5/26
第5話:〖校長の貫録〗
「ごめんなさいあんな挨拶をしてしまって!」
ジャックは土下座して校長に謝った。
「いやいや、別に問題ないよ。気にしないでくれたまえ」
校長は大人な対応を見せる。それにしてもなかなかの貫録だ。
「明日から授業があるから頑張るんだよ。ジャック君」
校長は人の心を包み込むような笑みで言う。
「はい、かしこまりました!」
ジャックは希望を見つけた大航海中の船乗りのような顔で言う。
(絶対信者になったわ~)
アリスは呆れた顔でジャックを見下ろしていた。
「じゃっ先生、僕、授業準備します!」
ジャックは元気よく校長室を出て行った。
「ありがとうございました。校長」
アリスはそう言って校長室を出た。
アリスはわかっている。
ジャックはまだ信者になっていないと。
ジャックの一人称が校長に対して『僕』だったからだ。
ジャックが『俺』を一人称として使うのは、
ジャックが本当に仲が良い人にしか使わないのだ。(コミュ障なだけだけど)
「まぁ私もジャックの分授業準備はしなきゃ」
「だってあの子絶対しゃべれないもん」
アリスはそう誓って準備に取り掛かった。
暖かい季節となっていった。