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教皇暗殺計画  作者: 上総海椰
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おまけ もう一人の弟子

フィアたちがフゲンガルデンに戻ってくるとすでに辺りは真っ暗だった。

既に季節は秋に入ろうかとしている。

フゲンガルデンへの帰還は予定よりも三か月以上も遅れてしまった。

「クーナ、どうしたの?」

「ちょっとね」

少し表情が

『私を殺しに来なさい』

それがヴィヴィとクーナが最後に交わした言葉。


「大丈夫よ」

フィアは強引にクーナの手をつかむ。

「フィア、ちょっと」

フィアはその扉を開いた。

「ただいま」

「あ、お帰り」

扉を開けると想像を絶する光景が広がっていた。

ヴィヴィが机に伏していた。

ゴミがそこかしこにたまっている。

足元にはゴミが散乱していて、虫が湧いている。

かつて来たときは小さくはあったが整頓された場所ではなかったか。

ヴィヴィの住処はまさに異界と言って差し支えない。

「…」

扉を開けるとフィアもクーナも言葉を失い、立ち尽くしていた。

「…この半年の間に一体何が…」 

ヴィヴィは生活力は皆無である。

最近ではフィアにまかせっきりだったため、そのだらしなさに磨きがかかっている様子だ。


フィアはというと無言で自分の部屋まで一人歩いていく。

部屋から出てきたのは布巾で髪を覆い、白衣に身を包んだ完全武装のフィア。

「クーナ、手伝って」

フィアの剣幕にたじろぎつつクーナはフィアに従う。

「ヴィヴィ」

フィアは箒をヴィヴィの目の前に出した。

「フィアこの三日魔法の研究でろくに寝てないのよう」

「ヴィヴィ」

にこやかにフィアは微笑む。

後にヴィヴィは語る。この時が生涯を通じて最も生命の危機を感じだと。

「…わかりました」

いじけた様子でヴィヴィはフィアから箒を受け取る。

そうして長旅から帰ってくるなり大掃除が始まったのである。


掃除は夜を徹して続けられ、すべてが片付くころには一番鳥の鳴き声が聞こえてきていた。

一晩中フィアに使われ、ヴィヴィとクーナはぐったりとテーブルでぐったりと伏していた。

このまま寝室に行っても空腹で眠れそうにない。

台所からはフィアが何か作っている様子で包丁の音が聞こえてくる。

長旅から帰ってきた後、大掃除をし、まだ働けるフィアの体力が底知れない。

「クーナ、あんたフィアの護衛になったのねぇ」

窓から差し込む夜明けの光を見つめながらヴィヴィはクーナに語りかける。

「はい、ラフェミナ様からその任を受けました」

「へぇ。ラフェミナもなかなかやってくれるじゃない…」

クーナは机に伏しているためにヴィヴィの表情はうかがい知ることはできない。

「幻滅した?これが私よ」

ヴィヴィは顔を上げるとクーナに視線を向ける。

二人は向かい合ってお互いに見つめ合う。

「…ラムードでフェリコ様に出会いました」

「フェリコ…生きていたの」

ヴィヴィの顔がみるみる驚愕の色に染まっていく。

「フェリコ様からの伝言です。また一緒に一杯飲もうなと」

「…あいつは…」

ヴィヴィは手を目に当てる。ただヴィヴィの口元は緩んでいた。

「…ヴィヴィ様、私を弟子にしてもらえませんか?」

クーナは自然にそれを切り出してきた。

「…私はあなたたちのカタキよ?」

ルベリアを含めたメルゴートを滅ぼしたのはヴィヴィである。

要因は今の体制に反逆したメルゴートにあるのだが。

「フィアに捕まった後、今まで私はどうしたいのか自身に問い続けてきました。

どんなに離れようとメルゴートの名は自分についてくる」

捕らえられてから二年の間、彼女は魔王崇拝の結社メルゴート出身という烙印を押され

咎人として魔女の社会で生き続けていた。

「ただこの名のおかげでルベリア様やフィア、あなたとも出会うことができた。

私はこの名に奪われもしたが、与えられてもいるのだと。

その時に気づきました、もうメルゴートと言うのは私の一部であると。

フィアはリブネント選定会議際に自分はそれを背負って生きると誓ってくれました」

リブネントで真っ直ぐに前を見て語る少女をみて憧れた。

クーナはその光のために犠牲になりたいとも考えた。

だが、フィアは自身のためにクーナが犠牲になることを良しとしなかった。

『爵位持ち』との戦いの際に身代わりになろうとして本気で怒られた。

そしてそのあとラムードで成長していく彼女を見て気づいたのだ。

自分はフィアと一緒に進みたいのだと。

「私はあの子とともに前に進みます。

そして、あなたを超え、私の中にいるあなたという存在を殺します」

「…それがあなたの出した答え?」

ヴィヴィはクーナを見つめる。

「はい」

クーナは真っ直ぐ前を見つめる、

「そう…いいわよ。けれどあなたに私を殺せるかしら?」

ヴィヴィはクーナに対し、挑発的な笑みをみせる。

「絶対に超えてみせます。それであなたを超える魔法使いになる」

クーナはむきになって声を荒げた。

二人がいがみ合っているとフィアが朝食を運んできた。

「お待たせ、二人ともどうしたの?」

きょとんとした顔で言い争いをしている二人をフィアは見ていた。


これはちょっと書いておかなくちゃならないかなと思って

書いときました。

最後は結構雑になっちゃったかも。ごめんちゃい。

序説は終了。いよいよ第五魔王ポルファノア登場です。

時は運命の日に向かって流れ始めます。

その運命の日と言うのがなんであるのか。

それは自身の目で確認してください。


今まで温めていた伏線がいよいよ炸裂しますよ。

ちなみにあのキャラもあのキャラも登場。

ある意味で総決算とも言える残り二章になります。


よろしければお付き合いくださいな♪

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