第16話:〖シルヴァース家〗
長い間休んでごめんなさい。もう一つのシリーズを書いてました。ぜひ読んでください!
試合終了後、ジョマーニは目の前の化け物を睨みつけていた。
睨まれたジャックは飄々とした顔をしていた。
「貴様どうやってそこまで詠唱を切り詰められるんだ・・・っ!」
「えーとですねー。才能っすよ。才能」
「ウソだ。あそこは才能がどうこうの問題じゃない」
「・・・・」
「ジャック=シルヴァース・・・。シルヴァースってまさか・・・っ!」
「それ以上はもういいでしょう」
会話を遮ってジョマーニから逃げるようにジャックは立ち去った。
さすが一流の魔術師であり、一流の軍用魔術の研究者であるジョマーニは俺の家がどんな家か気づいてしまったらしい。
この学校で知ってるのは校長くらいだったのになぁ。
シルヴァース・・・
古くから風魔術の名門といわれているが、表だって出ないためその存在はあまり知られていない。
つまり軍の中でも知られてないところにいるっていうわけだ。
その風魔術は大陸トップクラスと言われている。
遺伝的魔術【風の増幅】
それがジャックの異常なまでの風魔術の裏にあるシルヴァース家の力。
自身や他人の風魔術を増幅させる災いにも達する力。術者の腕次第ではとてつもない武器となる。
単純に風魔術の威力を高めたり、少ない魔力消費で絶大なエネルギーを生み出す。
この魔術をジャックは自身に対して極めた。
ジャックは極度の人見知りなゆえ、他人を強化することは苦手としていた。
さてと、明日は休みだし何しよっかな~。臨時収入入ったしな~。
一流の魔導士であるジョマーニも、ジャックにとってはお小遣いをくれるおじさんでしかなかった。