水源地の湖
ついにこの日が訪れてしまった……。
先の先は思いついているのに、そこに至るまでが書けない現象が……!
とりあえず、今日一時間で書けたのはここまでなので、明日コレを修正する形でいつもぐらいの文量まで完成させます。
その際はサブタイトルの「(仮)」を外しますので。
追記:2019/09/12 1:30頃、無事修正終わりました。
水源になっている湖まで、片道六日。
つまり往復の日数で、僕がやってきた山頂から家までの距離となっている。
こう考えるとそこまでの距離には感じないけど、僕が元々いた世界基準で考えるとかなりの旅路となる。
僕は、僕が出来ることをやって、キリーさんを補助しながらその目的地へと向かった。
具体的には、キリーさんが休むタイミング以外では歩き続け、夜も一人で起きて見張りを行った。
キリーさん曰く、湖の周辺はそこまで危険な魔物も動物もいないから、そこまで警戒する必要はないらしい。
それでもまあ、やっぱり念の為にと気を張って見張りを続けたのだけれど。
……ただ冷静になって考えれば、キリーさん程の実力者なら、僕が警戒していない状況で誰かや何かが近づいてきたのなら、普通に起きる気もする。
ちなみにだが、僕の服装はとっくに入院着ではなくなっている。
妹さんが、自分とキリーさんのいらない服を上手く繕って、男性である僕の服に仕立ててくれたのだ。
少し女性っぽいらしいのだが、元の世界のファッションにすら疎い僕が、そういったことが分かるはずもない。
線が細いから流用できた、と言ってくれたけど、きっと男性としては喜んではいけないことなんだと思う。
もう慣れきっていて何も思わなくなっているけれど。
「そろそろだけど……アキラ、大丈夫?」
「え? はい」
急に心配され、ちょっと驚く。
「もしかして、歩くペースが遅かったですか?」
「違う。いつも通りに見えるけど……気のせいか、ちょっと顔色が悪く見えて」
見抜かれて、さらに驚いた。
「あ~……でも、身体に異常は無いんですよね~」
でも、嘘をついた。
いや、本当に、身体には異常がない。
それこそ元々の世界みたいに酷いのを体験していると、生半可なことじゃあ大丈夫な気がしてきてしまう。
だからこの頭痛は、僕にとって生半可なことなのだ。
ずっと寝ていないからこの鈍い痛みが続いているのは間違いない。
寝不足だろう。
それは分かる。
分かるが、だからといって、眠れない状況ではどうすることも出来ないように思う。
キリーさんもきっと、旅の間は熟睡してはいないだろう。それでも多少眠れているからか、辛そうには全く見えない。
その“多少”が、僕には出来ない。
眠れないということの弊害が、まさかこんな形で現れるとは。
もしかしたら僕がこの世界にいれる限界は、寝不足を耐えられるまでになるだろうか。
それならせめて、倒れるのは、妹さんの薬を完成させてからにしなければいけない。
「そう……。
でも、無理になったらすぐに報告してね」
「分かりました」
妹さんを助けることが出来る唯一の存在だからか、気を遣ってもらえた。
本当に報いなければ。
「じゃあ……ここが、話してた湖よ」
前を歩いていたキリーさんが立ち止まり、身体を横にして前を見せてくれる。
獣道だと思わせるような、道の左右に身長ほどの草が生い茂っていた、草を踏み均すことで道としていただけのような場所が、一気に開けた。
湖、と聞いて頭の中に浮かんでいたのは、大きな水溜りのような光景だった。
少し目を凝らせば対岸が見えるような、そんな場所。
でも、そんな想像の規模が、本当に小さいことを思い知らせた。
それほどまでに圧巻させられた。
目の前に広がる大きな湖に。
海すらも見たことがないが、きっと海もこんなものなんだろうなぁ、と思わせられる。
対岸は元より、右を見ても左を見ても、ただただ同じ光景が広がるのみ。
森に囲まれた広大な水場。
水源となっているだけの大きさなのだから、冷静になって考えれば、これぐらい大きくて当たり前だった。
「…………っ!」
自分で、自分の息を呑んだ音が聞こえた気がした。
何故か、波が引いているような、水の流れの音が聞こえる。
静かで、鳥のさえずりと、その水の音しか聞こえない幻想的な景色に……改めて、僕は自分が異世界にいるという事実を、認識させらされた。
前書きでも書いた通り、明日はコレを修正する形で更新します。
追記:2019/09/12 1:30頃、無事修正終わりました。