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第15話 ゾーマ、最終決戦! テイク2

「おおかるび、死んでしまうとはふがいない」

 ダーマの門番?に言われた。全くをもって面目ない。

 でも各国の王様クラスの人に言われるなら仕方ないけど、単なる門番に……


 かるびはザオラルを唱えた。何とももが生き返った。

 ももはザオリクを唱えた。何とつくねが生き返った。

 ももはザオリクを唱えた。何とテールが生き返った。

「でもまぁ、吹雪の剣を無駄にしなくて良かったですね」

「物は言い様ね」

 ダーマでセーブして、再チャレンジ。


 サクサクと竜王の城へ。入ったら一気に地下5Fへ。

「ほほう、懲りもせずまたやって来たようだな。

かるびよ何故在りもせぬ希望にそれ程しがみつくのだ」

「やっぱり言われっちまいましたか」

「そりゃそうですね」

「我こそは全てを滅ぼす者! 全ての生命を我が生贄とし絶望で世界を覆いつくしてやろう! かるびよ! 我が生贄となれい!

出でよ我が僕達! こやつらを滅ぼしその苦しみをわしに捧げよ!」

「それ以降のセリフは同じですね」

 キングヒドラが現れた。


「今回はサクサク行っちゃいましょう」

「ああ、いいよ。とりあえず、さっきので気が済んだし」

 本当にサクサクと倒す。

 バラモスブロスも倒す。

 バラモスゾンビも倒す。


「さーて、今回はもう光の玉は忘れていないよね」

「はーい。私が持っていまーす」

「HPは完全回復させたし、せっかくだから祈りの指輪でMPも回復させておきましょうか」

 クリアしてしまえば、ここで砕けて無くなろうと関係ない。まぁ別に本当に無くなっても、あまり惜しくないけど。


「って、かるびさん、鎧脱いで何やっているんですか」

「あ、ばかぁ! こっち見るなぁ!」

「み、見るなって、な、何しているんですか」

「こら、あんたも見るな!」

「え? ワ・ワシはゾーマじゃぞ。魔王じゃぞ。この城の主じゃぞ」

「何でもいいから、乙女の着替えを覗かないで」

「い、いやワシは……」

「いいから、あっち向いてましょう」

「って、気安く肩を叩くなぁ」

「分かってます。分かってますって」

「わ、ワシは魔王なのに」


「も~い~よ~っ!!」

「もう大丈夫ですか、って何ですか、その格好?」

「可愛いでしょ」

「か、可愛いのは可愛いですけど、なんでまた“ぬいぐるみ”なんですか」

「可愛いから。ゾーマちゃんもそう思うでしょ?」

「うむ、その通り。可愛い」

「って、何であんたも顔赤くしてるんですか」


・勇者かるび:Lv50、HP404・MP165・力248・すばやさ81・体力204・賢さ81・運のよさ114。

装備 バスタードソード(+105)、ぬいぐるみ(+35)勇者の盾(+65)オルテガの兜(+30)ウサギの尻尾(運+8)。

攻撃力353・守備力170。性格:乱暴者。魔法:勇者系全部。


「ぬいぐるみ以外は最強装備ですからいいけど、何でそれらの装備で最終決戦なんですか」

「ん~まず、バスタードソードはこの最終決戦の時の為にひとりバラモスでひたすら苦労して手に入れたものだから、この局面で使わなければ、あの時の苦労はまるっきり無駄になっちゃうから、これは外せなかった」

「ええ。それは良いですよ」

「このオルテガの兜。これはもう意地なんだ。親父が果たせなかった事をオレがする以上、父の意思を連れてこないといけないと思ったから。もしミルリルヘルム(+38 ) グレートヘルム(+45)があったとしても、やっぱりこれを使っていたと思う」

「ああ、それも良い」

「勇者の盾は、もうこれ以外の選択肢がなかったから。これ以外で最強は風神の盾ぐらいだけど、つくねからこれ取り上げる訳にもいかないし、その次って言ったら鱗の盾・青銅の盾……」

「すまない。それでも私とももは現役最強装備なんだ。取り上げないでくれ」

「でもって、服は一番のお気に入りの“ぬいぐるみ”っと」

「……」


「何か言いたそうだな」

「いや、もういいです。一番つっこみたいところですが、逆に貴方の方としては絶対に譲れないところでしょうから」

「にゃんにゃんにゃん♪」

「もう“ぬいぐるみ”に関してはいいです。でも、でも何で“ぬいぐるみ”着て、“ウサギの尻尾”なんですか」

「え~と、ミスマッチ狙って」

「本物……じゃないぬいぐるみの猫の尻尾があるのに、わざわざ。

でも、もし装備可能だったら私の“ドラゴンクロウ”も取られていたのでしょうかね」

「“魔獣の爪”GETしていたらなぁ」

「それも勇者は装備出来ません」

 なぜ勇者は爪系武器を装備出来ないのか。


「あの……すまんが、もういいか?」

「「「「え?」」」」

「こんなところで、くつろいでいるところ悪いのだが、そろそろいいか?」

「あ、すっかり忘れていた。んじゃ、最後の戦い行こうか」

 ビキニ・猫・普通の盗賊・ビキニの一行は、ゾーマの前に最後の一歩を踏み込む。


「うむ、では……かるびよ! 何ゆえもがき生きるのか?

