第13話〖戦いの始まり〗
「ジャック=シルヴァ-ス親子ともに忌々しい」
一人でぶつぶつジョマ-ニは言う。
これは少し前の話・・・
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「ジョマ-ニせんせ、僕は初歩的な攻撃呪文を
軍用魔術として考えるのは好きやない」
なぜか京都弁で煽ってくるジャック
「せやからコレ使ってが散りましょや」
「貴様、なぜそれを持っている!?それは軍の訓練用の——」
「ほな、おおきに~。ジョマ-ニはん」
そしてすれ違いざまにこう言ってきた。
「戦闘なら勝てるでしたっけ?楽しみです。胸を借りさせていただきますよ?」
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「くそっ、ほんとに忌々しい。完全になめてやがる。就任式のコミュ障ぶりはどこに行った!」
ジョマ-ニは自販機の前でぶつぶつ言うのであった。
一方その頃ジャックはというと・・・
「ははっ、すごいよ!めっちゃすごいよ~アリス!すごいすごい!」
興奮気味にジャックは言うとアリスの頭をなでた。
「えへへ♡そうかな♡」
気持ちよさげに目を細めて聞くアリス。
めっちゃかわいい!マジ天使だわ~!
「すごいよ~!アリス最高!」
ジャックはさらにおだてる。
「えへへ♡でしょでしょ♡」
か わ い い !かわいいでしゅ!マジヤバ!
はたから見たらヤバいカップルとしか見えないだろう。
バカップル爆発しろ!
非リアから見れば「爆ぜろ!」を通り越して万死に値するだろう。
「うまくかかってくれたよ!こっちに全部筒抜けだよ!」
ジャックはあざ笑うかのように言う。
実はジョマーニと接触した際にアリス特性の盗聴用の魔導器を仕掛けていたのだ。
「せこい」の一言である。
ジャックは曰く「もう戦いは始まっている。戦いに卑怯は存在しない」らしい。
「ちゃんと攻撃呪文できてくれそうだし勝ったな」
「ジャック固有魔術使う気?」
アリスはきょとんとした顔できいてくる。
「当たり前じゃん。絶望の顔を晒しめてやるんだ!」
「だめだよ!」
頬を膨らませて怒るその姿に恐怖は1㎜も感じない。
「なんで?いいじゃん」
当たり前でしょよ言わんばかりの表情でジャックは返す。
「副校長だって見るし、普通にばれたらアウトでしょ!
それにジャックなら普通に勝てるでしょ?」
「はいはい。分かりましたよ」
拗ねた子供のように言うジャックであった。