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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

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明日のギャルナロク

作者: 無色
掲載日:2025/10/18

「なあ彩羽(いろは)。明日地球って滅ぶらしいよ」

「は?マ?」

「うん。なんかデカい隕石が来るんだって。ニュースで言ってた。もう無理っぽい」

「えー明日? 短っ。もっと余裕欲しかったわ」


 放課後のコンビニ前。

 制服のままアイス食いながらスマホ見てるうちら。

 世界の終わりはまるで明日の天気みたいに知った。


「ガチなん? やば」

「ね。もしほんとに明日で終わるなら今日何する?」

「んー……カラオケしてプリ撮ってスイパラ? あ、焼肉のがいいかな?」

「や、それ滅ぶ感なくね?」

「たしかに」


 少し考えて彩羽(いろは)が笑う。


「じゃあさ、付き合ってみる?」

「は?」

「地球滅ぶんでしょ。なんか、彼氏とか彼女とか欲しくね?」

「……え、ガチ天才きたんだが。うわなんか今めっちゃ急に欲しい」

「今からうちら彼女ね」

「おけ。よろしく彼女」


 軽くハイタッチして笑い合う。

 恋とか好きとか、そういうのは置いといて、ただやってみるだけ。

 世界が終わるなら、何でも試してみたかった。

 何でも……と言いつつも、べつに大したことを思いつくわけでなく、ショッピングモールをぶらついたり、クレーンゲームにお小遣いをつぎ込んだりの放課後の一瞬。

 いつもとおんなじじゃない?なんて二人で死ぬほど笑った。

 風が当たって指先が少し冷たくなって、それをどちらからともなく繋ぎ合った。


「ねえ亜里沙(ありさ)、彼女っぽいことって何すんの?」

「うーん……キスとか?」

「やってみる?」

「いいけど、笑うなよ」

「笑わんて」


 軽く触れた唇。

 やらかすぎ。

 てかガムの味するの笑う。

 あ、笑っちゃった。


「……なんか普通に出来たことない?」

「うん。意外と」


 一応えっちもした。きもちかった。

 恥ずかしいし初めてすぎて上手い下手はわかんなかったけど、でもそれよりも、ベッドの上で二人でいる嬉しさのが勝った。

 そして、朝が来た。

 カーテンの隙間から光が差す。

 それが朝日なのか、燃え落ちる空の色なのかはわかんなかった。


「ねえ彩羽(いろは)

「んー?」

「うちら、まだ生きてるんかな」

「さあ。どっちでもよくね? 一緒なら」

「それな」


 一緒に笑って、もう一度手を繋いだ。

 音も匂いも、全部が夢みたいにぼやけていく。

 地球が終わったのか、終わってないのか、それは誰にもわからない。

 けど、その日の朝はなんだか特別な気がした。

 終末百合、いいですよね。

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― 新着の感想 ―
 なんてものを世に出しているんですか?  尊すぎます。  好きすぎます。  最後の1文。天才すぎです。
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