魔王の部下
赤軍戦車軍団は今日も陰鬱な空気が漂ってた。
前日、出陣した軍団が一両も母基地に帰投しなかったのだから。
母国から大量の戦車や補充部隊が届くが、一人も祖国に生きて帰れないのだ。
陰鬱な空気になるのも当然だろう。
だが赤軍は上司への不満や戦争批判は許されない。
文字通りの首チョンパが待ってるので、勇ましいセリフを残し前に進むっきゃ無い。
装甲固く、我らが戦車は快速で
その乗員は勇気に満ちる
戦列に立つ、ソヴィエトの戦車兵は -1
偉大なる祖国の息子達
敵を砕く、ソヴィエトの戦車兵は -
繰り返し:
砲火轟かせ、鋼の輝き放ち
車両は激しき行軍に赴く
我らを戦へと、同志スターリンが送り出し
筆頭元帥が導くならば♪
彼等は下がる士気を上げるために戦車兵の行進曲(Марш танкистов)を詠う。
往くぞ!!敵を恐れるな!!勝つぞ!!!
だがそんな彼等は・・・一人も帰って来れないのだった。
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「ひゃっほ~~!!ヘンシェル、見ろ。
見渡す限りの赤軍軍団だ!!狩り放題だぞ!!」
「ハイハイ、閣下。部下にも稼がせましょうね。」
「ウム、まずは先陣は彼等に任せるとするか・・。」
ウズウズするルーデルだが、部下も育てねばならぬ。
新鋭スツーカは我がルーデル大隊を優先して続々と補充される。
そして私が合格!と判断した幹部は他部隊の指揮権を与え転出するのだ。
スツーカは続々と急行下し敵を射撃しながら(投下の照準にもなるので。)敵を目指す。
機首の30ミリキャノンが吠え、敵兵の機銃手を駆逐。
そして必殺の1t爆弾が命中炸裂!!
周囲の戦車や兵も巻き込む大惨事がそこらで連発。
味方機が補充に帰ってからがルーデルの仕事なのだ。
「ヘンシェル、もういいよな??みんな帰ったぞ。。」
「閣下、ご自由に攻撃して下さい。背後は私と援護戦闘機に任せてネ。」
「ウム、往くぞ!!ヒャッホ~~~!!」
ルーデルは奇声を上げエンジン全開でダイブし生き残りの戦車を次々に撃破する。
既にルーデル軍団にボコられ満身創痍な彼等は絶望の顔で蒼空を見上げ最後を待つしか無かった。
ルーデルは爆弾を投下しすぐに上昇し装填魔法を唱え再びダイブ。
悪魔のサイレンは文字通りの悪魔の咆哮!!
その日も多くの戦車軍団が壊滅。
だが赤軍は後退を許せずルーデルの餌食となるのである。
「見ろ、ヘンシェル、すべてが静かに、まるで死んだように見える」
「閣下、眼下の敵は全て全滅ですよ。満足したなら帰って昼餉にしましょ。」
「・・ウム・・。」
突っ込み返せずルーデルは眼下の赤軍軍団(犠牲者)に別れを告げ戦場空域を脱するのであった。
朝9時から昼11時半までのスコア、敵戦車100両が壊滅・・。
そして周辺の歩兵も巻き添えとなり多くの躯が北の大地の土に帰るのであった。
その日もスターリンは荒れ狂い、ルーデルを呪い喚く日々であったし、更に戦車の増産。
護衛戦闘機の増産を特命し、赤軍工場は活気を帯びてた。
が、赤軍の士気はダダ下がりである。
ルーデル一人で一個師団の価値があったのは公式サイトでも有名です。
そんな彼に魔法と言うチート与えれば。
戦局を単独でひっくり返せるのも道理です。(;^ω^)