結婚式へようこそ
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──結婚式へようこそ
フリーデンベルクで待つこと数日、リーゼのウェディングドレスが完成した!
「どうかな? 似合ってる?」
「うん。滅茶苦茶可愛いよ、リーゼ!」
「えへへ。照れちゃうけど嬉しいよ」
俺の前には白のドレスを纏ったリーゼがいる。その姿はとても可愛く、こんなリーゼをお嫁さんにできるなんて俺はどれだけ幸せなんだろうかと思うのだった。
「じゃあ、ドレスを持ってグリムシュタット村に戻ろう。招待状も出したし、結婚式の準備しないとね!」
「うん! みんなをもてなす準備をしないと!」
俺たちはわくわくだった。
招待状の返事がすでに届いており、テレジアさんもユリウスさんもゲオルグさんも出席してくださるそうだ。友人知人が全員揃って俺たちの結婚を祝ってくれる。これにわくわくせずして何にわくわくするのか。
「お酒と食事は大事だよね。料理はどうしよう?」
「流石にたこ焼きってわけにはいかないよね。ケーキも必要だし」
「なんでケーキが?」
「え? こっちじゃウェディングケーキは食べないの?」
俺が言うのにリーゼが凄く怪訝そうな顔をした。
「そうだね。ケーキは美味しいけど、結婚式とは関係ないよ?」
「そうなんだ……。日本だと新郎新婦で最初の共同作業としてケーキカットをするんだけどなぁ」
「ケーキは高級品だからね」
そうだった。こっちでは砂糖が高額商品なんだった。
となると、グリムシュタット村でケーキを焼ける人もいないだろうし、日本で注文するにしても独り身の俺がウェディングケーキを注文するのは不自然。では、ウェディングケーキはお預けかぁ。
「こっちでは結婚式のお祝いには子牛の丸焼きがでるよ。それが美味しいんだ~」
「へえ。それもいいね!」
子牛の丸焼きなんて日本ではなかなか食べれないものだし!
「ふふふ。楽しみにしていようね!」
「うん! 楽しみだね~!」
楽しい楽しい結婚式の想像が膨らんでいく。
それから俺たちがグリムシュタット村に戻ってくると──。
「ジンさん、リーゼロッテさん! おめでとう!」
村の人たちが喜びの声で歓迎してくれた。
「ついにふたりが結婚するんだねぇ」
「いや。遅かったぐらいだよ」
「なんにせよ結婚式を挙げることになってよかったよ!」
村の人々は口々にそういう。
「あはは。ありがとうございます。皆さんに祝福してもらえてうれしいです」
「ジンさんとリーゼロッテさんはこの村を大きく発展させてくれたからね。当然だよ」
今やグリムシュタット村では農閑期には売れる衣類を作れ、雨の日も行動でき、自転車という便利な移動手段もあると村の人。
「何よりこの前のお祭りが開けたのは、ジンさんのおかげじゃないか。本当に私たちは感謝しているよ」
そう言われて俺は本当にこの村の発展に寄与できたと感じられて嬉しかった。
「だから、今度は私たちがジンさんとリーゼロッテさんの結婚式を盛り上げるよ。料理もたくさん作るから期待していてね」
「はい!」
こうして俺たちの結婚式は大勢の人に支えられて開かれることになった。
場所は集会場となり、当日のために準備が進む。椅子とテーブルがいくつも準備され、子供たちも手伝って飾り付けが行われと。
そして──。
「いよいよ明日が結婚式だよ。もうどきどきしちゃうね!」
「そうだね。やっとリーゼと結婚できるんだ……」
リーゼが胸を押さえていうのに俺もリーゼの方を見て思わず口元が緩んだ。
「明日、寝坊しないように今日は早めに寝よう」
「そうだね。今日もこっちに泊まるよね?」
「そうしようかな」
「そうしなよ~! 今日はただ一緒に眠るだけ。ね?」
「あ、ああ。そうする」
結婚式を前にリーゼとの距離がぐっと近くなった気がする。これはとても嬉しい。
それから俺たちは明日の結婚式にどきどきしながら、一緒に眠ったのだった。
* * * *
そして、いよいよ結婚式当日!
「どうかな?」
「似合ってるよ、ジン!」
俺は礼服で出席ということで、スーツを身にまとった。会社勤めのときとは違う立派なスーツを準備していたのである。
リーゼもすでにドレス姿であり、ドレスで微笑んでいる彼女はとても可愛い。
「じゃあ、行こう!」
「おー!」
俺はリーゼとともに会場である集会場まで向かう。
「ジン兄ちゃん、リーゼ姉ちゃん! おめでとう!」
「結婚おめでとー!」
俺たちが村の中を進むと子供たちが駆け寄ってきて祝福しくれる。
「ありがとう。今日は君たちも楽しんでいってね」
「うん!」
俺とリーゼはそんな子供たちに笑いかけ、彼らとともに集会場に向かう。
「ジンさーん! リーゼロッテさーん! おめでとー!」
「ありがとうございます!」
村のあちこちから祝福の声を浴び、俺たちはそれに手を振る。ほとんどの村の人は結婚式に参加するらしいので、今日はとても賑わうことだろう。
それから俺たちは集会場に到着。
「結婚おめでとう!」
集会場にはアルノルトさんとニナさん、それに招待していた人々がすでに集まっていた。クリストフさん、エリザさん、ウルリケさん、テレジアさん、ユリウスさん、ゲオルグさんとみんなだ。
「さあさあ、早速誓いを立てよう」
アルノルトさんがそう言い、俺とリーゼはみんなの前で彼の前に立つ。
「ごほん。国王陛下より封じられしグリムシュタット伯アルノルトの名において。君たちは夫婦としていかなるときも互いの義務を果たしあい、お互いを支え、相手を幸せにするということを厳粛に誓うか?」
アルノルトさんは咳払いしてからそう尋ねる。
「誓います」
「誓います」
俺とリーゼはアルノルトさんにそう誓い合う。
「よろしい。今このときより君たちは夫婦である。どうか幸せに!」
誓いは短く終わり、集会場では拍手と喝采が響く。
「あめでとう!」
「おめでとうございます!」
俺たちはそれらを浴びてにこにこと微笑んだ。
「リーゼ。これは俺からの誓いの証だよ」
そういって俺はここでダイヤの指輪を取り出し、リーゼの手を取って彼女の細い指へとそれをはめた。
「ありがとう、ジン。大切にするよ」
リーゼはダイヤの指輪を包むように手を胸の前で組んだ。
「さあ、次はごちそうと美味しい酒でこの結婚を盛大に祝おう!」
「ええ。料理を運んできてください」
アルノルトさんとニナさんがそれぞれそう言い、子牛の丸焼きを含めた料理と今日のために俺が運んできたワイン、クリストフさんが仕入れくれたワインが村の人たちによって運ばれてきた。
「ジンさんとリーゼロッテさんの結婚を祝って!」
「カンパーイ!」
子牛の丸焼きはアルノルトさん自らによって切り分けられて配られ、ハーブで風味よく味付けされたそれを俺たちは味わう。ワインとの相性も最高で、俺たちは次々にお肉とお酒を平らげていく。
「ジン」
ほろ酔いで頬を紅潮させたリーゼが俺の方を見る。
「これからもよろしくね」
「こちらこそ」
こうして俺たちはついにゴールインしたのだった。
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