#09【コラボ】番組収録に参加してみた! (2)
【前回までのあらすじ】
ナイトテールがバズった事に戸惑う桐子。
テスト勉強に集中しなくてはいけないのに、気になって仕方がない。
ようやくテストも最終日、
灰姫レラとして配信を再開する気力に満ちているけれど――。
「はい、時間です。ペンを置いてください」
試験監督の先生の声をきっかけに、諦めの呻きと開放のため息が教室の静寂を破る。
中間テスト最終日最終科目。
桐子が寝不足を抱えて挑んだ数学の解答用紙が回収されていった。
「これでテスト日程は全て終了です。今日は部活も無しですが、遊びに出てハメを外しすぎないように」
軽い注意だけで古文の先生はテスト用紙の束を抱え、教室から出ていった。
「やっと終わりましたぁ……」
全てを使い果たした桐子は重力に逆らえず机に突っ伏す。天板の冷たさがオーバーヒート気味の頭を冷やし、消しゴムのカスがペタペタと額に張り付いた。
「お疲れ様、手応えはどうだった?」
「えっ、あっ、一応ですけど全部の解答欄は埋められました」
河本くんに話しかけられた桐子は、額にくっついた消しカスをこっそりと払いながら顔を上げる。
「それなら良かった。体調が少し悪そうだったから、そのせいで試験勉強の成果が発揮できなかったらもったいないからね」
安心する河本くんだったけれど、勉強を教えて貰った桐子は少しバツが悪い。
「ただの寝不足です……。そ、それより、河本くんはどうでしたか?」
「うーん、ぼちぼちかな。5問目の組み合わせのとこで計算間違いしてるのに、いまさっき気づいたとこ」
情けないと苦笑する河本くんだったけれど、桐子は5問目がどんな問題だったかもうあやふやだ。学年トップレベルとの明確な差に、空笑いも出てこなかった。
「とにかく、テストが終わったのでやっと活動が再開できます!」
やる気だけでもと、桐子は元気を絞り出す。配信ができなかった鬱憤はもちろん溜まっているけれど、それよりも何かに追い立てられている『焦る』気持ちが強かった。
「それなら早速、香辻さんに――」
「やっとテスト終わったねー。二人ともできた?」
さっぱりとした表情の夜川さんが、手を上げて話しかけてきた。
「ぼちぼちかな」
「ギリギリです」
「あたしはまあまあ」
数学のテストに知能を吸収されてしまったような受け答えに、三人は顔を見合わせて小さく笑う。
「でさー、テスト終わりのとこで悪いんだけど、ちょっち相談したいことがあるんだよね」
「かまわないけど、何かな?」
河本くんが快く応じる。心当たりはないようだ。
(もしかして昨日のショコラ先生となにか関係が?)
声に出さずにいぶかしがる桐子だったが、夜川さんは気づかない。
「歩きながら話そっか」
スクールバッグを手にした夜川さんが帰る素振りをみせると、女子のグループが彼女に向かって手を挙げる。
「愛美ー、カラオケ寄ってこ」
「ごめーん、今日はちょっと別の用事があるんだ。また今度ねー」
バイバイと手を振る夜川さんが、桐子と河本くんの二人を促す。珍しすぎる組み合わせにクラスメイトたちの注目を集めてしまった。
別に悪い事していないはずなのに桐子は申し訳ない気分になって、微妙な会釈でクラスメイトの視線に応えた。
テストが終わった開放感から軽い足取りの生徒たちに混じり、三人は駅へと足を向けていた。
「あたしさ、ネット番組に出ることになったみたいなんだよね」
「えっ、ええええええっ!? な、なんで?!」
何の前置きもない夜川さんの告知に、心の準備をしていなかった桐子は周りの生徒たちが振り返るような大声を上げてしまう。
「姫神クシナちゃんと話してたら、なんか流れで決まっちゃった」
「ちょっ、えっ? 姫神クシナちゃんって? え、あのハイプロの?」
「そそ、金髪でちょっとウェーブかかった髪の長い」
