月14日(誕生日の10日前)ー

 朝から桃子が忙しそうにしていた。

 先日友達とちょい早い生誕旅行をしに行く話が出ていた、それが今日だ。

 楽しそうに準備しながら旅行先の話をしている、桃子はいつも以上に気合いが入っていた。

 家を出る時も、「お土産沢山買ってくるね!」と目をキラキラ輝かせながら言っていた。

 前日までは、「風真1人で大丈夫?」とか心配していたのに。


 それから2日後、桃子達が帰ってくる日の午後にその出来事が起きた。

 自宅のPCでプレゼントのアイデアを求めてネットサーフィンをしていた時、スマホにとある1件の電話が入った、その先は警察だった。

 内容は、桃子達の車とスピード違反の車が衝突事故を起こした。

 そして、その事故で桃子含めた3人と相手方の運転手が亡くなった。

 聞いた時に頭が真っ白になった。


ーー桃子がもう帰って来ないーー


 それからというもの、真っ白のままずっと過ごしている。

 葬儀にも両親が駆けつけて来てくれたけど、何を話していたかは分からない。

 共通の友達も来ていた、来てすぐに「ごめんなさい」と泣きながら謝られたが、正直何も感じなかった。

 だけど、桃子を見た時には自然と泣いていた。

 今にも起きて「風真おはよ〜ごはん〜!」と言いそうなくらいに寝ているようだったからだ


ー数日後ー

 全てが片付いて、7月24日桃子の誕生日。

 いつもなら「今日は私の誕生日だよ〜!」と言いながら部屋に入ってくるのだが、もうそのイベントの幕開けみたいなのは無いのだ。

 いつもなら騒がしいワンマンライブみたいな家の中も静まり返っている。

・・・居なくなったと改めて感じた。


 「外に出よ・・・」

 桃子が居なくなってからずっと家の中にいた。

 なんとなく外に出たくなかったからだ。

 けど今日は違った、外に出なきゃと思った。

 なんとなく・・・だった。


ー花火が見える近くの高台ー

 気付いたら毎年来ている高台に着いた、

毎年ここで桃子と花火を見ていたのだ。

 屋台で買った食べ物を持ち込み、近くの自販機で飲み物を買う、そして花火が見れるベンチに座り2人で楽しく話しながら花火を見る。

 そして家に帰り、食後のデザート?のホールケーキで「風真〜お腹いっぱいだよ〜!」と言わせるこれがルーティンだ。

 とりあえず、飲み物を買ってベンチに座る。

 ボーっとしていたら、花火大会が始まった。

綺麗だった。

 様々な色の花火が空に浮かび出ている。

 少し楽しかったが、同時に寂しくもなった。

 「・・・明日買い出し行こう。」

買い出しを辞めて、帰路につこうと歩き始めた時、急にふわりと風がきた。

 そしてその風と共にふと甘い香りがした、桃子が使用していた香水の匂いだった。

 その風はさっき座っていたベンチの方向へ吹いていてふと振り返ると、桃子が立っていた。

 「あ、星が綺麗だよ〜!」そう言う桃子の通りに

空を見上げると確かに星が輝いていた、自然と涙が出て来た。

 すると「ずっと見守っているからね〜風真!」と言って手を振りながら桃子は消えた。


 それからというもの、1人生活が再始動し前みたく職場と自宅を行ったり来たりしていた。

 あの時の桃子は自分が生み出した幻か、はたまた神とやらが最後に会わせてくれたのかは分からない、だが桃子はずっと見守っていてくれているそんな感じがする。


 だって、家を出る時「いってらっしゃ〜い!」と桃子の声が聞こえるのだから。

霞んだ春と消えた未来のその先は・・・の本編を読んでいただきありがとうございました。

重くなかったり、感動しなかったらすみません。

その場合、恐らく私の感覚が終わってマス。


最後になりますが、ここまで読んでいただきありがとうございました、また次の作品でお会いしましょう。


次回・・・続くかは作者も分からない。

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