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制御なきオブザーバー  作者: ひろすけ
8/24

8.ひとときの安らぎ

12月に入った。

大野は学校に来るようになったが、

休んだりを繰り返している。

僕も同じだ。

最近はよく休むようになった。


手紙だけでなく、

嫌がらせも増えてきた。

教科書やジャージがなくなったり。

だけど誰なのかは特定できない。

もう犯人探しはしていない。

どうであれ、卒業まで

精神がもてばいいんだ。


その前に冬休みもあるし。

そうだ、買いたいゲームがあるんだ。

かなり長いロールプレイングゲームだから

楽しみだ!

学校の事なんか

考えてる暇もないはずだ…


河原もたまに学校を休んでいる。

休んだ翌日は必ず投稿してくるので

安心する。

みんなも同じように耐えている。


夜、部屋にいる時も

常に学校の事を考えている。

家でもいじめにあってる

みたいだ。

明日は学校を休もう。

僕も2日連続で

休む事をしないようにしているが、

それもそのうち分からない…


そんな時にメールが届いた。


「久しぶりにみんなで集まろう!

放課後、いつもの公園で集まろう。」


明るいメールだ。

それだけで笑顔になれる。

久しぶりにみんなに会える。

不思議なものだ。

いつもみんな同じ学校に通っているのに…

明日は学校に行こう!


公園に着くとみんなもう集まっていた。


片瀬が言う。

「みんな大丈夫か?」

3人が微笑みながら小さく頷く。


片瀬が続ける。

「実は、昔落ち込んだ時に

父親に山に連れて行ってもらった事があって。

いい景色だったんだよ。

その時だけでも

本当に心が晴れたんだよ。

俺立ちだけで行ってみないか、

今度の休みに!」


片瀬の提案に心が踊った。

みんなも笑顔になった。


「いいねぇ!

どこの山?」


「高井山だよ。

あそこなら電車で麓まで行けるし、

素人でも2,3時間で登れる。

かっことかもとにかく厚着すればいいからさ!」


すごくワクワクした。

休みの日にみんなに会うのは

初めてだ。

それに電車で少し

遠いとこに行くなんて。

少し前だったら考えられなかった。


今は少しでもみんなといたい…

山かぁ!

素晴らしい景色を見て少しでも何かが

変わればいいが…


当日は雲ひとつない天気!

気温はかなり低いため

沢山着込んで出発した。

お父さん、お母さんが

玄関で送り出してくれた。

すごく嬉しそうに見えた。


確かに、僕が休みの日に

友達とどこか行くなんて…

自分も信じられない。


山道は整備されていたが、

かなり急な場所が多い。

息遣いが荒いせいもあるが、

登ってる最中は

ほとんど会話はなかった。


卒業後はバラバラに

なったとしても

この仲間で卒業したい。

今は本当に辛いが、

この仲間のおかげで

僕は生きていける…


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