夜川さんは自分の髪をなぞるようにして、手をひらひらと動かす。
ハイプロことハイランダープロダクションは、超大手のVチューバー専門の事務所だ。多数の人気Vチューバーが所属していて、ライブなど積極的にイベントを開催している。個人で知名度ナンバー1がアオハルココロちゃんなら、企業としての知名度ナンバーはハイプロだ。
姫神クシナちゃんはそのトップVチューバーだ。アイドル的な活動だけでなく、普段のゲーム実況での親しみやすさで人気がある。
「おふっ、お二人はどういった特別なご関係で??」
親しげな様子に桐子は、動揺して口調がおかしくなる。
「あははっ、LINE交換したぐらいだよー。寝る前に話したり、ふつーふつー」
寝る前に誰かとLINEで話すことが普通だとは到底思えない桐子は驚愕して言葉を失う。冗談で「てぇてぇ」なんて言う余裕もなかった。
常識を破壊されて動けない桐子に替わって、河本くんが話の軌道修正をする。
「とりあえず、おめでとう。どんな番組かもう分かってる?」
「なんかVチューバーのアニメが始まるから、その番宣だって。タイトルは…………えっとメール来てたけど……」
夜川さんはスマホでメールを確かめようとするけれど、それよりも早く桐子が声を上げる。
「それってVチューバー日常系『五月女さん家の』ですか?!」
「あ、それそれー」
よく分かってないのだろう夜川さんの代わりに、桐子の声のトーンが数段あがる。
「凄いことですよ! 地上波のドラマ枠でVチューバー番組ですよ! だから、番宣でも大注目されているんです! それに出演できるなんて、Vとして飛躍できる大チャンスですから!」
「へー、そうなんだ。楽しそうだから受けちゃったけど、結構大きな話だったんだ」
「そうですっ! 私もコメントでいっぱい応援しますから、頑張ってきてください!」
「灰姫レラちゃんも一緒だよー」
「……へ? 何がですか?」
「香辻さんも灰姫レラちゃんとして出演するんだって」
当然のように言った夜川さんはスマホの画面を印籠のように突き出す。
番組からのメールの出演依頼には『ナイトテール』に並んで、『灰姫レラ』の名前が確かにあった。
「な、な、な、なんで? 名前が? え、ドッキリ?」
「ドッキリじゃないから~。クッシーと灰姫レラちゃんの話になって、リアルで知ってるよーって言ったら是非呼ぼうってなったんだよねー」
それこそカラオケに友達を誘うような夜川さんの感覚に、桐子はついていけなかった。
「あの、河本くんはどう思います? やけに落ち着いてますけど……」
衝撃的な展開にもまるで驚きを見せない河本くんに、桐子は意見を求める。
「二人ともネット上で人気になってるから、驚きはしないかな。灰姫レラはアオハルココロとのコラボが衝撃的だったし、ナイトテールはリアルの女子中高生からの支持が高いって、これまでのVチューバーにはないバズり方だからね。注目を集めたい番宣番組ならぴったりだと思う」
プロデューサーらしい河本くんの言葉に桐子も納得するしかなかった。
「そ、そういえば、ナイトテールちゃんはマフィン先生の昨日の配信に出てましたよね」
白々しい言い方になってしまう桐子だったが、二人とも気にしていないようだ。
「香辻さん、コラボ配信見てくれてたんだ!」
「あ、すみません……」
「なんで謝るの? めっちゃ嬉しいよー!」
包み込むような笑みの夜川さんを前に、桐子は湧き上がる恥ずかしさを飲み込もうとした。
出演依頼のメールを読み終わった河本くんがスマホから顔を上げる。
「ナイトテールのチャンネル登録者数5万人を超えたね」
灰姫レラの5倍以上だ。
「5万って、全然実感わかないなー。ホントたまたまなんだよね」
「恋愛相談でバズったのは偶然が重なってだとしても、その後も毎日配信を続けてるから、見てくれてる人が順調に増えてるんだよ」
