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白と黒  作者: 伊崎白杏
4/5

術式

「命力を術式として発現させるには、媒体が必要となる。媒体は基本的にはなんでもいい。固体から液体、気体と、形状が不安定なものほど命力を固定するのは難しくなるが、空気なんてのはどこにでもあるから媒体としては優秀だ。あらゆる媒体のなかで最も命力の固定が簡単なのは自分自身の体だ。体内で生成した命力を体内で扱うんだからな。そんなわけで、肉体強化の術式が扱いやすいということになる。次点では武器類だ。武器類はそれぞれに性質をもっていて、その性質に合致する術式を固定しやすい。今回は初めてだから、肉体強化の術式を対象に実習を行う。」

中学で初めての命力制御の実習で大門はこう言った。

命力の生成は比較的簡単で、体内で扱うのは難しくない。問題はそれを体外に放出する際に属性を付与することだ。真白はこれができず、ひたすら肉体強化の術式のみを鍛えることになった。実習が何回も行われるうちに、属性付与を出来ないのは真白ただ一人となったが、真白は悟ったかのように、悔しがることもせず、ひたすらに自身の術式を鍛え続けた。高校生となった今でもそれは変わらない。その成果は、平均レベルの術式を扱う者程度なら運動量と瞬発力のみで圧倒するほどである。

その点凛はと言うと、はやいうちから頭角を見せ始め、基礎的な術式はほぼマスターしてしまっていた。洸は攻撃的な術式は得意ではなかったが、相手を翻弄したり、味方の補助をしたりする術式には長けていた。

実戦演習は三人一組がフォーマットとされていて、結成・解散は自由であった。真白は凛、洸とともに中学時代のチームを組んでいた。専ら凛が特攻役、真白が撹乱や凛の援護、洸がその補助、あるいは幻術などで翻弄するという戦闘形式をとっていた。凛が大技を放ち、相手がかわした先へ真白がピンポイントで迎撃、洸が絡め取るという方法だ。三人はこの戦法を主軸に、校内上位をマークしていた。



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