シンエヴァがわからない
ドネタバレです。
シンエヴァを見た。
面白い?
面白くない…?
その前に、ストーリーが分からんのです。
リリンもどき?
まずリリンがわからん。
LCL化?
何それ?
ガフの扉、ネブカドネザルの鍵、アダムス、リリス……
人類補完計画って聞いた事ある。確か、エヴァンゲリオンを理解するには必要なこと……でもわからん。
ネルフ、ゼーレ、ヴィレ……
誰が味方よ?
え?裏死海文書?
エヴァってシンジがナヨナヨしてて、ロボット(エヴァンゲリオン)乗って怪獣(使徒)を倒すアニメやった事しか覚えてない。
あと、TV版のラストが「字」の後に「おめでとう」。
劇場版のラストが「気持ち悪い」。
それくらいや。
これは由々しき事態やぞ!
俺、エヴァンゲリオンの事何も知らんやん!!
これは……検索検索ぅ!(ミサトさんっぽく)
……何調べよう?
まずは……「リリン」
リリスとサタンの子供……リリム。
え?メガテンの?あの有名な悪魔??
……いやいや、聖書の話ちゃうねん。
エヴァの話や。
「リリン エヴァ」で検索検索ぅ!
人間。
ま、マジか?シンジは人間もどきになったんか?
え?人間はリリスから生まれたやと?フムフム……。
他人の考察にのめり込む俺。
マジか。アダムス(アダム)から生まれたのが使徒で、使徒と戦うために作った人造人間がエヴァンゲリオンなんか?
いろんな人が色々書いてて面白いな。
……ちゃうちゃう!
考察とはいえ、他人の創作。
俺がやるべきはシンエヴァのストーリーを理解する事で、考察を深める事ではないのだ!
まだまだ検索すべきワードはたくさんあるぞ!
「LCL」
プラグに入ってる水。リリスの体液。サードインパクト後の人間。
……水か。
「ガフの扉」
ガフの部屋に魂を入れるための扉。アダムスとリリスの掌にある。黒の月、白の月に繋がる。
……全然わかりましぇん。そもそも、聖書の設定とエヴァの設定の区別が付けへん。
まぁ、無理にわかる必要もないかな。扉が開いたら大変みたいな感じやろ?
「ネブカドネザルの鍵」
ネブカドネザルは王様。前劇場版まではアダムの胎児だった。ゲンドウが神になるための道具。
……ドーピング薬!
「裏死海文書」
……多分、ゼーレの経典みたいなやつ。道標?それを見てインパクトを実行してる。
「槍」
……倒せる。
もうめんどくさくなってきた……。
……良く考えろ、俺。
シンエヴァのラストを見てどう思った?
『……これって、3時間見てなくても良くない?ラストと繋がってないよな?』
厳密に言えば繋がってる(当たり前)し、ストーリー理解したほうがよりラストを理解出来ると思ったから検索を始めた訳やねんけど……。
正直に言います。
今まで不真面目にも長年エヴァンゲリオンを見てきた俺にとって、シンエヴァは真のエヴァンゲリオンのラストやった。
けど、3時間中のほとんどが理解出来ないワードに彩られてたわけで、最後のほんのちょっとだけが俺の理解出来たラストやった訳なんです。
それでも、全てのチルドレン達に癒しと道を与えるハッピーエンドは、俺にとってはまさに宝物になりました。
シンエヴァンゲリオン、めちゃめちゃ良いです。
けど、残りのストーリーを理解してない野郎がそんな事言っても説得力ないっしょ?
だから、そのための検索検索ぅ!
やった訳で……。
けど、もう挫折です。
シンエヴァンゲリオン良いぜ!
シンエヴァンゲリオン良いぜ!
シンエヴァンゲリオン良いぜ!!
面白くなくてもめちゃくちゃ良いラストだぜ!!
面白くないのは、理解出来てない俺の頭のせいだぜ!!!
……その時、ふと見たスマホの画面に映ったのは。
「カオル=ゲンドウ」
え?
カオルは、アダムと人間の遺伝子から出来てるの?
その遺伝子って、まさか?
ラストで加治さんが確か、カオル司令って……。
碇司令=カオル司令?