「毎日っていってもさー、みんなから質問とか貰って、適当にダベってるだけなんだよね。そんな配信でも見てくれる人がいて、あたしも楽しんでる。ウィン・ウィンってやつ」
夜川さんはダブルピースを作って、指先をクイックイッと曲げてみせる。
屈託ない笑みから、桐子は逃げるように視線を逸した。
(そうだ、5万人おめでとうって言わなくちゃいけないのに……)
言葉が出てこない。9000人の自分とどうしても比べてしまって――。
「香辻さん? もしかして、番組出るの嫌だった?」
濡れた子猫みたいな表情の夜川さんが、黙り込んでしまっていた桐子を見つめていた。
「あっ……ち、違います! 面白そうな番組に誘ってもらえて、とっても嬉しいです! 光栄です!」
(こういうところなんだろうな……私と夜川さんの差……)
精一杯に強がるけれど、胸のもやもやは晴れない。それでも夜川さんを安心させるだけの効果はあったのか、彼女はホッと胸をなでおろす。
「よかった~。灰姫レラちゃんも一緒なら心強いもんね! あ、もちろん河本くんもだよ。番組出演とか、どうしたらいいか全然わかんないもん」
話を振られた河本くんが分かってると苦笑気味に頷く。
「分かった。僕がマネージャー的なことをするよ。二人が番組に集中できるようにね」
「さすが話が早い! 河本くんがマネージャーって心強いよねー、香辻さん」
桐子の手を握って喜ぶ夜川さんには、桐子も頷くしか無かった。
「はい、ですね……」
(マネージャー……そうだよね、河本くんは灰姫レラだけのプロデューサーじゃないし……)
浮かんでくる自分勝手なわがままを振り払うように、桐子は小さく首を振る。そんなことをしても心に滲んだ黒い染みは消えないけれど、二人を前に誤魔化す役には立っているようだった。
「時間あるなら、秘密基地で詳しい話をしようか。似たような番組のアーカイブがあるから、それを見ながら説明するよ」
話してる間に、もう最寄り駅が見えてきていた。
「助かる~。いろいろ教えてね、河本くん♪」
嬉しそうに言う夜川さんの横顔を、桐子は見ていられなかった。。
「香辻さんは時間大丈夫?」
気遣う河本くんの声に、桐子の反応が少しだけ送れる。
「あっ、す、すみません! 私! 今日、その、用事があったんです! 買い物があって、ご飯をつくらないといけなくて。夜の配信までに、全部終わらせないといけないんです! ごめんなさい!」
一方的にまくし立てた桐子は、河本くんの目も見ずに頭を下げる。
「うん、分かった。それじゃ、詳しいことが決まったらかメッセージを送るよ」
「はい、それでは失礼します」
他人行儀に言って、もう一度頭を下げた桐子はそのまま二人の方は見ずに踵を返す。駅ではなく、スーパーのある方へ。
「香辻さん、またね~」
背後から聞こえてくる夜川さんの声に、追い立てられているかのように桐子の足は速まっていった。
帰宅した桐子の手には、一リットルの牛乳パックが入ったビニール袋が下げられていた。
冷蔵庫には開けたばかりの牛乳パックがすでに一本ある。妹の紅葉とお母さんはフィギュアスケートでしばらく海外だ。お父さんはほとんど牛乳を飲まないので、計2リットルの牛乳は持て余してしまう。
(カップケーキでも作ろうかな……)
独りで食べるだけではつまらないし、お父さんは甘いものはあまり好きじゃない。秘密基地に差し入れを持っていったら河本くんと夜川さんは喜んでくれるだろうか。それとも困らせてしまうかも……。
(お菓子なんて作ってる時間があるなら、もっと配信しないと)
犬のテンちゃんと猫のノラちゃんの水を交換して、餌やり機をチェック。最低限の家事だけを済ませてから部屋に向かった。
(配信の準備しないと)
パソコンの電源をつけて椅子に座り――。
(あれ……配信ってなにやればいいんだっけ?)
