表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/44

ココアに達する前の赤

 ウツボ(がた)のボス・ガス・ホイップを撃破(げきは)したのち、ロナたち五人はトンネルを()けた。


 大きな山の形状(けいじょう)にあいたトンネル――その(さき)には、「(あか)空域(くういき)」が広がっている。


 目の前の空中に……いろいろなかたちのアース・パイが、さまざまな角度で()かぶ。

 その圧倒(あっとう)される光景が、今までの空域と(おな)じく視界の(おく)まで続く。


 ただし赤の空域のパイは、赤茶色(あかちゃいろ)の岩石のようだ。


 ()の空域のパイのほとんどは陶器(とうき)に似ていた。

 青の空域ではガラス(じょう)のパイが多く見られた。


 それらと比べ、赤の空域のアース・パイは重厚(じゅうこう)印象(いんしょう)(あた)えてくる。


 ロナとクエンとヤマメそしてピックを背負(せお)うゼライドは、トンネルのあいた山から近くのアース・パイに()ぶ。


 パイのかたむきに合わせて(からだ)(たお)し、重力方向を(あら)たにする。


 ()んでみると……岩石(じょう)のパイの表面(ひょうめん)(やわ)らかいのだとわかる。

 しかし地盤(じばん)自体は固く、(くつ)でこすれば赤土(あかつち)露出(ろしゅつ)する。


 あたりの空気が、ぼんやり赤い。

 からい味が鼻孔(びこう)口内(こうない)(はい)()み、(のど)(おく)まで刺激(しげき)する。


 そんな赤の空域を、五人が進む。

 やはりパイからパイに()びつつ――。


 ピックが足裏(あしうら)をケガしているため、ひとまず病院のある町に向かう。



 なお(ひと)つの空域から新しい空域に移る(さい)は政府管轄(かんかつ)関所(せきしょ)検査(けんさ)を受けるのが普通(ふつう)だが、トンネルの近くにそれらしき施設(しせつ)はない。


 代わりに……アース・パイの公道でパトロールをしていた警察が飛んできて、ロナやピックたちに対して簡易的(かんいてき)な荷物チェックなどをおこなった。


 結果はもちろん、問題なかった。


♢♢♢


 ――そして一行(いっこう)は、立方体(りっぽうたい)のかたちをした大きな町に到着(とうちゃく)する。


 青の空域には三角柱(さんかくちゅう)の町があったが……。

 赤の空域の()()()は、巨大(きょだい)正方形(せいほうけい)のアース・パイ六枚(ろくまい)を組み合わせて作られたものだ。


 もちろんパイがバラバラになったりどこかに飛んでいったりしないように、それぞれのアース・パイは物体をその場にとどめるハンガーで固定されている。


 そしてアース・パイは板状(いたじょう)(おもて)と裏それぞれで重力を働かす。

 よって町の区画(くかく)は、二かける六すなわち十二面(じゅうにめん)に分かれる。


 立方体の外側の六面と内側の六面に人々(ひとびと)居住(きょじゅう)するスタイルだ。


 町を取り囲むアース・パイを()り、外側の(ひと)つの(めん)に着地するロナたち……。


 着地用のスペースの近くに町の地図を()り付けた看板(かんばん)が立っている。

 その地図を(たよ)りに、病院へと歩いていく。


 地面は、やはり赤茶色の岩石のアース・パイ。

 道の両側(りょうがわ)(なら)ぶ住宅や店の外観は、暖色系(だんしょくけい)だ。


 ……ただし病院の建物は白く、目立っていた。


 そこでピックは足裏(あしうら)のケガを見てもらった。

 医者は患部(かんぶ)に液体の薬品を()って包帯を()いたあと、「これで普通(ふつう)に歩ける。無理な動きをしなければ、あと数日(すうじつ)完治(かんち)する」と言った。


