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第22話 流水の如く

 昼を済ませて再び作業へ。

 川はとてもいい感じだ。まだ1段目が低いが、それなりに流れが早い。

 5m間に落差1mなので、かなりの急流だ。水源の水が心配だが、無くなる気配はない。


 最初に花畑を焼いて、蜂蜜を追加しておく。一時は山になっていた花畑も、たぶんこれで再び平地だ。


 今度は滝を作りたい。

 今の状態は、盛り上がった地面の上から水が流れているわけだが、落差があるとはいえ斜めだ。

 これを垂直に近づける必要があるんだが、マスの盛り上がりは釣鐘型になっている。


 マスの繋ぎ目を滝にするのは無理だな。川の1マス目を水源と同じ高さにして、その中央を崖の形にする?

 無理だな。水が流れている状態では作れない。こんなこともあるさ。また別に支流を作る時にしよう。


 それより各エリアのチェックだな。

 まずは川の魔物を調べる。初手毒だ。

 急流エリアに毒を流す。流れてしまうかと思ったが、きっちりそのエリア内の魚だけが浮かんできた。


 ポンッ!


 魚だ。魚以外がドロップする可能性も考えていたが、そのまま魚のようである。

 ちゃんとスキルオーブが出るのか?

 魚を放置してどくどくと毒を垂らすが、浮かんだドロップ魚は流れていかずにエリア内に留まっている。まるで水面に透明な壁があるかのような不思議な光景だ。


 魚を取っちゃうと地面が下がっちゃうからな。容赦なく毒を流し込み、効率的にモンスターを倒す。

 途中で毒を拾いに行く時間がかかってしまったが、2時間もしないうちにスキルオーブが出た。


 よかった。とりあえず池エリアとは別扱いのようだ。

 手に入れたスキルは流水蹴り。蹴りだ。なんで?


「流水キーーック!」


 とりあえず試した。昭和ライダ◯キックのポーズというか、格ゲー界最強ボスのジェネ◯ルさんのスライディングみたいな、すごい格好で横に飛んでいくスキルだ。


 何度か試すが、これって移動スキルなのでは?たぶん車より速いぞ。

 結構な距離を飛んでる。100mくらいか?こいつはすげぇぞ。

 とりあえずスライムに食らわせると爆散した。謎スキルだわ。このスキルで物語作りたくなるレベル。


 まぁ遊ぶのは程々に、次は急流じゃない川だ。

 急流エリアとは明らかに流れが違うが、だからって別エリア扱いなのかは分からない。

 とりあえず毒を流す。そのうち毒の川になってしまいそうだが、そうなったらそれはそれで新しいスキルが手に入るだろう。おっけおっけー。


 また2時間ほど経った頃、プカリとスキルオーブが浮いてきた。沈んでたら笑えないよな。

 手に入れたスキルは水中呼吸。頭に入ってきた知識では肺に水を入れても平気になり、少ない酸素を無理やり吸収できるらしい。

 いや絶対足らんやろ。水中にそんなたくさん酸素ねぇよ。まぁファンタジーに突っ込んでも仕方ないか。


 最後に海エリアの水を舐めてみるとしっかりしょっぱかった。

 これは海だな。明日はこいつからだ。

 でもこんな簡単に海になるなら、先に湖にしておくべきだった。まぁそっちは別の支流でやるか。


 海にも毒を垂らして、浮いてきた数匹の魚を陸に上げる。


 ポンッ!


 やっぱりドロップは魚だ。でっかい魚を妄想していたが、オコゼかこれ?揚げると美味いらしいがよく分からんので海に戻しておいた。他の魚もよく分からんので戻した。


 夜は町へ出てふらふら。

 あの黒いスライムへの恐怖は綺麗さっぱり消えてしまったが、まだ勝てるビジョンが浮かばない。あれが倒せたら夜の世界も開拓したいのにな。


 それにイライラしているわけじゃないが、ちょっと暴れたくなってしまう。

 殴れる相手はいないかな~と駅前をふらふら。そしたら女子高生の肩を抱くおじさんの姿が見えた。


 純愛やな。


 それには触れずにまたふらふら。そしたら、けたたましい音を出してバイクが走り抜けていった。

 別にぶんぶこ吹かしていたわけじゃないが、耳が痛くなるほどの爆音だ。少なくとも俺は痛かった。じゃあこれ攻撃だろ。


「流水キーック!流水キーック!流水キーック!」

 連続流水キックで追いかける。時速100キロのスーパーキックだ。

 たぶん走った方が早いが、見る者にとんでもねぇ恐怖を植え付けられると思うんだ。


 バイクは速度を上げた。俺に気づいたんだろうが、逃がすわけがねぇだろ。

 町中で恐怖のバイクチェイスだ。捕まったら死ぬ。かもしれない。

 バイクが逃げ続けるのをあえて捕まえずに追い続ける。恐怖に駆られた馬鹿なバイクは郊外へと走っていく。速度を上げたらどうにかなると思ったか?


 本当にどうにかなった。引き離されていく。

 クソが舐めるんじゃねぇ。俺はキックを辞めて走った。すぐに追いついた。


「流水キーーック!」

 超高速で走るバイクを破壊する。俺を攻撃した悪いバイクは成敗だ。

 運転していた奴は死なないように捕まえて降ろしてやった。


 今日は楽しい夜だった。

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