ただ配信をしなければとツイッターで時間を告知だけだして、企画は何も考えていなかった。
(テスト勉強しかしてないから話すこと無いし、ゲームもなにやったらいいか分かんない……)
やる気はあるはずなんだけれど、企画は何も浮かばないし、サムネイルを作ろうとしても手が動かない。
(疲れてるのかな……テストが終わったばっかりだし)
気づくとツイッターのタイムラインを遡ったり、Vチューバーの切り抜きを見たりと、無駄としか思えない時間の使い方をしてしまっていた。
そうやって時計の針が進むほどに、溢れていたはずのやる気が蛇口を締めたかのようにチョロチョロになっていた。
(もう7時過ぎちゃって……そうだ、今日はアオハルココロちゃんの配信があるんだった)
大好きなアオハルココロちゃんの配信を忘れたことなんて今まで一度もなかったのに、やっぱり疲れてるとしか思えない。そうやって納得しながら配信ページを開く。
『さーてと、面倒な告知はここまで。次は〈放課後放送室〉、略してホウホウコーナー。みんなから貰ったお便りを読んでいくから、うん、そういえばこのコーナーも久しぶりね』
切り替わった画面は、3Dの放送室でアオハルココロちゃんが机を4つ寄せて作った簡素な放送席に座っている。テーブルの上にはマイクと手紙の山がのっていた。
アオハルココロちゃんがその手紙の山に手を突っ込み、一枚の手紙を取り出す。
『フジツボさんからのお便りです。はじめまして、私は都内の大学に通っています。同じゼミの先輩院生を好きになってしまいました。でも、彼は研究ばかりにのめり込んでいて、私のことを全然見てくれません。ゼミの飲み会に誘っても断られてばかりです。どうしたらいいでしょうか?』
読み終わったアオハルココロちゃんは、真剣な表情で深く頷いて――。
『知るかっ! やりたいことに真っ直ぐな人の邪魔するなって話』
ばっさりと切り捨てるアオハルココロちゃんの言葉に、視聴者も大いに盛り上がっていた。
『正直、この手の恋愛とかどうでもいいよね。実践テクニックみたいのが欲しいならナイトテールちゃんのとこにでも送って下さいっと』
コメント欄では〈丸投げw〉や〈久しぶりのふつおたでコレw〉など、みんなは楽しんでいたけれど、桐子は違った。
(アオハルココロちゃんも夜川さんの配信みてるんだ……)
身体が石像になってしまったかのように重くなり冷えていく。その中で目頭だけが熱くなっていた。
殻から魂が抜けていくような不安感は、引きこもっていた頃に襲われたアレだ。
(違う……もう、あの頃の私じゃないんだから……灰姫レラなんだから……逃げない……)
歯を食いしばった桐子は、登録チャンネルから『ナイトテール』を選びブラウザの画面を切り替える。
(トップの画像からもう、いいセンスだ……)
2Dモデルで感情を表すナイトテールの尻尾が、ハテナ・ハート・ビックリ・ハテナの形で3つ並んでいる。表現はシンプルだけれど、三色カラーに塗り分けられていてポップさが目に気持ちいい。
動画のサムネイルもよくあるVチューバーとは違う。普通は2Dモデル(変顔)とタイトルで作るところを、モノトーンの英字だけにしたり、宝石と花を散りばめた宝箱みたいにしたり、ブランドのロゴやCDのジャケットのようにセンスがよくて、目を引くものになっていた。
(視聴回数……どれも6万回を超えてる)
本数自体はまだ少ないけれど、平均視聴回数なら人気Vチューバーとそう変わらない。高評価も5000を超え、動画のコメント欄も好意的な感想で溢れていた。
焼きごてを押し付けられたように胸が痛む。これ以上はもう進むなと心の深い所にいる自分が叫んでいるけれど、桐子の耳には届かない。指先が勝手に動き、11万回視聴されている動画を再生し始めてしまう。
『ちぃっすー、今晩もナイトテールの配信はじめ――』
