第11話:〖怪しい動き・・・〗
アリスは声をひそめて言う。
「副校長のロビ-ヌ先生が良からぬことをしているっぽい」
「ほうほう。なるほどね~。どんな事?」
ジャックは神妙な面持ちで言う。
「まぁ闇取引だけど・・・人身売買っぽいかな?」
「ホホ-。そうゆう趣味の方?」
「そんなわけないじゃん!」(怒)
怒られた。冗談の通じないやつだ。
「買われる人の共通点は魔術が使えるくらいみたい」
「特殊能力者じゃなくて?」
「うん。無理やりつけた共通点だし」
アリスははにかむ。その笑顔が輝かしい。
「んじゃ、潜入任務終わりそうで何よりですわ—」
ジャックはつまらなそうに言う。
「ひょっとして教師生活まだしたかった?」
にやけながらアリスは聞いてくる。
「はっ!そうなわけないし!」
照れ隠しで怒ったふりをする。
「ほんと~?」(ニヤニヤ)
「あの残酷な世界よりはましなだけ・・」
声のトーンが落ちる。
「そうだよね・・。私たちにはこんなあったかい場所にいるけど。
また戻ったら正直怖いな・・・」
アリスは哀愁の表情を浮かべている。
「大丈夫、もしなんかあっても俺がいr・・!」
「あっれー、今なんて言おうとしたのぉー?」(ニヤニヤ)
「何でも・・ないっ!」
———この時はまだ気づかなかった。
このやり取りが後に悪手となっていたことが・・・