 本来ならもっと深刻(しんこく)なケガだったようだ。

 しかしゼライドが治療(ちりょう)用のガスを患部(かんぶ)に使用していたおかげで、ピックのケガは比較的(ひかくてき)軽度(けいど)()んだのである。


 ピックもゼライドも(むね)をなで下ろした。

 しかし一番(いちばん)ほっとしていたのは、ロナだった。


 病院の治療費(ちりょうひ)については全空域(ぜんくういき)共通の保険制度(ほけんせいど)があるので、たいした負担(ふたん)にならないが――。

 ピックのおかげでガス・ホイップに殺されずに済んだことを(かんが)み、ほかの四人も費用(ひよう)を出した。


♢♢♢


 病院に寄ったあと、五人は銀行(ぎんこう)に向かった。


 なお、すでにピックは自力(じりき)で歩けるようになるまで回復している。

 ボス・ホイップに破壊(はかい)されたものとは別の(くつ)をはいている状態だ。



 ……ともあれ銀行は、立方体の()()の区画にある。


 外側の地面のところどころには、(あな)があいている。

 ロナやピックたちはその(ひと)つをとおって、内側の(めん)に移った。


 外側とは(こと)なり、ココア・サン・クッキーの光は内側に届かない。

 よって六面の中心に位置する空中にはハンガーで固定された大きなサン・クッキーが()えられ、町の六方(ろっぽう)()らす。


 町の(ひと)つの区画を囲む前後左右の巨大(きょだい)(かべ)真上(まうえ)天井(てんじょう)に、建物と人を(なら)べて()せた地面が()える。


 重力を持つアース・パイが根付(ねづ)いたこの世界においては、とくに奇異(きい)な光景でもない。


 とりあえずピックたちは、(いま)立っている地面を歩いて銀行に()く。


 町の銀行の掲示板(けいじばん)では、例のトンネル(ない)のウツボ(がた)ボス・ガス・ホイップの討伐(とうばつ)依頼(いらい)が出されていた。


 ロナは、(くち)に出さずに計算する。


(……報酬(ほうしゅう)(がく)は、青の空域の村で提示されていたものよりも大きい。あそこの村で依頼を受注(じゅちゅう)していたわけじゃないし……ボス・ホイップから回収したガスは、この銀行に(わた)そう)


 そう考えたロナは、ほかの四人と相談したうえで――。

 ウツボ型のボス・ホイップを討伐(とうばつ)した証拠(しょうこ)として、(にが)いガスの()まった(ふくろ)行員(こういん)(あず)けた。


 ガスの袋を預かった行員は、(おどろ)いていた。


 ただしボス・ガス・ホイップの討伐(とうばつ)報酬(ほうしゅう)が、即座(そくざ)支払(しはら)われるわけではない。

 専門家(せんもんか)による認証(にんしょう)が必要であり、それには数日(すうじつ)かかるそうだ。


 なおガス・ホイップを使役(しえき)するゼライドも専門家と言えば専門家だが……今回(かれ)は報酬を受け取る(がわ)なので、「これは間違(まちが)いなくウツボ型のボス・ホイップが(たお)されたあとのガスだ」と勝手(かって)に認証することはできない。


♢♢♢


 報酬(ほうしゅう)支払(しはら)われるまでの数日間(すうじつかん)

 ピックの療養(りょうよう)()ねて――五人は町にとどまり、各自(かくじ)の時間を過ごす。



 ただし暗殺(あんさつ)仲間と連絡(れんらく)をとられると厄介(やっかい)なので、クエンとヤマメをゼライドが見張(みは)る。


 これまでも……就寝中(しゅうしんちゅう)などに余計(よけい)な行動を()こさせないよう、ゼライドはクマノミ型のガス・ホイップをクエンとヤマメに張り付かせていた。


 ピックくんがまだ万全(ばんぜん)でない以上、クエンさんとヤマメちゃんの監視(かんし)(ゆる)めるわけにはいかない――そうゼライドは考え、気を引き()めていた。



 一方、ゼライドの(すす)めもあって……。

 ピックとロナは二人で時間を(つぶ)していた。


 道をゆっくり歩きつつ――。

 金髪(きんぱつ)少女(しょうじょ)ロナは赤毛の青年ピックの両足をさりげなく見て、(くち)をひらいた。


「なんか(ひさ)しぶりに二人(ふたり)きりですね。ピックさんは、どこか()きたいところ、あります?」


(ねん)のため病院には、数日(すうじつ)通うことになりそうですね」


 淡々(たんたん)と答えたピックは、そのあと少し熱を()めて付け加える。


「……病院以外だと、溶接師ウェルダーの店に()く予定です」


 そういうわけで、ロナとピックは町の区画を移動する。

 途中(とちゅう)、ピックがロナに話しかける。


「ロナさんは、わたしのブーメランの残骸(ざんがい)を集めてくれていましたよね」


「はい」


 背中の風車(かざぐるま)(じく)をひらいて、ロナは(ふくろ)を取り出す。


「このなかに(はい)っています。ただし取りこぼしも、あるかもしれません。……それとピックおじさんのえぐり取られた靴裏(くつうら)破片(はへん)一緒(いっしょ)()れています。これは、いのちを救われたことへの感謝の一環(いっかん)です。どうぞ!」