 滅びこそ我が喜び。死に行く者こそ美しい。

 さあ我が腕の中で息絶えるが良い!」


 ゾーマが相手だろうと、もはやオーバーレベル気味で、装備もぬいぐるみ含めて幾分か最強装備に足りない程度。

「うにゃにゃ!!」

「ある意味、もったいない気もします。魔獣の爪が似合うかもしれないのに」


 戦闘シーンの描写は、今さらなので割愛する。

 しいて書いてみるなら、単調にバイキルトだとかフバーハとかメラゾーマの多用でターン数は多少かかったが、確実に自動回復以上にHPを削る。回復は賢者の石だけでは追いつかなかったが、全員がベホマの使い手であるから、危機感を感じるまでもなく、意外とあっけなくゾーマを打ち倒した。というよりオーバーキルで最後のHPをも削り取ったという感じであった。


「かるびよ……よくぞわしを倒した」

「うん、倒した」

「わしには見えるのだ再び何物かが闇から現れよう……」

「うん、現れると思う。この世界って波乱万丈みたいだし」

「っておい、見も蓋もない言い方をするでない。

うむ……だがその時お前は年老いて生きてはいまい」

「まぁそりゃ仕方ないよね。あんたはオレが生きている時代にいたから、こうして戦う事が出来た。オレがいない時代に暴れる奴は、まぁ仕方ない。その時代の勇者に任せるしかねぇもんなぁ。そこまでオレも面倒見切れねぇよ」

「お前みたいなのが勇者やっているんだったら、ワシが悪の魔王やっていたのが空しくなるではないか」

「いいんじゃない。それはそれで」

「緊張感がまるでありませんね」


「ところでさぁ、ゾーマ」

「し、死にかけた悪の魔王に、なんという話しかけ方だ」

「オレの親父もそうだったんだが、ほっといたらお前もそうするんだろうけど、やっぱり息絶える時に『ぐふ』はやめてもらいたいんだ、安っぽいから。そりゃザクとは違うのかもしれないけど」

「な、なんとまぁ。で、では何と言ったらいいのだ?」

「まぁそこら辺は魔王らしい大物の風格で」

「む、難しい注文をする。ギャン、だとまるで犬だし、ゲルググ……では断末魔になっておらんし」

「わくわく」

「って、期待で満ちた目をするでない。え、えと、えと」

「「わくわく、わくわく」」

「え……あ……グ、」

「「「「 グ!? 」」」」

「グ、グ、グ、グラブロ……!」

「期待した程、面白くもないな」

「さんじゅうごてーん!」

「って、早く逃げないと城が崩れますって!」

「大丈夫。この城や洞窟、崩れて落ちても大丈夫だし、崩壊も逃げるまで待っててくれるから」


 崩れる。

 落ちる。

 魔法が使えない洞窟に飛ばされる。

 ここに来て魔法が封じられている意味を思い出す。さっさとリレミトしてしまったら崩れる洞窟のデモが使えなくなるからだろう。


 さっさと逃げる。

 逃げたところが崩れていく。

 思わず必死で逃げてみるが、別にゆっくり逃げたところで崩壊に巻き込まれる訳でもない。でもついつい急いでしまうのは習慣?。

 抜ける。

 空の上の方で何かが閉じたような音がした。


「閉じちゃったわね」

「明るくなりましたぁ」

「何で閉じると明るくなるんでしょう。逆なら分かるのですが」

「それはそうと、アリアハンに帰れなくなっちゃた様ね」

「親父があんなんでオレまで帰れなくなっちまって、残ったのは爺さんだけ。お袋泣くぞ」

「エンディング見たら、さっさと神竜倒してオルテガさん生き返らせてあげましょう」

「そうですね。さっさと勇者ロトの称号貰いに行きましょうか。エンディング見たらリセットですね」


 という訳で、これで買わないクエストでのクリア達成する。

 達成ったって、途中やや苦労するものの最終的には準最強装備が揃うので、苦労そのものにはあまり意味がない結果だ。


 さてこの先、神龍を倒す為の旅がまだ残っているが、この話は一旦エンディングと共に終わる。勇者一行はこの後姿を消すと記されている以上、本当に姿を消すのだろう。

 とは言っても船に乗ってもアレフガルドから外に出られる訳ではなし(とっくに試した)、おそらくリセットして上の世界に戻ったのだろうと。


「ホルモンも待ってるもんね」

「何の事かしら~?」

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