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病弱少年の異世界転生~やれなかったことをやるための物語~  作者: ◆smf.0Bn91U
プロローグ:世界に留まるキッカケを
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準備と検証

 セリフ付きでやろうとしてたことを独白だけで終わらせる荒業(手抜きとも言うかもしれない)。

 あれから、十日経った。


 それまでの間、僕とキリーさんとで、妹さんがいつも飲んでいる薬を大量に量産した。


 ここに書かれているものは、どれを作ろうとも丸一日火にかけて、中身を見ている必要がある。

 おそらく昔の参照術は、複数の人間で作るのが基本となっていたのだろう。今の魔法のような参照術に比べて本当に不便だ。


 尤も、僕の身体が寝なくて大丈夫なものになったおかげで、その辺はパスできるのだけれど。


 キリーさんもキリーさんで、ランプの火を参照術で三つ灯したままでも寝れるので、火が止まることも無かった。

 ……とはいえ参照術使いのほとんどは、旅をしている時の野営時に警戒するためにもと、寝ていても参照術を発動し続けられるように訓練するらしいのだが。


 なぜ、そうまでして薬を作ったのか。


 それは僕とキリーさんが出かけている間、毎日この薬を飲んでもらって、その日に蓄積される反動を自分で解除してもらうためだ。


 出来れば参照術を使ってもらわないほうが良いのだが、日常生活に根付いてしまった参照術を使うなは無理がある。

 そのための苦肉の策だ。


 身体が満足に動かなくなってからでは、参照術を使うのも一苦労する。

 僕が訪れた日のように、ベッドに座っているのがやっとの状態になってしまっては、二つの属性を混ぜ合わせた参照術は全く使えなくなるらしい。


 だから、毎日だ。


 幸いにも無味無臭になった訳だし、本人も苦労しないだろうとのこと。


 ……今まで参照術が原因だとは考えていなかったからこそだ。

 理由も分からず身体が動かなくなっていたという状態からの脱却は、新たな対策を講じる理由付けにもなった。


 もちろん、本を見せて話したその日に、信じてもらえた訳じゃない。


 この十日間、もし言ってることが本当なら、という前提で色々と準備しつつ、姉妹二人で検証してくれた。

 毎日参照術を使うことで。


 その結果はもちろん、体調を崩した。

 四日目には水を運んでいる時に力が抜け、倒れてしまったらしい。

 その間僕はずっと工房に籠もって薬を作っていたので話を聞いただけだが……。


 そして今日──十日目。

 倒れてから六日経った今、今度は逆に全く参照術を使わないように生活をしていると、身体の不調は起きなかったとのこと。


 ただやはり、元々の蓄積分があるせいか、発熱と体のダルさは出てきてしまったようだが……それでも、突然力が抜けたり、気力が消失したりなんてことはなかった。


 キリーさんと妹さん、二人のおかげで、あの本は信用できるものと証明できた。


 だから今日、僕はキリーさんと再び旅に出る。


 妹さんを治すことが出来るだろう、本の最後の方のページに描かれていた薬を作るための材料を、採りに行くために。

 しかし、こういう方式にしたおかげで、明日でプロローグ部分は終わらせることが出来そう。

 本当に長過ぎましたよね……そりゃ読んでる人も離れるって話ですよ。


 もうちょっと余計なことを削りながら書く癖が欲しいです。

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