シークバーを動かして、相談部分まで進める。
『えーっと、桃ノ勘太郎さんからのご相談! 僕には付き合い始めたばかりの彼女がいます。今まで2回デートをしたのですが、雑談がうまく出来ずに困っています。無理やり喋ろうとすると変に思われそうで怖いです。トークスキルの高いナイトテールさんにアドバイスをお願いします』
手紙を読み終わったナイトテールは小さく2度頷く。
『うんうん、会話のとっかかりって難しいよねー。彼女とデートなら緊張して舌もうまく回らないし。でも、そこは頑張って話してみようか。あんまし会話がないと、彼女の方も自分と一緒にいるのつまらないのかな?って心配になっちゃうよ』
ナイトテールの言葉にコメント欄に〈なるほど〉が並び続ける。
『キミの心配は《変に思われる》ことなんだよね? そこって実はすっごい重要。楽しい会話って《変》の積み重ねなんだよね。自分の《変な所》を見せると、相手も話しやすいんだよ。めっちゃ雑に説明すると、カレーライス談義。あたしはカレーのお供に紅生姜入れるって話すと、友達は「紅生姜は変だって。普通はラッキョウでしょ」ってなるの。あたしからしたらラッキョウの方が変だし。って、そっから会話が盛り上がるわけ。そうやって《自分の変》と《相手の変》をぶつける会話って、やっぱり楽しいんだよね』
そう話すナイトテールの横のコメント欄では、すでにカレーのお供談義が白熱していた。
『変に思われるってあんましビビらずに話してみよ! アドバイスってこんな感じでいいかな? じゃ、次のメッセ読んじゃおっかなー』
これまで何千時間、あるいは一万時間近く、Vチューバーの動画をみたり自分の活動に費やしてきた。だからこそ、たった一つ見ただけで、ナイトテールが人気になった理由が桐子には分かってしまった。
ひび割れた身体から、自分を生かしている水が流れ出していくかのように芯が冷えていく。
(テスト期間だからって、なんで配信を休んじゃったんだ……)
情けなさが、惨めな杯を満たしていく。
(ナイトテールは配信してたのに……勉強の休憩だって言って動画を見てる時間に配信すれば良かった……、まとまった時間がないなら動画でも作れば……)
《しなかったこと》《怠けたこと》への後悔だけしか、思い出せない。
突然鳴り響いた電子音にビクリと震える。
メールが届いていた。恐る恐る覗くと、河本くんからだ。【番組収録について】というタイトルで、本文には具体的な日時や注意事項など細かに書いてあった。
(そうだ……河本くんは私のことも考えてくれてるんだから……)
返事を書こうとした桐子の目の端に、ツイッターの新しい投稿が目に入った。
ナイトテール
〈今日はスタジオで打ち合わせー。おやつのカップケーキ、めっちゃ美味しい!〉
アップロードされた写真には、お皿に乗った狐色のカップケーキとマグカップが一緒に写っていた。
よく知っている熊のマグカップだ。
だって、いつも――。
(私が買ったマグカップ……私の……)
スタジオに一つだけあるキャラものマグカップだ。カップケーキと一緒なら誰だって選ぶはず。
(場所……)
夜川さんも河本くんもそんなことは思っていないはずだ。
でも、自分の立っていたはずの場所が崩れ、暗い穴に放りだされたかのように、嫌な浮遊感に包まれてしまう。
(なんのために……)
少しだけあったナイトテールへの対抗心も。
(私……)
消えかけのやる気も。
(わかんない)
感情も想いも、全てが暗い穴の中へと吸い込まれていった。
その日、灰姫レラは初めて配信を休んだ。
ネット番組に出演することになった
灰姫レラとナイトテール。
しかし、中の人の感情は複雑で――。
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