第三話 雹の親友との再会
ずっと眠っていた。
光を探すより、光を待った方がいいと判断して。
この氷で自分を凍らせてから、200年ほどだろうか。
ぺたり、と氷に触れた手に、どくり、と心臓が脈打った。
――光だ。
氷が解けるのを感じる。……やっと、来てくれたんだ。
「おはよう、光。待ちくたびれたよ」
「おう、おはよう雹。……で、俺が愛しい人ってどういうことだ?」
…………ああ、ウィアの仕業か。
「どういうことも何も。その通りだよ、僕の大好きな女の子」
「……知ってたのか」
驚いたという気持ち半分、やっぱり……という気持ち半分、という顔で溜め息をつく光に、僕は「もちろん」と笑う。
「ちゃんとした告白、したかったんだけどね」
まったく、あの有能なのかポンコツなのか分からないエルフめ。あとでデコピンしてやろう。
「えっと、さ」
「うん?」
「こんなタイミングで悪いが……俺も好きだぞ、雹」
…………え。
「え!?」
「お前が好きだって気づいたのは、旅の途中……お前を探して居る途中だったんだけどな。……同じ想いを返されるのって、嬉しいもんなんだな」
本当に嬉しそうに笑う光の頬は、赤く染まっていて。
夢じゃないか、と思うほど、嬉しかった。
「光……」
「雪川雹さん。私と、お付き合いしてくれませんか?」
「ふふ。喜んで!」
笑顔で差し出された手を取って、光に抱きついた。
「すみません、そろそろ気づいてくれませんか……」
「あ」
「……ちっ」
側近の情けない声に、はっと光が我に返る。
最初から彼女が居るのには気づいていたけど……側近なら空気ぐらい読んでほしかったよ、もう。
「すまん、忘れてた」
「だろうな……。ヒョウ様、お久しぶりです」
「そうだね、ウィア。……今まで守ってくれて、ありがとね」
「……っ。勿体ない、お言葉です」
「ふふ。これからは僕と光を元の世界に返すために協力してもらうからね」
「はい!」
補足コーナー
・という訳でプチギミック、「光は男装女子でした」!
流石に高校側には本当は女性だと伝わっているが、クラスメイトも含めた生徒たちはまったく気づかず、光を男性だと思って接している設定。
生徒で気づいているのは雹だけです。
・側近エルフ(ウィア)
フルネームは「ウィンカシュア・ヴァンリーベ」という女性です。
男装しているので光は気づいていませんが、女性です。
基本はくっころ女騎士イメージ(←おい)の口調ですが、主である雹と、その恋人である光には丁寧な敬語で接します。
たまに間違った思い込みで暴走することがありますが、普段は有能なエルフ……という設定。