なんかね、それを見た時、思ったんよ。
「そうか。だから、ゲンドウはピアノの話したんや」
って。
で、もしゲンドウ=カオルってなると、ラストのシーンの意味も変わって来るなと。
ここからはあくまで俺の創作です。
俺はエヴァンゲリオンの何もわかってません。
ラストの駅のシーン。
シンジとマリがホームに一緒にいます。
アスカや、レイ、カオルは反対側の駅のホームに……。
俺は、レールの向こう側にあるホームはシンジのいる世界とは違う世界で、他のチルドレン達もそれぞれの世界でそれぞれの人生を歩んでますって暗示やと思ってた。
けど、レイとカオルが妙に近くてイチャイチャしてるように見える理由が分からんかった。
アスカが1人なんは、ケンスケがエヴァパイロットじゃないからかなって思ってたけど。
でも、ゲンドウ=カオルってなるなら、レイ=ユイで、ゲンドウとユイが幸せになる世界線の可能性も同時に見せてたんじゃないかなって。
このシンエヴァってさ、同じ事をしてる人や、その行為が何重にも重なってるような感じがあって、(TV版から何回も同じ事をしてるってのも含めて)その最たるのが
Qからのミサトさん。息子にやってる事が完全にシンジに対するゲンドウやん。
あと、ケンスケが加治さんっぽい。これはストーリー上、加治さんがおらんからか?
なんしか、同じようなシーンを出すって事はかなり重要やと思うんやけど、ミサトさんと息子、ゲンドウとシンジ、加治さん(ケンスケ)とアスカ。
親と子、もしくは男と女。
アダムとリリス……。
話が逸れた。
俺が言いたいのは、何重にも同じ事を繰り返すなら、1シーンで何重もの意味を持たせる事もするんじゃないかなって事なんです。
カオル=ゲンドウって書いたけど、カオルをゲンドウと同一と考える訳じゃなくて、カオルとレイを使ってゲンドウとユイを表現したと俺は解釈してます。
そして、ラストでカオルに救いの言葉を与えた加治さん。
「彼もカオルの中にいるのでは?」
とも思うのです。だからあの会話が存在するのではないかと。
と言う事は、カオルとレイは加治さんとミサトさんでもあるかも知れないし、加治さんとアスカ、ケンスケとアスカを投影しても良いと思うんです。冬月とレイでもOKですよ。
見る側が思い描く二人を重ねれば良い。と、俺はそう思います。
もしかして、アダムとリリスって人もおったりして。
…
…
…ん?ここで疑問。
アダムの魂って、カオルくんに入ってるよな?
リリスの魂ってどこにあんの?
「リリスの魂」
検索検索ぅ!
レイ!
え?レイに入ってたんか?知らんかった。
あながちラストのカオルとレイがアダムとリリス説、間違いじゃないかもな。
けど、何か腑に落ちへん。
アダムとリリスって語呂がよろしくないし、アダムとイブやろ普通。
……エヴァと聖書は一緒じゃないのはわかってます。
けど、やっぱりみんな知ってんのは、
「アダムとイブ(エヴァ)」
な訳です。
カオルとレイがゲンドウとユイを暗示してるなら、アダムとリリスよりアダムとエヴァのがしっくり来るのです。
エヴァ初号機の中にはユイの魂が入ってる訳やしね。
そして、聖書ではアダムとイブから生まれたのが人間です。
あのラストは、碇シンジが人間になったという暗示なんじゃないでしょうか?
『碇シンジは神になった。』みたいな考察もありますが、俺は彼がそんな手の届かないものになったとは思えません。
エヴァンゲリオンのストーリーを経験する事でシンジは人間になった。と俺は思うんです。
「シンジは元から人間やろ!」って思うかもしれませんが、TVシリーズからのヘタレで人の目ばっかり気にして、言いたい事もろくに言えず父親に従うシンジは、自分を出す事のない操り人形みたいな存在やったはずです。
それが、エヴァンゲリオンのストーリーを経験して少しずつ自分の足で進む事を覚え、責任を持つ勇気、自分を認める強さを手に入れて来た。
それをサードインパクト後の世界で再び再現してるのがシンエヴァです。ここでもストーリーが二重構造になってる訳です。
ラストでシンジは、カオル(ゲンドウ)とレイ(ユイ)とは違う方向に向かう電車のホームにいます。
そして、その駅の改札を出て、開かれた世界へと歩き出します。
親に敷かれたレール、しがらみ、価値観なんかから抜け出して、自分で進んで行くんです。
人間になったと言うか、1人の碇シンジになった。
大人になったと言うほうがわかりやすいんかな?
けど、あえて人間になったと表現したのは、シンジはきっとリリンから人間になった。リリンの世界からこっちの世界に、アダムとイブの世界にやって来たって意味も含まれてるんじゃないかなと思ったからなんです。
それは、エヴァンゲリオンを見てきた人達をシンジと重ねたから。
俺たちは、リリンの世界からこっちの世界へ戻らなければならないから。
カオルとレイ、アスカのいるホームはリリンの世界へ向かうホーム。シンジがいるのはこっちの世界側のホーム。改札を抜け、開けた世界へ踏み出すシンジ。
それは、庵野監督から俺達に突きつけられたエヴァンゲリオンからの卒業。
金八先生で言うと、生徒一人一人に漢字の一文字を送るシーンなんですよ!