「ありがとうございます」


 ピックは礼を返して、袋を受け取った。


非常(ひじょう)に助かります。修復できないレベルとはいえ、細かいパイとハンガーが残っているため売却(ばいきゃく)は可能なのですよね」


「オクトパスとスクイードの代わりは、どうするんです」


「同じ波長(はちょう)のものを新しく買います。特注品(とくちゅうひん)ではありませんので、すぐに購入(こうにゅう)できますよ」


「そうですか……ピックおじさん、今までどおりに戦えるんですね……よかった」


 ロナが、安堵(あんど)のため(いき)をつく。

 ちょうどこのタイミングで、二人は溶接師ウェルダーの店の前に着いた。


 なかに(はい)ったピックは、ブーメランなどの残骸(ざんがい)()まった(ふくろ)店主(てんしゅ)に売ったあと……。

 赤いブーメラン・オクトパスと白いブーメラン・スクイードを注文した。


 支払(しはら)いは、その場で済ませる。

 金額(きんがく)と銀行カードの番号を証明書(しょうめいしょ)()()れてもらい、店主とピックが印鑑(いんかん)を押す。


 加えてピックは、それらのブーメランと同じ波長(はちょう)のアース・パイを(そこ)に付けた(くつ)一足(いっそく)(たの)んでおいた。


 ロナもそうなのだが、ピックは靴底(くつぞこ)に武器と同一(どういつ)波長(はちょう)のパイを仕込(しこ)んでいる。

 それによって足をブーメランに固定し……乗り物にしたそのブーメランから()り落とされないように工夫(くふう)しているのだ。


♢♢♢


 注文して一日(いちにち)()、ロナとピックは再び溶接師ウェルダーの店を(おとず)れた。


 細面(ほそおもて)の店主がピックに、注文どおりの(しな)(わた)す。


「……はい、ピックさん。新品のオクトパスとスクイード……それと、同一(どういつ)波長のアース・パイを取り付けた(くつ)だよ」


納得(なっとく)のいく出来(でき)です」


 少し見ただけで、ピックが断言(だんげん)した。


(ため)しますね」


 許可をとったうえで――ピックは新しい(くつ)をはき、二つのブーメランを構えた。

 店のあいたスペースで赤いブーメラン・オクトパスを(ほう)り上げ、そのオクトパスの中心に立つ。


 内蔵されたハンガーを足の裏全体(ぜんたい)刺激(しげき)して空中にとどまり、上下(じょうげ)回転(かいてん)する。


 ついで、オクトパスと同じ波長のアース・パイを有する白いブーメラン・スクイードを投げる。

 スクイードの重力に引っ張られるかたちで、ピックは(ちゅう)を移動する。


 しばらく(ため)したあと、ピックは二つのブーメランを背中に(もど)した。

 店のゆかに足をつける。


「これらをそのまま、いただきますよ」


「どうぞ持ち帰ってください。もうお(かね)は、もらっていますからね」


「はい。……そしてご主人(しゅじん)


