時という雨
俺は淀橋署から出てきて、靖国通りにきていた。
「ホームレスがいるところとすればあそこかな。」
俺は靖国通りを抜け、とある公園にやってきた
「あんた誰じゃ?」
ホームレスらしき男性がいた。
俺は名乗り出て
「私は神宮寺拓弥といいます」
「神宮寺…」
もう一人の男性がでてきた。
「一年前の?」
「ああ、そうだ。」
「意味不明の逮捕状つらかったですよね。
あ、すいません。
私の名は”秋山時雨”といいます」
「時雨…」
どうみても俺は二十代にしか見えなかった。
失礼だが歳をきいたら時雨は25と答えた。
「私リーダーなんですよ、ホームレスの。」
「リーダーですか…大変ですよね?」
「いえいえ。慣れたら大丈夫ですよ。」
「そうですか…」
もしかしたらあの志村によく似た人物がわかるかもしれない。
「神宮寺さん、どういう用件でこちらに?」
「じつはこの人を知ってるかをききにきました。」
俺が写真をみせると
「ミナさん!」
「ミナさん?」
「ええ。ミナさんはみんなから親しまれてましたから」
俺はかすかにミナさんという人物がわかるようになった。
ミナさん
歳 65
性格 優しく天然である
殺される動機なんかない、と時雨は言っていた。
なぜ殺されたんだ?
俺はまた一歩謎につつまれた。
時は早いものだ。
まるで時という雨だ。