僕はやっと夢を買えるんだよ!
この世界ではね、、、?
生きている間に見た夢を売る事が出来るんだよ。
みんなそれで、商売しているんだ、、、!!!
夢も色々でね、、、!
楽しい夢から、悲しい夢、感動した夢や怖い夢だって、、、!
欲しいって言う人たちがたくさんいるんだよ!
何故なら、、、?
ここ20年ぐらい前から、誰も夢を見れなくなったからなんだ、、、!!!
理由は、宇宙から地球に降り注ぐホコリのようなモノに、人間の人体に影響を
及ぼす、、、うーん? 難しい事は分からないけど、それが原因らしい!!!
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ボクの名前は 『スタンディー』 10歳、ボクは産まれてきて1度も夢を
見た事がないんだ、、、!
夢って、、、?
どんな風に見るのかな、、、?
だからね、、、?
ボクは仲がいい! ボクのおじいちゃんから、夢の話をしてもらうんだよ!
『ねえねえ? おじいちゃん! おじいちゃんは昔、どんな夢を見ていたの?』
『おう! スタンディーかい? また今日も、おじいちゃんのお家に遊びに来た
のかい?』
『うん! おじいちゃん、夢の話を聞かせてよ~』
『あぁ~いいよ! おじいちゃんが若い時に見た夢はな~』
『うんうん! なになに?』
*
ボクは、いつもおじいちゃんから聞く夢の話が大好きだった、、、!
でも、1度でいいんだ! 僕も夢を見てみたいよ!
それにね、、、!
夢を買うにも、11歳にならないと買えないんだよ、、、!!!
年齢制限があるから、、、!
だけど、、、?
ボクも、来週の月曜日には、11歳になるから、、、!
やっと、僕の欲しいおじいちゃんの夢を譲り受け事が出来るんだ、、、!
▽
ボクのパパとママには、ボクの誕生日プレゼントにおじいちゃんの昔見た
夢が欲しいとお願いしている、、、!
大変なのは、、、?
おじいちゃんの夢を譲ってもらうには、国の審査があるようで、、、。
先ず、ボクがそのおじいちゃんの夢を譲ってもらえる年齢なのか、、、?
年齢制限に引っかからない、体に害するような夢や適切でない夢など、、、。
厳重に審査された夢でしか、夢を譲り受ける事は出来ないんだって、、、!
それに、売られている夢ではないので、、、。
夢の保証期間が短い...。
半年ほどで保証期間が切れてしまうけど、ボクのおじいちゃんの知り合いに
夢の整備士さんがいるから大丈夫なんだよ!
*
そして遂に、、、!!!
ボクの11歳の誕生日の日に、ボクがずっと欲しかった、、、!
おじいちゃんの夢を譲り受けたんだ、、、!
おじいちゃんにとっても、忘れられない夢をボクに譲ってくれた、、、!
だからね、、、!
この夢は、もうおじいちゃんのモノじゃなくなっちゃったんだよ!
もう、おじいちゃんの記憶の中にもこの夢は何も残らないんだ、、、!
この夢の事を思い出したくても、二度と思い出せないモノになってしまう!
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ボクは、その日の晩におじいちゃんの夢を見る事にしたんだ、、、!
おじいちゃんが子どもの頃に見た夢なんだって、、、!
ボクは、小さなパイロットで、、、!
あちこちの国々に行っているんだよ!
いろんな人たちと出会って、いろんな経験をしながら冒険していく。
人の優しさやそこであった子供たちと仲良くなっていくんだ、、、!
おじいちゃんが子どもの頃に見た夢が、なんと鮮明で、、、!
まるで、現実に今起きているみたいな綺麗な夢なんだよ!
【夢って? こんなに素晴らしいモノなんだって!】
ボクは生まれて初めて知ったんだ、、!!!
ボクは、感動して朝起きたら、、、?
涙が止まらなかった、、、!
ボクの初めて見る夢は最高のモノだったんだよ!
*
ボクは、早速おじいちゃんのお家に行って、この夢の話をすると、、、?
『なんと? スタンディー! お前は、夢をみたのか、、、?』
『あぁ~ううん、そうだよ!』
『その夢? とってもいい夢だな~! スタンディー!!!』
『あぁ、そうだね! おじいちゃん!』
・・・ボクは、喉まで言いかけた言葉があったが我慢した、、、!
『そりゃ~そうだよ! この夢は、おじいちゃんの夢なんだから、、、!』
最後までお読みいただきありがとうございます。