 ピックが、店主の溶接師ウェルダーをじっと見る。


「……『クラーケン』については、事前に聞いていますよね」


「ああ、それか。……ピックさん」


 店主は、細面(ほそおもて)の顔を()まずそうに(くず)す。


「もちろんオクトパスやスクイードを(わた)したうえで、こっちから切り出すつもりだったよ。クラーケンは、すでに届いている。自信作だとさ」



 ……そもそも無の空域の町にて、ピックは「クラーケン」なるものを溶接師ウェルダーに注文していた。


 しかし、以前にロナと(おとず)れた段階(だんかい)では完成していなかった。

 だから完成次第(しだい)、クラーケンを赤の空域の町まで送ってもらったというわけだ。


 旅を進めれば、ちょうど赤の空域に到達(とうたつ)したときにクラーケンを受け取れる――そうピックは計算していたのである。



 ()たして店主が取り出した「クラーケン」なるものは、やはりブーメランだった。


 ピックが微笑(びしょう)して受け取る。

 ロナは、その光景を見る……。


 ピックの新たな武器のクラーケンは、存外(ぞんがい)に小さかった。


 オクトパスやスクイードよりも羽根(はね)が短い。

 まるで触手(しょくしゅ)のように、うねった形状(けいじょう)をしている。


 クラーケンは、十二枚羽根(ばね)のブーメランのようだ。

 青い濃淡(のうたん)()(みだ)れた模様(もよう)を持っている。


♢♢♢


 ピックの用が済んでから……。

 ロナは、(いた)んでいたポニーとタイタンを溶接師ウェルダーの店主に修理してもらった。


 そして(そと)に出て、ピックとロナは二人きりで町を歩く。


 赤の空域の大気は、町のなかでも赤い色。

 ()みつきになるほど、からい。


「いつまでも()っていたくなりますね……ピックおじさん」


「そうですね。ところでロナさんが()きたいところは、ありますか」


「そろそろ、なんか食べましょう」


 ロナとピックは料理店に(はい)り、食事をとる。

 赤の空域のガスをもとにして作られた、からい調味料(ちょうみりょう)のかかった肉料理(にくりょうり)をたいらげた。


♢♢♢


 一方、ゼライド・クエン・ヤマメの三人は……。

 ロナ・ピックのいる地面と向かい合う、町のアース・パイの区画にいた。


 やや広めの公園に(はい)り、そこに(もう)けられた長椅子(ながいす)(すわ)っていた。


 長椅子(ながいす)は足を持たず、つり()げられている。

 横に長いブランコのようだ。


 クエンの左隣(ひだりどなり)にゼライドが、右隣(みぎどなり)にヤマメが(こし)かける。

 椅子(いす)をきしませ、ゼライドが問う。


「そういえばクエンさんにヤマメちゃん。暗殺仲間としばらく連絡(れんらく)をとっていなかったら、向こうも変だと思ったりする?」


 ゼライドは横目で二人の顔を見ていた。

 反応(はんのう)したのはクエンだった。


「いえ……。(ぼく)たちは『標的(ひょうてき)をしとめるまで連絡しない』と伝えたうえで村をあとにしました。不用意(ふようい)に連絡をとって暗殺についてのやりとりが警察に()さえられても、(こま)りますからね。確かに警察(ない)に仲間はいますが……(かぞ)えられる人数(にんずう)(まぎ)()んでいる程度ですし、()てにはできません」


「信用するよ。でさあ……(おれ)、前から二人とは……もっと語りたかったんだよな」


 周辺の赤いガスを深く吸って、ゼライドは声の調子を落とす。


「クエンさんとヤマメちゃんはハンガームーンなわけだから……当然、同じハンガームーンである俺の仲間だ。まあ暗殺仲間ではないとしてもさ……ここにロナちゃんやピックくんとは(こと)なるつながりを感じるよ」


 (かれ)右肩(みぎかた)上着(うわぎ)には、やはりエンブレムが目立つ。

 大口(おおぐち)をあけたコミカルな天体と、ハンガームーンの(おごそ)かなロゴ。


 それと同じエンブレムが、ヤマメの(りょう)手袋(てぶくろ)とクエンの上着の背中にも見える。

 大小の(ちが)いは、あるものの……。


 ヤマメが自身のエンブレムを指でなぞる。


「うん、あたしも……()()()()()()()()()()()()()()()ハンガームーンになった。少なくとも一部(いちぶ)の人だけが(わり)を食うのは、おかしいから」


「僕も、ヤマメと同じ動機(どうき)を持ちます」


 クエンが椅子を少し()らす。


「しかしゼライドさんは、そんな僕たちがロナさんを殺そうとするのが理解できないのでしょう。生きる機会も、みんなで分け合うべきなので……」


「そこなんだよなあ、俺には、よくわからんくて」


「明かしますが……僕は職業柄(しょくぎょうがら)、たくさんの人を殺してきました。殺したほうが、みんなのためになる者たちを。その先に『分け合える未来』があると信じるなら……僕はロナさんだって容赦(ようしゃ)なく始末します。()()()()()()()()()()()()()


「あたしもクエンおじさまと同じ気持ち。いや、まあまあ私情(しじょう)も大きいけど」


 ……以上の二人の決意を聞いて、ゼライドは否定(ひてい)もせずに、うなずいた。


「話してくれて、うれしかったよ。俺もおまえさんたちのことは好きだし……ロナちゃんの殺害は、容赦なく阻止(そし)する。ココア・サン・クッキー(ない)のハンガームーンを見つけた日には、(たが)いに――()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 ゼライドは、つり下がった椅子から立ち上がり――。

 両腕(りょううで)真上(まうえ)()ばすのだった……。


♢♢♢


 それから三日後……専門家の分析(ぶんせき)を受け、かつトンネル内部の調査(ちょうさ)を済ませた銀行が、ウツボ型ボス・ガス・ホイップの討伐(とうばつ)事実を認証(にんしょう)した。


 ロナたち五人は、銀行が発行(はっこう)した手持ちのカードを行員(こういん)に見せる。

 続いて証明書に必要事項(じこう)を記入のうえ、押印(おういん)


 これで、報酬(ほうしゅう)五等分(ごとうぶん)した(がく)が、各自(かくじ)口座(こうざ)()り込まれたことになる。

 警察と同じく銀行も世界全体で共通の組織なので、そのぶんの金銭は基本的にどこの空域でも使える。


(だいぶ残高(ざんだか)が増えた……!)


 とくにロナは、心のなかで小躍(こおど)りしていた。


(ピックおじさんへの支払(しはら)いも、現実味(げんじつみ)()びてきたかも)



 ……さてピックの足裏のケガも完全に(なお)った。

 病院の医者も「完治(かんち)した」と明言(めいげん)した。


 こうして五人は、赤の空域の町から出た。


 そろそろ……。

 ハンガームーンが(ねむ)るとされる、超巨大(ちょうきょだい)岩石(がんせき)ココア・サン・クッキーに(はい)る日も近い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