第8話 食没
野菜がいっぱいあるので野菜スープを作った。
徳用ウィンナーを常備しているので、大量の野菜とウィンナーをぶち込めば大体完成だ。
味付けはラーメンの粉スープを流用する。二個食いする時にもスープは一つしか入れない主義なので余っている。
「うみゃあい!」
健康の味がする!なんか野菜の味が濃い、とりあえず美味い。詳細不明。
さて、寝る前に通販サイトで買い物をしたい。あの世界を弄りたいのだ。
今あるのは、草原:スライム:現金硬貨、土:土人形:土団子、畑:野菜モンスター:各種野菜。
ここに何を追加したいか考える。
やっぱりお肉が欲しい。獣モンスターが湧けば肉が取れそうだ。
魚も欲しい。これも同じだ。
獣モンスターや魚モンスターが生まれる環境を作ればきっと手に入るはず。
獣が湧きそうな場所というと……森?牧場なんかもありだろうか?これって言うのが浮かばないな。
魚の方は簡単だ。水場があればいい。小さな池でも魚は住むだろう。
土団子を沢山集めたら森が作れるだろうか?うーん、規模感がわかんないな。
それより、牧草とか育てる方が簡単そうだ。それでモンスターが湧くかは分からないけど。
まぁとりあえず池を作ってみよう。あれこれ考えても上手くいくか分からないしな。
ネットで池の作り方を調べてみた。簡単な物であれば、穴を掘ってビニールシートを敷き、そこに水を入れればいいらしい。
これ、庭の子供用プールじゃね?まぁいいか。重機入れて作業するわけじゃないし。
アマゾンで大きなスコップとビニールシート、それと長いホースと周辺道具を注文しておいた。ついでに軍手も。
明日が楽しみだ。ぐぅ。
朝。
華麗なモーニングルーティンをこなして草原に立つ。
土の部分はそのままで土人形が歩いていた。草原部分はスライムだ。
とりあえず午前中に土の部分を畑にしようかな。土団子をいっぱい混ぜればいいはずだ。
いっぱい混ぜれば畑に……じゃあ草原はどうやって作るんだ?
思い浮かばないな、ちょっとだけ土団子撒くとかか?今は草原がいっぱいだからいいけど、スライムからしか現金が出ないんだよなぁ。
まぁそのうち考えることにして、土人形が湧かなくなるまで破壊し続けよう。
ドスン、パリン。ドスン、パリン。
しばらく土人形を倒し続けたが、流石に飽きてくる。
現金とか野菜が収穫できるのと違って、土人形はドロップ品をそのまま捨てているからなぁ。楽しくない地道な作業だ。
まだまだ土人形は湧いているが、今日はここまでにしよう。
やる気を使い果たして帰った。
まだお昼だ。宅配便は置き配指定に変えられるし、ちょっと出かけてみようかな。
普段だと面倒なのでそんな事は考えない。だが今の俺には【変身】がある。これでちょっと遊んでみよう。
何がいいかな。女性化して出かけるか?イケメンになるか?いっそ怪人になるのも面白そうだなぁ。
考えた末に、井の頭のごろうちゃんに変身した。飯を食うならこれだろう。
行き先はすたみな次郎だ。
近頃健康的になっちゃって、腹が減って仕方ないんだよ。ちょっと奮発して食い放題に挑戦だ。絶対元を取ってやるぜ!
軽くスキップを踏んですたみな次郎へ向かう。どうだこれがごろうステップだ。
自分でやると恥ずかしいが、今の俺は井の頭のごろうちゃん。すごい開放感を感じる。
やって来ました、すたみな次郎。
今日俺は楽しみに来たんじゃない。戦いに来たんだ。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「ヒトリー…です」
これは大丈夫。一人焼肉なんてどうってことない。おれは井の頭のごろうちゃんなんだぜ。
料金は先払いだ。平日ランチで約2000円。
世間では安いという。だが俺にとってはとんでもない贅沢だ。
必ず元を取る、店が泣いて縋り付くまで食ってやる。
席につき、台に火が灯る。当然最大火力である。
さあ肉を取ってこよう。部位に拘りなど無いが、鶏は焼くのに時間がかかるし今はいいかな。ウインナーもいらん。とにかく肉を皿に山盛りにする。
寿司も美味そうだ。すたみな次郎の寿司はうまくない?どこのお大臣だよ。超ごちそうだ、盛りまくるぜ。
からあげ、たこやき、ポテトフライ。たまらねぇ、全部食うぞ。
片っ端から集めていると、フルーツとアイスが目に入った。ちょいと早いがあれも食いたい。
さて。テーブルの上はごちそうでいっぱいだ。なんという幸せ。すたみな次郎の優しさが五臓六腑に染み渡るでぇ。
「ふふっ、見ろよあそこ」
「ばかめ、すたみな次郎の楽しみ方を分かってねぇな」
「食いきれねぇだろ、恥さらしが」
そんな幻聴が聞こえる気がする。別に誰も見てないが。
構うものか、俺の腹はペコちゃんなのだ。
「この世の全ての食材に感謝を込めて」
俺の戦いはこれからだ!
3回お代わりした。




