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疑問と追求

「水が、閉ざされてる……? それ、本当?」

「本当本当」


 コハクに言われたリアは、しまった、といった表情を浮かべた。


「だったら、殺してまで止める必要は無かったかも……失敗した」

「まあでも、そのことを知らないのは、あの兵士たちも一緒だっただろうし。

 そうなったら毒がある場所にあの水を流して全員を殺してしまっていた可能性もあるし――」


「それ、おかしくない?」


 コハクが、僕の言葉を遮った。

 それは、本人も無自覚に、言った言葉だったのかもしれない。


 気付いたことに驚いて、その内容を早く言葉にして、周りにも共有したいような……そんな空気を感じた。


「閉鎖されている湖が毒で満たされてるのは分かる。

 でもリアにしてみたら、そのまま流してもらった方が、いい感じに復讐心が満たされるんじゃないの?」

「違う。私は、自分にある罪の意識をさらに植え付けたくなかった。

 だから、その場では止められる方法として、殺して、止めていた」

「そんなあなたが、自分の集落のトップを倒せたの?」

「あ……!」


 そうか。

 あの広場にあった水溜りの中には当然、滝側のトップがいたことになる。


「わたしが広場に行った時、確かにトップの人がいた。

 その人にリアを引き渡したんだから間違いない。

 でも、ここにいないってことは……あの中に“在る”ってことよね?

 ……倒せたの? あなたが」

「…………」


 リアの雰囲気が、変わった。

 その問いかけが、方法ではなく、心情を指しているものだと、理解できるからこそ……よりその壁が分厚いことを、物語っている。


 思わず、少し、後ずさってしまう。


「毒を撒いた罪悪感をこれ以上刺激したくないってのは分かる。

 だから、ここの集落の人達を殺して、湖に流そうとしていたトップを殺そうとした。

 そうなるのは分かる。

 確実に、不意をついても殺されるだろうあなたのことに目を瞑れば。

 ……ねえ、リア。

 あなた何か、隠してるよね?」

「…………」

「姿を人間状態じゃなくして、最大限の防御を発動していたトップを殺した。

 その方法を隠してるの?

 それとも……。

 ここに連れてくる時に持っていた、あなたの毒の小瓶を全く見せないことを、隠してるの?」

 ヤバい……また方向性が変わってるような、するつもりなかったような話書いてる感じする……。

 あ~……でもこれは止まらない感じしますわ。

 相変わらず失敗してますな~……。

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