第6話:〖初めての授業〗
キーンコーンカーンコーン
聞きなれた鐘が鳴り響く。
ジャックとアリスは3-3組の教室へと向かう。
教室に入るとガヤガヤしていた。
「起立、気を付け、礼」
学級員らしき子が言う
「「よろしくお願いします」」
「ほ~い」
アリスは軽く言う。
その視線の先には生徒たちがいる。
生徒たちはまだガチャガチャしてる。
進めにくい・・・
教師ってコこんな感じだったんだな。かんど~
「じゃ~、静かに~」
アリスはほのぼのと言う。
意外にも生徒たちは静かになる。
真面目だ。ジャックは感激する。
授業は白魔【サイレント・フィールド】という
上級結解呪文。
一定領域も音を消す使いようには便利な呪文だ。
「じゃ~、お手本でやってみようか」
アリスは呪文を紡ぐ。
『エウテルベよ・今ここに・静寂をもたらしたまえ』
アリスは教室の半分に結界を張る。
「すげ~」
「アリス先生範囲が異常にひれEEEE~」
生徒は口々に言う・・・が。
「~~~~?」
「~~~~~~~~~~~!」
結界の張られた生徒は何も聞こえてない。
人間の五感の一つを奪うこの呪文は使いようでエグい威力となる。
「は~い、じゃ~やってみよ~」
アリスは授業を進める。
『エウテルベよ・今ここに・静寂をもたらしたまえ!』
生徒は必死に唱えるが、全くできない。
実力的にできたらすごい。
これA級の魔法だもん。
魔法には階級がある。
詠唱の難易度で決まる。
上からS、AA、A、B、C、D、Eまである。
Sは普通1人ではなく何人かで儀式的に唱える。
アリスでも無理らしい。
Cからは軍用で、Cは軍のうちの生徒でもできる(使い物になるかは知らない)
Bはまぁ、軍に所属する魔導士なら
訓練すればできるレベルである。
A級からは軍でもエリートしかできない。
アリスは詠唱呪文1節でできるらしい(アリス△)
「AAもコツさえわかれば3節でできる」
と、平然と言った。
三節。それは1対1での戦いにおいて運用可能と言われてる節数だ。
普通AAを放てる魔術師を全員で守り、起動するのが基本のき。
だがその絶大なる威力で味方が巻き込まれるパターンも多々ある。
しかしそれが一人で唱えれれるなら話は別だ。まぁ1対1の戦いではオーバキルだが・・・。
まぁ数人と連携をとれば戦況をガラっと変える一撃が撃てるということが彼女の強みだ。
AAは触媒を使ってでも詠唱できれば超1流だ。たとえ全魔力が消え去ろうとも・・・。
やっぱアリス△
「まぁできないよね~」
アリスは笑って言う。まぶしい・・・
「なんで先生できるんだよ~」
「「そうだそうだ~」」
生徒は口々に言う。
「練習すればできるよ~例えば・・」
『静かになれ』
アリスは淡々と言う。
すると、結界が教室全体に広がる。
すぐ解除するとアリスには拍手が送られる。
「やっぱアリス先生すげ~」
「一生ついていきます!」
すごい人気だ~う~ら~や~ま~しい~~~~!
その後、アリスは術式を板書し、
A級魔法であることを伝えたところで終わりの鐘が鳴った。
もうアリスは人気者だ。
つくづくうらやましいかぎりだ。
(俺の授業大丈夫かな~)
ジャックは早くも不安になっていた。