シンエヴァの評価が分かれるのは、その漢字がしっくり来なかった、意味がわからなかったから。
「こんな漢字送られても楽しく卒業なんて出来へんわっ!」
って思う人もいるでしょう。
けど、その漢字の解釈……シンエヴァのラストの解釈は、自分の思う解釈で良いのでは?と、今は思っているのです。
なぜなら、シンエヴァで説明されていない部分は、一人一人がエヴァから卒業するために必要な、何を書き込んでも良い余白なんじゃないかと思うからです。
もちろんそれでも卒業出来ない、卒業したくない人もいるでしょう。
けど、安心してください。ホームを渡れば戻りの電車も用意されているようです。
もう一度ストーリーを体験し、ストーリー内の余白を集めて、新しい解釈を見つける事も出来るはずです。それを持って卒業出来る人もいるでしょう。
一旦卒業しても、こっちの世界が苦しい時は戻れば良いとも思います。庵野監督が残した逃げ道です。
なんなら卒業せずにリリンの世界に入り浸る事も出来ます。オススメはしませんが。
……いつか、もしかしたら他人が集めた余白で作ったエヴァンゲリオンを見る事で卒業出来る人もいるかもしれませんね。
つまりはそんな想いを詰め込んだからこそ、ある一定の人数には響かないラストにもなった訳で、でも、その響かなかった人達にはもうエヴァンゲリオンは必要なくて、裏を返せば無事エヴァンゲリオンを卒業出来た人達でもあるんですよね。
庵野監督からしたら不本意やろうけど。
……俺はどうやろう?
……卒業出来るかな?
……
……いや、まだ卒業出来へん。
……俺は、シンエヴァの3時間分のストーリーをまだ理解出来てない!
逃げちゃダメだ!!
「真希波マリ」
俺、ラストシーンにシンジ側にいる彼女を全く書いてない。
彼女が何者かわからんから。
でもさ、あのラストシーンでカオルがアダム、レイがイブなら、リリスは誰なのさ?
残るはアスカかマリやねんけど。
アダムがイブを選べば、取り残されるのがリリス。そう考えたら、カオルとレイと一緒のホームにいたアスカがリリスか?
そうかも知らん。
アスカの出生の辺りは余白や。式波は特に。式波のオリジナルが惣流・アスカ・ラングレーなら、もう時空が歪みまくって逆に面白いけど。
リリスの魂がアスカに入ってるからシンジ、加治さん、ケンスケと……?なんて深読みも出来る。
けど、真希波マリもありえなくはないよな?
もし、仮にマリの中にリリスの魂が入ってたとしたら?
シンジと一緒にこっちの世界に来た真希波マリは、リリンからしたら自分達を捨てた裏切り者の母親って事になれへん?
……イスカリオテのマリアやん。怖っ……。
しかも、聖書でイブに知恵の実を食べさせた蛇ってリリスの化身やねんよな。それでアダムとイブは楽園を追われた訳で……。
さらに言うと、リリスはアダムの元嫁で、嫉妬からエヴァに知恵の実を食べさた。
詳しくはわからんけど、真希波マリは大学でゲンドウとユイ、冬月と同級生やったみたいやし、ゲンドウと何かあったかも知らんよな?
年齢が合えへんのも、アダムの魂を持ったカオルみたいに、リリスの魂を持ってたって事なら納得出来るし。なんせ、エヴァの世界では人間は皆リリンなんやから、使徒にアダムの魂が入ったカオル(人間の遺伝子も入ってるけど)とリリンにリリスの魂が入ったマリは大体同じような存在やと思うし。
本編で、使徒はアダムを探してるけど、アダムが見つかれへんからリリスをアダムと思ってジオフロント目指してるって話あったもんな。
アダムもリリスも、まぁ大体同じ存在と俺は解釈してます。
…………待てよ?この考察って最悪な事態じゃない?
父親をたぶらかしたかも知れないリリスが、息子にくっついてこっちの世界に来てしまったって事になれへん?
シンジに待っている未来は栄光か破滅か?
これはまさに、
「続くっ!!」
って感じのエンドやん!
これはこれでエヴァンゲリオンのラストにふさわしい捻られたエンドかも(笑)
ちなみに、マリの「にゃー。」が気になって、
「聖書 ネコ」
で検索してみました。
結果、聖書にネコはほとんど出演しておりません。
理由は、ネコを神と崇めているエジプト人がユダヤ人を奴隷にしたから……とか。
キリスト教の外にいる神って事かな?
って事は、エヴァンゲリオンにおいての真希波マリも、もしかしたらリリスではなく、エヴァンゲリオンの世界の外にいる存在なのかも知れませんね。
真希波マリはリリスか猫神か?
どっちでも面白いけどね。
……あれ?色々検索してるうちに、俺、なんとなくワードも理解して来たみたい。さあ、もう1回シンエヴァ見よかー。
「卒業出来るその日のために……!」
あなたのシンエヴァを教えて下さい(笑)