表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

トントントン、包丁またはノックの音

作者: 藤木 規史
掲載日:2025/10/11

トントントン、トントントン

困ったわ。困ったわ。たくさんのお肉を切り分けながら、私は眉をしかめた。

やっぱり宅呑みはよくないわ。後片付けが大変なのですもの。

お陰でお風呂はびちゃびちゃ、お気に入りのスカートだって汚れちゃった。

でもお金をくれる素敵な人だったものね。悪い所にだけ目を向けるのはよくないわ。

色々片付けはあるけれど、まずはお肉を処理しなくっちゃ。真夏は遠いけれど、最近暑いんですもの。傷んだら大変。

何日かここに住まわせてもらって、片づけをしないとね。電気や水はすぐに止まらないはずだし。

それにしても、このお肉、食べると美味しいのかしら?好んで食べるなんて、それこそ映画の世界でしか見たことないわ。

……うん。せっかくなので試してみましょう。

私は包丁をフライパンに持ちかえ、油を引いた。

一口サイズに切り分けたお肉に塩コショウをまぶす。レアはあまり食べる気がしないのでしっかりと火を通す。

お箸に掴んだそれをためすつがめつ眺めた後、思い切ってぱくりと食べてみる。

ラム肉に近いかしら?でもクセがあるお肉はあまり好きではないわ。

まあ、私は少食だし、食べられたとしても食べきれないかしら。

そうだ。少しの間だけでもここに住むのだし、料理をもってお隣さんに挨拶にいくのはどうかしら?

うんと美味しいものを作って、喜んでもらうの。そうしたら、私にお金をくれる素敵な男性とまた会えるかもしれないもの。カレーと肉じゃが、どっちがいいかしら。

確か、左右と上下のお部屋に挨拶に行くのが礼儀なのよね?

そうと決まれば野菜を買いに行かないと。

カバンから出したスカートに履き替え、鏡の前で軽く身だしなみを整える。玄関先で脱ぎ捨てていたハイヒールに足を通し、私は扉を開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