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第27話 暴れん坊で人気者

 昨日は少し遊びすぎた。自然治癒を試したこと自体はまぁ悪くないんだが。


 今日はしっかりやろうということで、まずは炭をコンロで焼いてから花畑に向けて放り投げた。

 高すぎて見えないんだが、しばらくして煙が見えたので大丈夫そうだ。燃え尽きるまで他のことをしていよう。


 新たな地面については色々考えている。

 目標から考えると、やはり火エリアや氷エリアを作って魔法系スキルオーブを目指したい。だが現状いいモノが無い。


 焼けた炭は灰となって灰の森が出来た。たぶん薪や燃料を撒いても同じ結果になるだろう。

 逆に氷を撒いたところで、溶けて精々湿地か?湿地は考えているが、あまり近くには作りたくないんだ。臭そう。


 まぁこんな感じで考えて、一番カンタンだと思ったのが砂地だ。

 猫の砂でも大量に買ってきて撒けばいけるんじゃね?今は海もあるし、海辺なら砂浜になるかもしれない。


 砂系エリアが出来ればそこからのドロップでまた新しい事が出来るかも知れないからな。まずは砂系エリアを作る。


 という事で、砂系予定地の芝をベリベリ剥がしておいた。

 スコップで絡み合った芝に切れ目を入れて、超パワーで引っ張ると冗談みたいに草のカーペットが剥がれる。

 こうすると土エリアになるだけなんだが、芝の上に砂を撒くよりそれっぽいからいいんだ。


 そうこうしている間に天空花畑の火が消えたようなので、山登りすることにした。

 水平方向に1m進む間に垂直方向に20mほど。もうほぼ垂直の壁だよ。

 土の壁に腕を突き刺し、脚先を突き刺し、少しずつ登っていった。


 蜂達の生き残りがいたらキツイと覚悟していたが、なんとか全部燃えたようだ。火が特効なんだろうな。

 大量の蜂蜜の瓶が落ちているので蹴落としていく。きっとめちゃくちゃ美味いんだろう。

 ドロップの花も一部が焼け残っていた。これは耐火性があるってことなんだろうか?どれも豪奢で美しい。やはり高レベルの地面からのドロップは一味違うな。


 急いでドロップ品を蹴落とし、花畑が復活する前に山を降りた。

 降りてから再び見上げると、山がぐぐっと低くなった気がする。おそらく上で魔物が生まれ始めたんだろう。


 吸収されない内に蜂蜜を運べるだけ部屋に運び、後は適当に地面に振り分けた。

 全体のレベルが上ってくれたらいい。海からウニやマグロ、畑からメロン、牧草エリアからは牛とか出てくれるかもしれない。

 ただしステップには何もやらん。毒も草ボールも重要だからな。他のものに変わると面倒だ。


 そのステップに蜂蜜を垂らし、ヘビとアリを大量に倒して毒と草ボールを集めた。

 午前中はここまで。



 外に出て一息ついた。いや、部屋に帰ってきたんだけどな。

 俺もあっちにいるのが自然に思えていたのかねぇ。

 とにかく金を持って出かけよう。昼飯を食ってから砂を買って運ばなくちゃ。


 飯はどうしようかな。今日は思いっきり食いたい気分。

 そうだ、駅前で大食いチャレンジやってるのを見たな。あれでいいや。

 とんかつやらエビフライやらと、大量の米がセットで総重量10キロ。しかもスープも別に付いている。

 清々しいほど完食させる気がないバエ商品である。まぁ賞金付きだし多少はね。


 写真撮られそうだし変身していこう。いかにも大食いしそうな見た目ということでドルジでいこう。20代の全盛期ドルジだ。食うぜこいつはよぉ。


          ◇◆◇◆◇


「ら、らっしゃい!」


「あのー、コレな。大食いのやつ」


「へ、へい!お待ちくだせぇ!」


 流石ドルジのオーラだ。みんなチラチラ見るだけにとどめ、スマホを向ける者はいない。

 しかし椅子が小さいな。何だこれもう少しデカく出来ねぇのか。


 しばらく待って運ばれてきたのは山盛りの揚げ物とヤケクソで盛られた米。写真より盛ってない?


「いただきます」


 ぱくり。うん、美味しい。いっぱいあると何も考えずに食えていいな。

 上からバクバクと食っていくと、途中で気づいた。なんか冷えてきてるな。

 冷たいって程じゃないが、揚げてから持ってくるまでに少し時間が経っていたんだろう。しかも食っている間にも冷える。

 大盛りはコレが問題だよなぁ。一番美味しい状態で食いたいよ。


 味わうのをやめて速度を上げて食い切った。


「や、やりやがった!」

「初達成じゃないか!?」


 周囲が騒ぎ出すが、俺は不満だ。


「おかわり」


「え?……え?」


「おかわりっつってんだろこの野郎!」


「へ、へい!」


 2回おかわりした。賞金は断った。


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