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少年
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荒れ果てた広い校庭には数百の生徒と数十の教師、数人の黒装束の男たちが倒れていた。
「…仕方ないよな。」
そこにただ1人立つ男子生徒はそう言って、
「…命力分割。…白乃護法障壁。」
こう、唱えた。少年からエネルギーが数百数十の生徒教師に流れ込み、校地を球状に覆うように白い結界が出現し、まもなく見えなくなった。
その後駆けつけた警察の話によると、黒装束の男たちは息を引き取り、生徒や教師たちはみな重傷を負いながらも死には至らず、病院に運ばれたのち元通り回復したという。