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病弱少年の異世界転生~やれなかったことをやるための物語~  作者: ◆smf.0Bn91U
プロローグ:世界に留まるキッカケを
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混ぜながら出来ること

「でも半日間混ぜ続けるのは良いんですけど、このランプって半日間点いてるんですか?」

「問題ない。

 上から押さえつけて火を消そうとしたり、私が参照術を解除しない限りは消えない」

「それって……燃料的なものとかも大丈夫なんですか? その……キリーさんの根本のようなものが使われていったりとか……」

「そういうのは無い。あくまでも今、そのランプの中身と私の根本が『燃える』ことで同じなだけ。

 でも私の根本は燃料などで『燃える』ものじゃないから何も起きなくて、その石は元々が火属性だから『燃える』だけ。

 その液体もあくまで、火の勢いを強くしすぎないようにする調節役みたいなもの」


 つまりこの液体は、アルコールみたいに燃料として消耗していくものではない、と。

 ……ってことは実質、この世界の燃料って枯渇することないってことじゃ……? すごいな……。


「ちなみにだけど、温泉水を持って帰ってくる時も、参照術を使って腐るのを遅らせてた。

 さすがにずっとは出来ないから、この部屋に持って帰ってきてからは解除して、氷の地下室に入れて保管してる」

「氷の地下室?」

「水属性の参照術が得意な友達にいるの。その子に報酬と引き替えにね」


 冷凍庫みたいなもんだろうか……? ってことは使ってる温泉水がそれなりに生温かったのは、火の参照術で温め直したとかだろう。

 なんか、よくあるファンタジー世界かと思ってたけど、文化レベルが十分高い気がする。


「キリーさん、何かこう、参照術について書かれてる本とかありませんか? どうせだから勉強しておきたくて」


 時折かき混ぜるだけなので、何も集中してこの大きなガラス容器の中身を見ておく必要はない。

 温泉水とミルクが半々のものを無理矢理九:一にしたせいで、かなりの量になってしまった。

 おかげ様でランプも三つ使うことになったが、だからといってやることが増える訳でもない。


「……そういう子供向けなものはこの部屋にはない」


 こ、子供向けなのか……。


「それにそういうことなら、私が教えられる。

 あなたは他にも、そのあなたしか読めない本とかを読んでいって欲しい」

「……分かりました」


 まあ、言われてみれば確かにそうだ。

 子供が学ぶようなことを改めて目の前で勉強されるぐらいなら、妹が助かるかもしれない、自分が読めない本を読んでもらったほうが良いに決まってる。

 分からないことはキリーさんに聞けば良いだけだし、コチラとしてもその方が話すキッカケにもなる。


 という訳で、さっきはパラパラと捲って飛ばしてしまった、本の最初の方から目を通していく。


 時折容器の中身をかき混ぜるのも忘れない。

 グツグツと小さく煮込み続ける音は料理を思わせるが、色はホットミルクのようなのに、匂いはちょっと鼻につく。

 料理とは程遠い。


「……ん?」


 この最初のページの三種類……今からでも作れるかも。


「キリーさん。ランプって他にもありますか?」

「あるけど……あと二つしかない」

「じゃあ、それをお願いします」

「どうしたの? 何か間違いでもあった? 火力が足らない?」

「いえ、この作業をしながらでも、できそうなことがあったので。早速試してみたいんです」

 ヤバい……しばらくこんなシーンが続きそうならマジでヤバい。

 設定厨の悪いところが出てるからな……削れそうなら削りたいが……。

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